シャーロック・ホームズの十字架 (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062940504

作品紹介・あらすじ

名探偵の遺伝子を守るため、兄妹は不可能犯罪に挑む!

世界経済の鍵を握るホームズ遺伝子群。在野に潜む遺伝子保有者を選別・拉致するため、不可能犯罪を創作する国際組織――「機関<シンクタンク>」。保有者である妹・七海と、天野直人は彼らが仕掛けた謎と対峙する!
強酸性の湖に立てられた十字架の謎。密室灯台の中で転落死した男。五百メートルの距離を一瞬でゼロにしたのは、犯人か被害者か……。
本格ミステリの旗手が挑む、クイーン問題&驚天動地のトリック!

感想・レビュー・書評

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  • ★そんな、馬鹿な。(p.16)

    【感想】
    ・ミステリとラノベがうまく混じってる印象ですがうっかりするとラノベがミステリをぶち壊してしまうかもしれないギリギリのところかもしれません。
    ・大がかりなトリックの実現性に釈然としないところはありますが、それはまあどうでもええことかもしれません。
    ・第二巻やったようですね。この巻から読んでも特に不都合はありませんでした。

    【内容】
    ・「機関」に「名探偵」たちが連れ去られるのを防げ!! というのが基本。

    ・硫酸湖の中に立てられた十字架に死体。
    ・落とす場所がない灯台内で墜落死した死体。
    ・五百メートルを瞬間移動した(?)犯人か死体。

    【一行目】真っ暗な湖面に十字架が立っている。

    ▼簡単なメモ

    【葵/あおい】作本葵(さくもと・あおい)。相模学園の女の子。陽菜と仲がいい。
    【赤瀬岳火口湖】平均pH.0.1、世界でも有数の酸性湖。名前はまだない。
    【浅井貴志/あさい・たかし】第二話のツアー参加者。大学生。二十歳。顔の印象はマダイ。
    【天野直人/あまの・なおと】→直人
    【天野七海/あまの・ななみ】→七海
    【石和/いさわ】御子柴家の執事兼運転手兼狙撃手。
    【磯崎/いそざき】第一話のディレクター。
    【伊藤純也/いとう・じゅんや】第二話のツアーコンダクター。三十一歳
    【臼井貴大/うすい・たかひろ】第一話のAD。十字架にかけられた。
    【浦川由実/うらかわ・ゆみ】第三話、俳句ツアーの引率者で俳句雑誌の編集者。四十六歳。
    【SDQUS/えすでぃくーす】非定型条件下における方策発見型問題を体験することでホームズ遺伝子群保有者が覚醒する。いわゆるゾーンに入った状態になること。覚醒すると「機関」に拉致されるのでその前に他者が解答を語ってしまいゾーンから抜け出させるこの状態から抜け出させる必要がある。
    【大野靖男/おおの・やすお】第二話のツアー参加者。元会社員。六十三歳。顔の印象はクサフグ。
    【金子錬次郎/かねこ・れんじろう】城ヶ島駐在所の警官。巡査長。
    【小泉】公安課員。
    【古賀】福岡県警刑事部刑事。初老の紳士という感じ。
    【相模学園】直人と七海が以前いた児童養護施設。
    【佐々木奈津子/ささき・なつこ】第二話のツアー参加者。三十七歳。顔の印象はカレイ。
    【三条綾乃/さんじょう・あやの】第一話のカメラマン。女性。語り手は名前を忘れがち。何かあるのかも。
    【シチュエーションパズル】これといった正解はなく水平思考的な柔軟さが求められる。その手のクイズは得意なんで中に出てきた問題はだいたい即答えられたんやけど別解ってのはなかなか。強引にひねり出すことはまあ可能なんやけど、素直な答えと比べると美しくないんやなあ・・・
    【渋谷/しぶたに】第一話の出演者。ワンコ系男子大学生。危険があるとふらふら寄っていくクセがある。頭脳チャレンジの五一位。
    【機関/シンクタンク】アメリカの経団連みたいな組織でホームズ遺伝子群の人材を集めている。そのために殺人事件を起こし謎を解きたくなるホームズ遺伝子群保有者の覚醒を促す。機関の人間は複数人現場に行っているがそれは覚醒者を拉致するためであり、事件そのものは犯人役が一人で行っているようだ。
    【鈴木芳人/すずき・よしと】第二話のツアー参加者。二十四歳フリーター。被害者となった。
    【頭脳チャレンジ】携帯アプリ。さまざまなタイプのクイズがあり解答者の順位が表示される。完全無料だということもあって爆発的に流行し日本人の半分がやったとも言われている。
    【田崎亮太/たざき・りょうた】第三話、俳句ツアーの参加者。二十歳の学生。
    【佃明美/つくだ・あけみ】第三話、俳句ツアーの参加者。五十二歳の主婦。
    【手代木/てしろぎ】第一話の出演者。無口な女子高生。ずんぐりした体型のインドア系メガネ女子。頭脳チャレンジの二二〇位くらい。
    【富成明日菜/とみなり・あすな】第二話のツアー参加者。十九歳の大学生。顔の印象はアオリイカ。
    【豊田/とよだ】相模学園の教師。
    【ドルさん】御子柴第二別邸の所持する車。日産MOCOドルチェ。
    【直人/なおと】天野直人。基本的には語り手で主人公。十八歳。御子柴第二別邸の主、御子柴辰巳の使用人。メガネの青年。ダニエル・ラドクリフにそっくりらしい。特に能力はないが妹の「通訳」ができ、そして、妹の存在を隠すための影武者いわば盾役となっている。
    【名古屋杏奈/なごや・あんな】第三話、俳句ツアーの参加者。三十三歳の主婦。
    【七海/ななみ】直人の妹。九歳の小学四年生。緘黙症でしゃべらないゆえ直人が「通訳」となっている。ホームズ遺伝子群保有者。しゃべらないけどおとなしいわけではない。けっこう活動的。
    【陽菜/ひな】佐倉陽菜。中学一年生。相模学園で七海と仲のよかった女の子。
    【福島修/ふくしま・おさむ】第三話の被害者。六十三歳、元銀行員。
    【ホームズ遺伝子群】医学的には「友田=メレンドルフ症候群」と呼ぶらしい。集中すると高い能力を発現するらしく貴重な人材で世界中で奪い合いが発生している。ウィスパードみたいなもんか。
    【星/ほし】第一話の出演者。元気なおばちゃんといった感じ。頭脳チャレンジの七八〇位くらい。
    【町田】第一話の語り手。大学生か院生のようだ。頭脳チャレンジでの最高位は二二〇〇万人中六十一位。結局三〇五位で落ち着いた。好成績ゆえテレビ番組の出演者として招かれたがその企画全体に違和感を抱いている。
    【御子柴家】機関(シンクタンク)に対抗してホームズ遺伝子群保有者を守ろうとしている。とりあえず実働部隊は三男の辰巳のチームのようだ。戦闘も辞さないが基本的には能力発現前に鎮静させようとする。
    【御子柴辰巳/みこしば・たつみ】御子柴家の三男。クールな男。直人の主。二十歳の美形。普段は大学で医学を研究しているらしい。
    【安河内/やすごうち】幸村が休みのとき(週二日)入るお手伝いさん。ちょっと変わってるらしいがどう変わってるのかは不明。
    【幸村/ゆきむら】メイド姿の戦闘マシーン。自称ジェネラルメイドでメイドとしての仕事もきっちりできる。
    【玲央/れお】相模学園の子ども。六歳。

