恐怖小説 キリカ

著者 :
  • 講談社
3.50
  • (13)
  • (39)
  • (43)
  • (8)
  • (2)
本棚登録 : 258
レビュー : 64
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062940528

作品紹介・あらすじ

ホラー小説の新人賞を獲得し、僕は出版に向けて準備をはじめた。隣には支えてくれる最愛の妻・キリカ。順風満帆な日々が続くと思われたが、友人の一人が「作家とは人格破綻者である」「作家は不幸であるべき」と一方的な妄想を僕に押し付け、嫌がらせをはじめる。ストーカー行為、誹謗中傷の手紙、最悪の贈り物。やがて不幸は、僕とキリカのとある「秘密」を暴き出すが――。

感想・レビュー・書評

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  • 日本ホラー小説大賞を受賞した作者による、自伝的小説……だったらとんでもなく怖いお話。ネタばらしはないけれど、「ぼぎわんが、来る」と「ずうのめ人形」を先に読んでおいたほうが楽しめそうです。そして「ぜんぜん面白くなかった」なんてネットで酷評してようものなら……うふふ。
    序盤のリアリティが半端ない。受賞の体験とか、校正の経緯とか、そのあたりは実話なんだろうなあ、でもなんか物語的な起伏はいまいちかなあ、などと思いながら読んでいると。そのうちどんどん狂ってくる物語。残虐シーンもてんこ盛り。心理的恐怖もぐいぐい来るし。そこまでいらんわリアリティ!と思うほど、気持ち悪さが増してきます(褒めてます、念のため)。
    そして、この「小説」が書かれた目的……いやいや、小説をそんなのに「使う」だなんて! 邪悪すぎますよそれ。たしかにこういうのを読むと、一番怖いのは人間なのかなあって思えてしまいました。「本物」ねえ……実話でないことを祈ります。

  • 皆さんがレビューで「レビューが書けない」って言ってたわけが、読んでみて、ようやく実感としてわかりました(苦笑。

    最初・・・1章の中盤くらいで読むの嫌になっちゃったんです、これ、私の好きなタイプのホラーじゃないのかな。と思って。(レビュー書くのが怖くて、これ以上細かく書けない。(;´▽`A
    で、一章読むのを飛ばして(実際には1章のラスト数ページだけ読んでから)、2章を読みました。
    そっからは、読みましたけれども。

    全部読んでから、一章の読んでないところも読みました。
    安心して読めました(苦笑。
    怖さがあるのに、ちゃんと夜中にトイレに行ける、実話怪談系じゃないホラーです、なんか、キリカだからじゃないけど、キリきりと胃にくるホラーです。

    個人的には、前作「ぼきわんが、くる」「ずうのめ人形」のが大好きです。また、こういった作品を書いて欲しいです。

    • みつきさん
      >LUNAさん
      うん、悪くはないんだけど・・・ね('Д')・・・
      「私が失敗した理由」は読んだことがないので、早速読んでみたいと思います...
      >LUNAさん
      うん、悪くはないんだけど・・・ね('Д')・・・
      「私が失敗した理由」は読んだことがないので、早速読んでみたいと思います。
      (しかし図書館の予約が今、冊数満杯なので、空いたらスグ予約したいです)
      2018/02/20
  • レビュー書くことが憚られる怖さですね。作者ほんとうにやばいんじゃないのかと感じさせる凄みがある。どんでん返し的に予想を裏切ってくるのはほんとうに上手い。三章構造で章ごとに語り手が変わるやり方は前作でも使われてたなあなんて感想すら作者の掌の上で。こちらが読んでどう感じるかを先回りされているという感覚が、作者に見られているという感覚に繋がってさらに怖いよ。

  • これ読んでレビュー書けます?

