神さまのビオトープ (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
4.11
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本棚登録 : 7764
感想 : 571
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062940672

作品紹介・あらすじ

うる波は、事故死した夫「鹿野くん」の幽霊と一緒に暮らしている。彼の存在は秘密にしていたが、大学の後輩で恋人どうしの佐々と千花に知られてしまう。うる波が事実を打ち明けて程なく佐々は不審な死を遂げる。遺された千花が秘匿するある事情とは? 機械の親友を持つ少年、小さな子どもを一途に愛する青年など、密やかな愛情がこぼれ落ちる瞬間をとらえた四編の救済の物語。

感想・レビュー・書評

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  • それぞれの愛の形やパートナーとの生活があり、それは、他人からは見えない。見ることを求めるものでもない。ただ、当事者にとっては複雑でやりきれない思いもあるだろう。それを、聞いてくれる人がいればいいな。求めた時に、しっかりと受け止めてくれる人。そんな人がいたら、人は少し楽になるかも。自由な形でいい、そこに自分が居心地のよさを感じていれば、そんな気持ちになる作品。

    • かなさん
      ヤンジュさん、こんばんは!
      コメント欄では初めましてですね(^^)
      ヤンジュさんの本棚を眺めていて
      この作品の表紙が変わっていることに...
      ヤンジュさん、こんばんは!
      コメント欄では初めましてですね(^^)
      ヤンジュさんの本棚を眺めていて
      この作品の表紙が変わっていることに気づきました!
      この表紙もいい感じですよね~

      ヤンジュさん、私の本棚にいいねをしてくださって
      時にはこちらの拙いレビューにいいねをありがとうございます。
      こちらからも本棚いいねはさせてもらっていますが、
      今回は改めてフォローをさせてください。
      今後もどうぞよろしくお願いします。
      2023/04/22
    • ヤンジュさん
      かなさん、コメントをありがとうございます!
      嬉しいです!

      かなさんの本棚や感想から、この本読みたいなーと新たな本との出会いが楽しみになって...
      かなさん、コメントをありがとうございます!
      嬉しいです!

      かなさんの本棚や感想から、この本読みたいなーと新たな本との出会いが楽しみになっています
      また、同じ本の感想も楽しく読ませていただいています

      私もフォローさせていただきました!
      こちらこそ、よろしくおねがいします
      2023/04/23
  • とても良かった
    人間1人1人が見えてる視界、世界、思考は全て個人の都合の良い解釈で作りあげられた物

    同じ出来事でも、他人から見たら…見えかた、感じ方全て違うし…
    なんなら1人1人全て違うから
    自分と同じ世界を見てる人間は誰1人居ない

    でもそれが1人1人の心を守る為に必要な能力

    それを現したような作品。

    ※だから結局話が変わるけど、俺が何を言いたいかって言うと…
    【TVで芸人がワカサギ釣りやってて、家族が美味しそうと言ってるときに…ワカサギ釣りってウジ虫で釣るから、ウジ虫飲み込んだワカサギをウジ虫と一緒にカラッと揚げたの食べるんだろ?…と言ったら部屋中に殺気がWi-Fiみたいに飛んでたよ!】って事!!

  • というわけで凪良ゆうさんコンプリーターです(BL以外)
    BLこそだろ!って怒られそうだがいいのですコンプリーターの基準は人それぞれ

    『神様のビオトープ』は死んだ旦那さんの幽霊(?)と一緒に暮らすお話

    例えば明日死んじゃったとする
    え?なにやだ恐い

    いやいや話し進まないからそこはいったん受け入れよう自分

    例えば明日死んじゃったとする

    で、なんか「残っててもいいよ」って言われたとする
    「死んだままだけどね」って言われたとする

    「じゃ、いいっすわ」って言っちゃいそうな気がする
    愛する娘たちのいくすえは気になるけど目の前に現れたとして「は?意味わかんないんですけど?きも」とか言われそうだし
    いや「恐っ」なら分かるけど「きも」はないだろ!ってなりそうだし

    奥さん?奥さんねぇ…大丈夫じゃね?