  • 最初は「機関」だったりなんか良く分からない設定が多くて
    だいぶ読みづらかったけど、3分の1ぐらい読んだところから
    背景なども分かってきて読みやすくなってきた。
    トリックについては、良く分からなかったけど、
    結構大掛かりな話だなぁと思ったりする。

  • シリーズの二作目。

    この作者の作品は、コミカルなものが多いのですが、この作品は、コミカルでは無いとは言いませんが、他の作品よりはコミカルさ加減は抑え目です。登場人物的に、なかなかコミカルな方向に振り切りにくいのでしょうかね。

    一応、破綻の無いようにトリックは考えられています。そういうミステリーを作ることはなかなか素晴らしいと思います。

    この作品が出てから5年目になります。物語的に、もっとシリーズ作品が出ていても良い気がしますが、まだ2作しか出ていません。1作目と2作目の間隔が1年という事だったので、ちょっと長いですね。って言うか、もうネタ切れ??

  •  名探偵がいるから殺人事件が起こる。そして名探偵が動き回ることで、死者が増えている。もしも世界から名探偵が消えたなら、どれだけの人が死なずに済むのだろうか。
    (P.320)

  • 世界経済の鍵を握るホームズ遺伝子群。在野に潜む遺伝子保有者を選別・拉致するため、不可能犯罪を創作する国際組織――「機関(シンクタンク)」。 保有者である妹・七海(ななみ)と、天野直人(あまのなおと)は彼らが仕掛けた謎と対峙する! 強酸性の湖に立てられた十字架の謎。密室灯台の中で転落死した男。五百メートルの距離を一瞬でゼロにしたのは、犯人か被害者か……。 本格ミステリの旗手が挑む、クイーン問題&驚天動地のトリック!

  • 彼らの仕事は、終わりが見えず
    続いて行くのでしょう。
    と、思ったら少し切なくなりました。

  • 前の巻で、この「頭脳チャレンジ!」に挑戦すると危険だ!(>.<)と学習したのに、チャレンジしてしまう(^^;)でもホームズ遺伝子を持っていないから安心なのさ~(^^)そして本編を読んでドキドキ、ワクワクそしてゾクゾク(;゜∇゜)続きが出ないから、これで終わりかな?と思っていたら、あとがきに続くとあったので楽しみ~♪

  • シリーズ2作目。中編3編。
    卓越した頭脳を持つホームズ遺伝子群。保有者である妹・七海と兄・直人は謎に挑む。

    設定は面白いが、トリックのスケールが大きすぎて非現実的。
    著者はフィギュアスケートが好きなのか、前作に続き所々小ネタがあって楽しかった。
    (図書館)

  • 遺伝的に特別な推理能力を持つ人たちを巡って非合法行為も辞さない組織が対立するという突飛な設定ですが、純粋に作品世界を楽しむ気持ちで読めばかなり面白いと思う。
    似鳥氏がよく使う脚注もいい味を出しています。

  • トリックが壮大でちょっと面白くなっちゃう。本題はそこではないのだろうなと思ったり。金子巡査長がすごく好き。幸村さんが物事をスケートに喩えるところも好き。あと、もしもアニメ化!とかになったら主人公は小野賢章で是非お願いしたい。

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著者プロフィール

1981年千葉県生まれ。2006年『理由あって冬に出る』で第16回鮎川哲也賞に佳作入選しデビュー。「市立高校」シリーズ、「戦力外捜査官」シリーズ、「楓ヶ丘動物園」シリーズなどの人気シリーズの他に『難事件カフェ』『迫りくる自分』『きみのために青く光る』『シャーロック・ホームズの不均衡』『レジまでの推理~本屋さんの名探偵~』『101教室』『彼女の色に届くまで』『100億人のヨリコさん』『名探偵誕生』『叙述トリック短編集』『そこにいるのに』『目を見て話せない』『生まれつきの花 警視庁花人犯罪対策班』などがある。

「2023年 『育休刑事 (諸事情により育休延長中)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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