  • ホラー小説の新人賞を獲得し、僕は出版に向けて準備をはじめた。隣には支えてくれる最愛の妻・キリカ。順風満帆な日々が続くと思われたが、友人の一人が「作家とは人格破綻者である」「作家は不幸であるべき」と一方的な妄想を僕に押し付け、嫌がらせをはじめる。ストーカー行為、誹謗中傷の手紙、最悪の贈り物。やがて不幸は、僕とキリカのとある「秘密」を暴き出すが――。

    比嘉姉妹シリーズとは別の作品という事でししりばの後に読んだけど、予想とは全然違うタイプの恐怖だった。
    作者さん含め作家の名前そのまま出してたり、「ぼぎわん」や「ずうのめ」の出版までの流れ書いてあったり、どこまでが真実でどこからが虚構なのか…境界線が酷く曖昧でいっそう不安になる。最後まで読むとレビュー書いて大丈夫かなって心配にもなる。
    最初は副島の歪んだ執着がこっわ!ってなったのに、霧香の真実と告白で主人公に対しての見方が一転した。ホラーとはちょっと違うけど間違いなく怖いタイプ。人間が一番怖いとはこの事か。
    警察に言ったのに、梶山さん達が普通にやられるまで野放しにされてるのがどうにも納得できなかったけど。

  • 毎回思うんだけど境目のないこわさが今回はかなり際立っていた。エグくてやりたい放題でイヤミスならぬイヤホラーっぽく、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」を観た時のブルブル感が…。リアル過ぎて精神的に混乱し凍りついた…参った…。ホントえぐい。

    実話というテイ。フェイクドキュメンタリー。(187ページ)

    100回は言えないので1/3の30回くらいで、どうか許してくださいな。
    「くろっくろっ、くろいいえっ」

    帯の貴志さんのコメントも突き抜けていてズルい。これはもう出版社も編集者も含めて身内でかなり楽しんじゃっているのでは…?超ドSだよね。。。

  • 貴志祐介氏の「ついうっかり本物を世にだしてしまいました。」には二つの意味がこめられてると読み終えて分かりました!うかつなレビューは怖いので書けませんが(笑)、前2作については多少なりとも人間の怨恨からなる霊や妖怪なるもののお話で「ひゃ〜、人間(の憎悪)って怖い〜」でしたが、今回は「ほんまもんの人間が怖い」でした。しかし、これ講談社だったんですね。てっきりKADOKAWAのシリーズだと思ってて、あれ、いつ真琴とか出るんだろ?と思ってました(笑)。

  • ぞわ…ぞわぞわ…。出たのは2017年だけど誹謗中傷が問題視され訴訟(中傷した側の敗訴)が増えてる2020年にぴったりで余計こわかった。
    わたしは映画のレビューをSNSに投稿していて、前まではつまらないと思ったら平気で悪口を書いていた。けれど数年前のあるときいまいちな映画レビューを監督さん本人からいいねされ、急に怖くなってそれから邦画は悪口を書かなくなったw
    そういうのもあって個人的に酷評レビューを製作者本人が見て怒って、……という流れはぞわぞわくる。
    タイトル含めてあとがきまでの構成も色々封じてて素晴らしいなあ。先週あたりずうのめ人形読んだばかりでキリカを読んでしまったのも運が良すぎるw「ホラーの皮をかぶった正統派エンタメ」とはたしかに…。今後の作品(とくに中〜長編!)も期待。それにしても澤村さんの周りに副島みたいなひといるのかなあ。身に覚えのあるひとちょっとどきどきしてそう。

  •  『ぼぎわんが、来る』を読み、次に『ずうのめ人形』を一日で読み終え、Booklive!で少し安くなっていたので購入した『恐怖小説 キリカ』もまた、一日で読み終えてしまいました。
     それくらい勢いがあり、澤村さんの書く物語にずいずい引き込まれているのだなぁ、と。

     さてまずは、続けて感想を書いてきましたが、思い切りドカドカとネタバレを書き留めているので、そういうのを許せる人だけ。
     また、皆々様、口を揃えて、レビューが書けない、とおっしゃっていますが、そちら、中盤から後半にかけて読んでいただければ、意味がわかるかとw
     まあ、わたしは書いちゃいますけどね。とどのつまりは、『否定』しなきゃいいんですから。

