神さまのビオトープ (講談社タイガ)

  • 講談社 (2017年4月20日発売)
4.11
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本 ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784062940672

作品紹介・あらすじ

☆☆☆祝 『汝、星のごとく』2023年本屋大賞受賞!☆☆☆
「幸せ」のあり方を問う作家・凪良ゆうの原点がここに!

世の中は秘密だらけで、それでもなんの不都合もなく回っている
誰かに迷惑さえかけなければ
いろんな幸せのかたちがあってもいい。
それが歪なものなのかは誰にも決められない。
だってその人にぴったり合えばそれはもう歪なものではなくなるから。

どうしてもこの本を読んで欲しいーー紀伊國屋書店梅田本店 小泉真規子

夫の幽霊と暮らすうる波を取り巻く、秘密を抱えた彼ら。
世界が決めた「正しさ」から置き去りにされた人々へおくる救済の物語。



うる波は、事故死した夫「鹿野くん」の幽霊と一緒に暮らしている。彼の存在は秘密にしていたが、大学の後輩で恋人どうしの佐々と千花に知られてしまう。うる波が事実を打ち明けて程なく佐々は不審な死を遂げる。遺された千花が秘匿するある事情とは? 機械の親友を持つ少年、小さな子どもを一途に愛する青年など、密やかな愛情がこぼれ落ちる瞬間をとらえた四編の救済の物語。

感想・レビュー・書評

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  • それぞれの愛の形やパートナーとの生活があり、それは、他人からは見えない。見ることを求めるものでもない。ただ、当事者にとっては複雑でやりきれない思いもあるだろう。それを、聞いてくれる人がいればいいな。求めた時に、しっかりと受け止めてくれる人。そんな人がいたら、人は少し楽になるかも。自由な形でいい、そこに自分が居心地のよさを感じていれば、そんな気持ちになる作品。

    • かなさん
      ヤンジュさん、こんばんは!
      コメント欄では初めましてですね(^^)
      ヤンジュさんの本棚を眺めていて
      この作品の表紙が変わっていることに...
      ヤンジュさん、こんばんは!
      コメント欄では初めましてですね(^^)
      ヤンジュさんの本棚を眺めていて
      この作品の表紙が変わっていることに気づきました!
      この表紙もいい感じですよね~

      ヤンジュさん、私の本棚にいいねをしてくださって
      時にはこちらの拙いレビューにいいねをありがとうございます。
      こちらからも本棚いいねはさせてもらっていますが、
      今回は改めてフォローをさせてください。
      今後もどうぞよろしくお願いします。
      2023/04/22
    • ヤンジュさん
      かなさん、コメントをありがとうございます!
      嬉しいです!

      かなさんの本棚や感想から、この本読みたいなーと新たな本との出会いが楽しみになって...
      かなさん、コメントをありがとうございます!
      嬉しいです!

      かなさんの本棚や感想から、この本読みたいなーと新たな本との出会いが楽しみになっています
      また、同じ本の感想も楽しく読ませていただいています

      私もフォローさせていただきました!
      こちらこそ、よろしくおねがいします
      2023/04/23
  • とても良かった
    人間1人1人が見えてる視界、世界、思考は全て個人の都合の良い解釈で作りあげられた物

    同じ出来事でも、他人から見たら…見えかた、感じ方全て違うし…
    なんなら1人1人全て違うから
    自分と同じ世界を見てる人間は誰1人居ない

    でもそれが1人1人の心を守る為に必要な能力

    それを現したような作品。

    ※だから結局話が変わるけど、俺が何を言いたいかって言うと…
    【TVで芸人がワカサギ釣りやってて、家族が美味しそうと言ってるときに…ワカサギ釣りってウジ虫で釣るから、ウジ虫飲み込んだワカサギをウジ虫と一緒にカラッと揚げたの食べるんだろ?…と言ったら部屋中に殺気がWi-Fiみたいに飛んでたよ!】って事!!

  • というわけで凪良ゆうさんコンプリーターです(BL以外)
    BLこそだろ!って怒られそうだがいいのですコンプリーターの基準は人それぞれ

    『神様のビオトープ』は死んだ旦那さんの幽霊(?)と一緒に暮らすお話

    例えば明日死んじゃったとする
    え?なにやだ恐い

    いやいや話し進まないからそこはいったん受け入れよう自分

    例えば明日死んじゃったとする

    で、なんか「残っててもいいよ」って言われたとする
    「死んだままだけどね」って言われたとする

    「じゃ、いいっすわ」って言っちゃいそうな気がする
    愛する娘たちのいくすえは気になるけど目の前に現れたとして「は?意味わかんないんですけど?きも」とか言われそうだし
    いや「恐っ」なら分かるけど「きも」はないだろ!ってなりそうだし

    奥さん?奥さんねぇ…大丈夫じゃね?



