- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062940535
作品紹介・あらすじ
『ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』の著者が描く、哀しい怪異譚――。
山深い寒村の旧家・蒼具家では、「盆に隠れ鬼をしてはいけない」と言い伝えられている。
広告代理店勤務の高沢春菜は、移築工事の下見に訪れた蒼具家の蔵で、人間の血液で「鬼」と大書された土戸を見つける。
調査の過程で明らかになる、一族に頻発する不審死。
春菜にも災厄が迫る中、因縁物件専門の曳き家を生業とする仙龍が、「鬼の蔵」の哀しい祟り神の正体をあきらかにする。
感想・レビュー・書評
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またまた内藤了さんの作品。オカルトチックなあらすじに惹かれて読んでみたが、薄めの文庫本の割にどっしりとした内容になっていた。
新人建築プランナーの春菜は、新人にただ働きをさせて使い潰すという長坂から道の駅の建築の依頼を受ける。今度こそは正当な対価を、と息巻く春菜だが、道の駅になるはずの蒼具家には、鬼という文字が血痕で扉に書かれていたり、不気味な因習があったり、蒼具家の男子はみんな野犬に食い殺されたり、祟り神の存在と一筋縄ではいかない曰く付き物件だったのだ。曳き屋と呼ばれる、怨恨を断つ仕事をする仙龍と共に、蒼具家の怨恨を晴らそうとする。
安心と信頼の残虐な死に方で、内藤了ファンの方には堪らないのではないか。二時間程度で読めるが、内容は超重厚。初めは長坂に一矢報おうとする春菜のお金お金、仕事仕事な感じが、蒼具家の全貌を知るたびにどんどん人として成長していく感じが見ていてよかった。春菜も怖さを隠すためにもがいてるところや、ヒーローである仙龍に素直じゃないところもなんだか応援したくなるヒロインだった。
しかし、専門用語が多すぎて難解ではある。そもそも仏教用語ですら怪しいのに、曳き屋やら講など言われても状況がイメージしづらく、よくわからない。その辺は覚悟して読むべきだろうか。
祟りの正体は悲しいもので、それ故にショックだった。祟り神の呪いは恐ろしいものだが、生きている人間の方が、よほど酷いことをできるものだ。現代に生きる私たちの感覚からしたら、倫理的におかしい、人道的じゃないと思えることも昔は平気でしていたのだ。きっと、蒼具村だけじゃなく、どこもそうだったのであろう。だからこそ起きた怪異。読んだらすっきりするし、あまり怖くもない。ホラー初心者にもおすすめだ。
気になった方は是非一読してみてほしい。
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広告代理店の女のお話
いわくありの物件の移転工事の見積もりで
現地を訪れたが・・・
主人公はちょっと霊感もあるっぽかったです
曳き屋というのも出てきて・・・
いわくも徐々に明らかになるのだけど
読み終わって、なるほどそういうお話なのねって
言葉とかちょっと読みにくいなと思いましたが
ふむふむな感じです -
ホラーは苦手だけど大好きな内藤了さんの本なので読んでみたら面白かったー‼︎
古い慣習やしきたり、怨念や怨霊、曳やや生臭坊主。
たまりません(*´∀`*)
ホラーなのでゾクゾクしますが、それ以上に明かされる真実に驚愕します。
ホラーって怖いと言うより哀しいと思うのは私だけでしょうか。 -
蔵の中にいて、無駄口は叩かずぶっきらぼうだがよく見ると端正な顔に鍛えた体。ってどう見ても大典太さんじゃないですか〜。
安易に恋愛要素を入れずこのままの路線で進んで欲しい。 -
よろず建物因縁帳 第1弾。
猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子シリーズが面白すぎたので購入。
小野不由美さんのゴーストハントシリーズと、北森鴻さんの
蓮丈那智フィールドファイルを思い出させるような話。
怪異と因習と原因の追究と独特の解決。
●●師って結構ツボなんですが、今回は曳き家師。
そんなものが存在していたとわぁ~!
初回は、旧家・蒼具家の独特の儀式と言い伝え。
床下に貼られた200年ほど前の因縁物件の印。
主人公春菜と隠温羅流導師の仙龍に雷助和尚と小林教授
そして仙龍の会社の新人コーイチを加えて原因を探る。
もうこれ大好きです。 -
内藤了 よろず建物因縁帳シリーズ
歴史物と思いこんでいて避けていたけど、現代物 そしてどちらかというと民俗学要素の話 北森鴻さんの蓮丈那智シリーズを思い出しました
それぞれのキャラクターが想像できてよいし、民俗学はがっつりじゃないのでさらっとよめる 広告代理店勤務の主人公が美人で曳き屋の仙龍がイケメンなのはよいけれど、恋愛要素だけは入れないでほしい
次回も楽しみ -
藤堂比奈子シリーズの著者のホラーシリーズ第1弾。
寒村の旧家の移築工事の調査から、一族の不審死、寒村の哀しい過去が浮かび上がる。
曳家とオカルトの組み合わせはしっくりくる。キャラは典型的なラノベ風だが、怪異の描き方がしっとりとしたホラーでなかなかよかった。 -
面白かった。次巻へゴー
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その土蔵の土戸には、夥しい血で「鬼」という文字が
したためられていた。
怨霊の封印が解け、恐ろしくも切ない物語が始まる。
広告代理店につとめる春奈と、謎の曳き師、仙龍のコンビが旧家、蒼具家にまつわる因縁を断ち切る。
ワタシは怖がりである。
ホラー小説は、どちらかというと、苦手なほうだし、まして、ホラー映画は殆ど見ない。
今回のように、たまたま読んだとしても、夜はいやだ。
明かりを避けた薄暗い部屋の隅には、何かがうずくまっているような気がするし、自分の背中側の気配が気になる。
この作品は、「猟奇犯罪捜査斑」シリーズの流れで手に取った次第である。
広告代理店の営業担当である高沢春奈は、奥深い山村の道の駅建設計画に名乗りをあげる。
だが、その村の旧家、蒼具家の土蔵から文化財が出たということで、土蔵をまるごと移転するという話に。
下見に出かけた春奈は、因縁物件専門の曳き家師、仙龍という男と知り合う。
土蔵に入った春奈は、その土戸に大書された「鬼」という血文字を見せられる。
さらに、床下には謎めいた印が入った札が貼られている。
調べるうちに、蒼具家には、盆に「隠れ鬼」をしてはいけないという禁忌があることもわかってくる。
「鬼」とは何なのか、そして、血で書かれた理由、禁忌の意味するものは。
旧家、土蔵、血文字、封印の札と、ホラーの舞台装置満載。やぁ~、ゾクゾクします。
春奈のキャラが負けん気の強い、結構強烈なもので、なんだかなぁと思って読んでいったけど、仙龍との息があってきたところから、強烈キャラも気にならなくなった。
そして、春奈にも、何やら力があることも示唆されてはいるが、どんな力なのか、発揮された様子はないのだが…。
著者プロフィール
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