     始まりは、一件の電話。小説を書き、とある賞を受賞した、ということが窺い知れます。
     妻・キリカとよろこびあい、小説を書いては批評し合うという会合のメンバー四人にも受賞の旨を伝え、わいわいきゃっきゃする。
     それで終われば良いのですが、そうしたらホラー小説になんぞならんわけで。
     副島さん(そえじまさん、と読むことを、わたしはペルソナシリーズイラストレーターの副島成記さんを通して知った)というひとりの会合仲間が、なぜか執拗に元妻をディスる。鬱屈した心をぶつけたんだろう、苦労したろう、元妻は謝るべきだの反省すべきだの、まぁそれをFacebookという公の場所で垂れ流れるなとドン引きしつつ(まぁせめてmixiあたりよね。個人公開もできるし。まぁでも、こういう人は全体公開で垂れ流すんだろうけど)そしてストーカー行為まで受け、妻とともにだんだんやつれていく。
     そこまでは普通です。ある意味。
     副島さんの狂気がひたひたと迫ってくる。
     ああ、この人は固定観念が過ぎる。
     そう思わせておいて……まさかの。彼が。殺人を犯すとは。
     ーーとはいえ、たいした意味もなく殺す人間というのはこの世にいるものです。
     理解できるはずもない。だって本人ではないのだから。
     本人ですら理解できていないかもしれない。
     また、今回については、理由がないというわけではない。人によっては、くだらないと思うような理由で人殺しを行なう。パカパカざくざくぶしゃぶしゃミチミチばきばきぐちゃずちゃ、って、おまえこれマンガかっ、てくらいに。
     ……ただまあ、疑問なのは一つ。
     作品を否定されたから、殺しているんですよね?
     彼は。
     褒めていれば、多分、なんにもない、と。
     自分を否定されたように感じるから?
     それとも、『人を殺したいから、その理由づけのために、否定している人たちを殺している』?
     ただ否定されただけで、莫大な時間をかけて、相手の情報をかき集めーー殺しに行く。ただひたすらにいたぶり、殺し尽くす。
     ずっとずっと、人を殺したいと思っていて、両親まで殺していた。
     結婚して、『落ち着いていたから』殺しをしなかった。
     でも今は違う。
     そうこうしている間に、また、人を殺したい衝動に駆られ始めてきた。
     だから考える。
     作品を世に出した。批評が生じる。
     自分の考えを否定する輩がいる。
     そいつは、気に食わない。深掘りもせんと、否定してくるなんぞ、って。
     そうしたら、そんな否定してくるやつくらい、殺したっていいよね?
     ……そんな感じ、なのでしょうか。

     ていうか、疑問なのが、夫にアレほどレビューを書くなと言われたというのに、それをネット上で描き散らかす梶山の妻。あほやなぁ、と思う。
     まあでも、『ぼぎわんが、来る』のレビューは書くな、言うてたけど、『ずうのめ人形』については梶山さん何も言うてないもんなぁ。仕方ないんかな。
     うーん、妻には、メモするくらいにして全体公開はしばらくしないで、と言っておけば良かったのか。
     まあ、でも、ねえ。そうしたら、最後の章は、出てこないし、ねえ。

     個人的に。
     『ぼぎわんが、来る』は、まだ、救いがありました。いや、うん、解決してないみたいな感じだけども、それでもまあ、ある意味、救われたと言うか、なんと言うか。
     『ずうのめ人形』は、色々とショックが重なってしまって。最後もね、一応、じぃっと画面を見つめるだけでね、阿呆な真似するわきゃないよな、……そうだよね?って感じで、あやふやな終わりをわざわざ残していた。
     そして今回、えーっ、なわけですよ。
     悪い意味じゃないですよ。ただ、まあ、救いが欲しかったかなぁ。それ言うたら、『黒い家』でもなんでも、救いがないけどもね……。
     ……ただ、まあ、警察にもう言ってて、そんで死んだのが分かったら、その周囲を捜査しないのかなあ。そして捕まる、って流れまでが、個人的には、逃げおおせるはずだったのに、って言うのでウケるww
     あれだけ殺し、逃げ、淡々としていたのに、自分に近しい人にまで手にかけ始めたという見境のなさから、って言うのがあると、カタルシスというか、そういうのがあるかなあ。
     最後の最後まで(参考文献の箇所)小ネタというか、作り込んでいて、すごいなぁ、と思いました。

  • 久しぶりにホラージャンルを読んだ。
    澤村さん自身を主人公に、実は澤村伊智は狂っている。と言う何処までが本当なのか境界線が分からなくなる話。
    このレビューが酷評だったら澤村さんが殺しに来るのだろうか!?
    講談社の本なのにあんなにカドカワの事がずっと書かれている本なんて初めて読んだ。
    ホラー小説作家だけにいい感じに狂った人のイメージが付いて、最後のエピローグの後の一文に鳥肌がたった。

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著者プロフィール

作家

「2021年 『ゆびさき怪談 一四〇字の怖い話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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