    はい、多分「愛」についての話だったと思います
    「愛のかたち」は人それぞれって話だったと思います
    コンプリーターの基準と一緒です

    よし分かった
    人それぞれだとしよう
    じゃあ、あなたのかたちは何なの?って話しですわな

    う〜ん
    なんかいろいろ考えてもうまくまとまらないな〜
    頭の中をぐるぐる周る感じ?
    よし、これを「ぐるぐるの問題」と名付けよう
    なんか名前付けるとシュっとするな〜

    シュっとはするけど結局答えは出ないので
    ぐるぐるして脳が疲れる
    そしてお腹がすく
    お腹がすくのはやばい
    これは相当にやばい
    だって考えてお腹がすくってことは本来繋がってないはずの回路が繋がったということだからね
    混線してる
    これは本当にやばいのでいったん放置だ
    ホーチミンだ
    ホーチミンはベトナムの都市だ
    お後がよろしいようで(何もよろしくない)

    • ひまわりめろんさん
      まとめるとみんな一旦寝ようってことですな!(違う)
      まとめるとみんな一旦寝ようってことですな!(違う)
      2023/10/26
    • 1Q84O1さん
      それ正解です!
      さぁ、みなさん寝た!寝た!
      ひま師匠、今日は許してよぉ〜w
      それ正解です!
      さぁ、みなさん寝た!寝た!
      ひま師匠、今日は許してよぉ〜w
      2023/10/26
    • ひまわりめろんさん
      お風呂ちゃんと入ったら許す!
      お風呂ちゃんと入ったら許す!
      2023/10/27
  • 結婚して2年目に夫を交通事故で失ったうる波の元に、夫である鹿野くんが戻ってきた。
    しかし、鹿野くんの声も姿もうる波にしかわからない。
    うる波が守ると決めた、この2人の「普通の毎日」の周りで起こる4つの物語。

    それぞれの物語での愛の形は、周囲から見ると歪で、どこかハラハラさせられて落ち着かない。
    だからこそ、心配になる。正したくなる。口を挟みたくなる。
    『周囲のあなたのためにという言葉は頑固で、真面目で、自らの信念に満ちすぎていて始末に困る』
    本人たちもそのことは十分に承知し、それ故に傷ついてきた。だからこそ秘密にする。
    その秘密に、苦しんだり、悩んだり、諦めたりしながら。
    『世の中は秘密だらけで、それでもなんの不都合もなく回っている』
    どうか自分たちの愛の形を人生を、自分らしく納得して生きていけますようにと願いたくなる。そこに希望が持てる世界でありますように。

    『「共に生きていく」ことを阻む法律はなにもない。
    心は自由で、それを阻むものはない。
    あってはならない。
    なにひとつ。』

  • 幽霊になった鹿野くんと一緒に暮らすうる波。どの話もすごく素敵な物語でした。良かったのは最後の終わり方です。この終わり方こそこの物語にとっては一番いい結末なのだと思いました。タイトルも好きです。ビオトープを辞書で引いてみると少し不思議なタイトルだと感じました。

  • ちょっと特殊すぎるなぁ。

    色んな愛の形がある。
    周りがどう言おうと自分達が良ければそれでいい。
    だけどうる波ちゃん、これはやっぱり悲しすぎるよ。

    「いつ割れてもおかしくない薄い氷の上を歩くような怖さに包まれながら」これからも過ごしていくのか。
    叔母さんじゃなくてもお節介焼きたくなってしまう。

    秋くんの「スゴク悲しいね」に涙。

    本当に、悲しいお話だった。

  • 図書カードを会社から貰ったので、新品で購入第二弾!
    流浪の月がとても良かったので、作者買い。
    まだ凪良ゆう先生の作品を読むのは、これが二作目。

    事故死した夫「鹿野くん」の幽霊と一緒に暮らしているうる波。

    なんちゅー設定やねん!これをどう落としてくるんやねん!!
    と思いつつも読み進める。

    この、死亡した夫と暮らすうる波と鹿野くんを軸に、彼女らが関わる人との物語が短編として紡がれる。

    秘密にしていた鹿野くんの幽霊のことを、大学の後輩で恋人どうしの佐々と千花に知られてしまう。ある日偶然、うる波は佐々くんが千花ではない女の子と親密そうに歩いていたのをたまたま目撃する。
    それから暫く経ってから佐々は不審な死を遂げる。

    この話は少しミステリーちっくで、背中が少し寒くなるようなそんなお話だった。

    うる波はロボットの親友を持つ少年の家庭教師をすることに。
    秋くんと、春くん。二人はまるで普通の人間のように会話をする。

    この話は、どこか哲学的で考えさせられてしまう。


    うる波は、自宅で小さな子ども相手に絵画教室を開く。そこに大学生の青年が、自分も教室に入りたいと、、、
    まさか変態!?と最初は懐疑的に見るうる波だが、大学生の金沢くんは、実は小学四年生の秋穂ちゃんと両想い。
    ひや、こちらの落ちも予想外の展開。


    最後はうる波が働く高校でのひと騒動。容姿端麗、学校カースト最上位の立花さんが、冴えない安曇くんにストーカーされているという噂が。
    この二人の関係は?