    はい、多分「愛」についての話だったと思います
    「愛のかたち」は人それぞれって話だったと思います
    コンプリーターの基準と一緒です

    よし分かった
    人それぞれだとしよう
    じゃあ、あなたのかたちは何なの?って話しですわな

    う〜ん
    なんかいろいろ考えてもうまくまとまらないな〜
    頭の中をぐるぐる周る感じ?
    よし、これを「ぐるぐるの問題」と名付けよう
    なんか名前付けるとシュっとするな〜

    シュっとはするけど結局答えは出ないので
    ぐるぐるして脳が疲れる
    そしてお腹がすく
    お腹がすくのはやばい
    これは相当にやばい
    だって考えてお腹がすくってことは本来繋がってないはずの回路が繋がったということだからね
    混線してる
    これは本当にやばいのでいったん放置だ
    ホーチミンだ
    ホーチミンはベトナムの都市だ
    お後がよろしいようで(何もよろしくない)

    • ひまわりめろんさん
      まとめるとみんな一旦寝ようってことですな!(違う)
      まとめるとみんな一旦寝ようってことですな!(違う)
      2023/10/26
    • 1Q84O1さん
      それ正解です!
      さぁ、みなさん寝た!寝た!
      ひま師匠、今日は許してよぉ〜w
      それ正解です!
      さぁ、みなさん寝た!寝た!
      ひま師匠、今日は許してよぉ〜w
      2023/10/26
    • ひまわりめろんさん
      お風呂ちゃんと入ったら許す!
      お風呂ちゃんと入ったら許す!
      2023/10/27
  • ちょっと特殊すぎるなぁ。

    色んな愛の形がある。
    周りがどう言おうと自分達が良ければそれでいい。
    だけどうる波ちゃん、これはやっぱり悲しすぎるよ。

    「いつ割れてもおかしくない薄い氷の上を歩くような怖さに包まれながら」これからも過ごしていくのか。
    叔母さんじゃなくてもお節介焼きたくなってしまう。

    秋くんの「スゴク悲しいね」に涙。

    本当に、悲しいお話だった。

  • 結婚して、2年で夫の鹿野くんを交通事故で亡くした、高校の美術の非常勤教師のうる波と、うる波にだけ見える幽霊になった画家の鹿野くんの周りで起こる事件を描いた4つの連作短編集。

    幽霊って…あんまりメルヘンっぽい話は苦手と思ったらメルヘンではありませんでした。
    4つとも読ませるストーリーで面白かったです。

    「アイシングシュガー」は大学の後輩の恋人同士の佐々と千花の話で、佐々が不審死を遂げます。書き方が違えば、サスペンスにもなった話。

    「マタ会オウネ」は友だち同士の人間とロボットの春くんと秋くんのお話。春くんと秋くんは本当の友だちとは何か、どうして自分たちが友だちだと認めてもらえないのか、ロボットと人間の違いはどこにあるのかを考えています。

    「植物性 ロミオ」は大学2年生の金沢くんと、小学4年生の秋穂ちゃんのお話。金沢くんがうる波の絵画教室に通ってくるのは両思いの秋穂ちゃんと親に隠れて会うためだと発覚します。

    「彼女の謝肉祭」はうる波が勤める高校の三年生の立花さんと安曇くんの二人のキャラクターが後半、爆発!炸裂!という感じで、爆笑しました。でも、鹿野くんじゃないけど、二人の将来は気になりました。

    エピローグの西島さん夫妻の話もよかったです。

    4篇とも、会話が生き生きとして、その世界に入り込みやすく、鹿野くんの幽霊も自然で、短編とは思えないくらい、どの話も満足感がありました。

  • 図書カードを会社から貰ったので、新品で購入第二弾!
    流浪の月がとても良かったので、作者買い。
    まだ凪良ゆう先生の作品を読むのは、これが二作目。

    事故死した夫「鹿野くん」の幽霊と一緒に暮らしているうる波。

    なんちゅー設定やねん!これをどう落としてくるんやねん!!
    と思いつつも読み進める。

    この、死亡した夫と暮らすうる波と鹿野くんを軸に、彼女らが関わる人との物語が短編として紡がれる。

    秘密にしていた鹿野くんの幽霊のことを、大学の後輩で恋人どうしの佐々と千花に知られてしまう。ある日偶然、うる波は佐々くんが千花ではない女の子と親密そうに歩いていたのをたまたま目撃する。
    それから暫く経ってから佐々は不審な死を遂げる。

    この話は少しミステリーちっくで、背中が少し寒くなるようなそんなお話だった。

    うる波はロボットの親友を持つ少年の家庭教師をすることに。
    秋くんと、春くん。二人はまるで普通の人間のように会話をする。

    この話は、どこか哲学的で考えさせられてしまう。


    うる波は、自宅で小さな子ども相手に絵画教室を開く。そこに大学生の青年が、自分も教室に入りたいと、、、
    まさか変態!?と最初は懐疑的に見るうる波だが、大学生の金沢くんは、実は小学四年生の秋穂ちゃんと両想い。
    ひや、こちらの落ちも予想外の展開。


    最後はうる波が働く高校でのひと騒動。容姿端麗、学校カースト最上位の立花さんが、冴えない安曇くんにストーカーされているという噂が。
    この二人の関係は?