    どのお話も、年齢的には全く合わないので感情移入とまではいかないが、優しい文書で、さらさらと心の中に落ちてくる。
    そんな物語が詰まっていた。

    少し和みたいなーって思った時、凪良先生の作品は心地良い(*^^*)
    別の作品も読んでみよう♪

  • 結婚して、2年で夫の鹿野くんを交通事故で亡くした、高校の美術の非常勤教師のうる波と、うる波にだけ見える幽霊になった画家の鹿野くんの周りで起こる事件を描いた4つの連作短編集。

    幽霊って…あんまりメルヘンっぽい話は苦手と思ったらメルヘンではありませんでした。
    4つとも読ませるストーリーで面白かったです。

    「アイシングシュガー」は大学の後輩の恋人同士の佐々と千花の話で、佐々が不審死を遂げます。書き方が違えば、サスペンスにもなった話。

    「マタ会オウネ」は友だち同士の人間とロボットの春くんと秋くんのお話。春くんと秋くんは本当の友だちとは何か、どうして自分たちが友だちだと認めてもらえないのか、ロボットと人間の違いはどこにあるのかを考えています。

    「植物性 ロミオ」は大学2年生の金沢くんと、小学4年生の秋穂ちゃんのお話。金沢くんがうる波の絵画教室に通ってくるのは両思いの秋穂ちゃんと親に隠れて会うためだと発覚します。

    「彼女の謝肉祭」はうる波が勤める高校の三年生の立花さんと安曇くんの二人のキャラクターが後半、爆発!炸裂!という感じで、爆笑しました。でも、鹿野くんじゃないけど、二人の将来は気になりました。

    エピローグの西島さん夫妻の話もよかったです。

    4篇とも、会話が生き生きとして、その世界に入り込みやすく、鹿野くんの幽霊も自然で、短編とは思えないくらい、どの話も満足感がありました。

  • 凪良ゆうの小説は引き込む力がすごいよなあと毎作思います
    この本も電車の中で夢中になって読んで、駅に着くのがあっという間だった!
    そして、人間の嫌な部分を書くのも上手いよなあと。
    心がざわざわする…でも面白い

    事故死した夫の幽霊が見える主人公 うる波の夫亡き後の生活を追った物語
    うる波の『夢はひとりで見るの』の台詞にぐっときちゃったよね…
    異常であることを自覚しつつ、自分の夢(幽霊の夫と暮らし続けること)と生活を守っていく覚悟ガンギマリでかっこいい
    口調や雰囲気はやわらかいけど、強い人だと思います

    未亡人の語源にもびっくりした
    作中では『夫を亡くした妻は死んだも同然』と書かれていて、気になって調べてみると『古代中国における亡くなった夫を追って妻も死ぬべき=殉死 が語源』と出てきました
    そりゃ現代で差別用語になるわな


  • 評価も高い本でしたので読んでみました。結果、私のようなおじさんはターゲットからズレてたかなーとも思いましたが、、それでも面白かったです。主軸となる設定は現実的なものではありませんが、愛する人が亡くなった現実を受け止めるのはそう容易いことではなく、誰の心にも故人を思う気持ちは常に残り続け、目に見える形でなくても、存在していた時と同じように日常を送りたくなるものだと思います。その純粋で真っ直ぐなうる波の気持ちと強さに感銘を受けました。内容としては、その設定とは相反し現実に起きるであろう人間模様、恋模様が凪良さんならではの綺麗な文体と、ひとりひとりの気持ちの表現が丁寧に綴られており非常に読みやすかったです。汝星や星を編む程の完成度とまではいってはおりませんが、これはこれでとても楽しめた一冊でした。

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著者プロフィール

1973年生まれ、京都市在住。2007年、BLジャンルの初著書が刊行され、デビュー。17年『神さまのビオトープ』を刊行し、高い支持を得る。19年『流浪の月』と『わたしの美しい庭』を刊行。20年『流浪の月』で「本屋大賞」を受賞する。同作は、22年に実写映画化された。20年『滅びの前のシャングリラ』で、2年連続「本屋大賞」ノミネート。22年『汝、星のごとく』で、第168回「直木賞」候補、「2022王様のブランチBOOK大賞」「キノベス!2023」第1位に選ばれ、話題を呼ぶ。翌年、同作の続編にあたる『星を編む』を刊行した。

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