    どのお話も、年齢的には全く合わないので感情移入とまではいかないが、優しい文書で、さらさらと心の中に落ちてくる。
    そんな物語が詰まっていた。

    少し和みたいなーって思った時、凪良先生の作品は心地良い(*^^*)
    別の作品も読んでみよう♪

  • 自分が心地よく居られる場所とは、持続的に生活出来る空間だと思う。そこは自分で決めればいい、定義はいらない。
    傍からは理解されなくても、当人がそれで生きやすければ、ということだろうが、度を超えている場合の線引きは難しいと思う。個人的には、うる波の物語は受け入れられなかった。鹿野くんに殉じてしまっているうる波。うる波の心の問題なのだと思う。この先も変わらないだろう、心に正解はないのだから。
    アイシングシュガーは、一寸ぞくっとした感じが面白かった。
    うる波を取り巻く秘密を抱えた人たち。
    きっとそこいら中の人々は、なんら秘密を抱えているのだろう。それで世の中は回って。その歪みを正そうとする人たちがいて。
    それぞれの形で、思いや言葉を表現できたらいいと思った。心は自由、生きることは不自由。ほんとうにそうだ。読後、一寸苦しかった。

  • 鹿野くん、学生時代からの恋人なので
    夫のことを今でもそう呼んでしまう。
    でも・・・・鹿野くんはもういない。
    はずだった・・・・

    交通事故に遭い、亡くなってしまった
    はずだった。何故かうる波には見える。
    言葉を交わすことも、お腹が減ったと
    言い食べたいものを言う鹿野くん。
    現実は減らないから、うる波のお弁当に
    なったりする。

    もちろん、他人には見えない。
    幽霊だもの・・・・
    こんな試練を与えるのが神様なら、神様
    なんて消えればいいのに、と思った!
    私だったらそんなことに耐えられる?
    いや、きちんと成仏してほしい。

    うる波は、高校の美術非常勤講師をして
    土日には自宅で絵画教室を開いている。
    この本は、連作短編になっている。

    恋人の命を、嫉妬心から奪ってしまい
    最後の選択を探す千花ちゃん。
    ロボットの親友を取り返したい秋くん。
    未成熟を愛し成熟を拒絶する金沢くん。
    美しい殻の下に醜い皮とみずみずしい心を隠す立花さん。
    そんな人々が描かれている。

    うる波は未亡人ということになる。
    “未亡人”は差別言葉だ。それでも、誰が何と言おうと、後ろ指をさされようと
    幽霊でもいてほしいとうる波は言う。

    私はどう思うか?そんなことは起きて
    ほしくない。当たり前だ!
    考えさせた神様は悪い人だ。

    2024、2、24 読了

  • うる波は交通事故で死んだはずの夫鹿野くんと一緒に暮らしている。
    毎日二人分の夕飯を作り、鹿野くんと会話を交わす、ありふれた日常が続いている。

    うる波の心の中とは別の外の現実の世界、例えば家庭教師のアルバイト先の小学生や、絵画教室に通ってくる大学生や、うる波が非常勤講師を勤める高校生たちも、同じようにそれぞれの秘密を抱えている。
    秘密のない人なんていない。
    人間なんてみんな不完全で、さびしくて、「常識」という小さな枠に立ち向かって生きている。
    人を愛するってこんなにも悲しくてやるせないものなのかと思うと、涙が溢れてくる。

  • 主人公のうる波は、事故死した夫の「鹿野くん」の幽霊と生活している。毎日会話し食事を2人分作り一緒に食べるも、「鹿野くん」の分は減らない…そんな不思議な生活…。そんな中で、うる波が出会い同じ時間を過ごした、大学の後輩、ロボットの親友をもつ少年、子供を愛する大学生、美大進学を目指しながらもストーカーとの噂がある高校生について描かれている。
    それぞれ、愛したい、愛されたい想いがあるけれど、秘めた想いがある…。幸せになりたいけれど、幸せの基準ってなんだろう?『幸せの形は人それぞれ』、基準なんて設けることすらおこがましい…それぞれ価値観の違った人なのだから…そう感じました。考えさせられましたが、うる波と「鹿野くん」の穏やかな生活がこの先も続きますように…そう思いたくなりました。

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著者プロフィール

1973年生まれ、京都市在住。2007年、BLジャンルの初著書が刊行され、デビュー。17年『神さまのビオトープ』を刊行し、高い支持を得る。19年『流浪の月』と『わたしの美しい庭』を刊行。20年『流浪の月』で「本屋大賞」を受賞する。同作は、22年に実写映画化された。20年『滅びの前のシャングリラ』で、2年連続「本屋大賞」ノミネート。22年『汝、星のごとく』で、第168回「直木賞」候補、「2022王様のブランチBOOK大賞」「キノベス!2023」第1位に選ばれ、話題を呼ぶ。翌年、同作の続編にあたる『星を編む』を刊行した。

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