永劫回帰ステルス 九十九号室にワトスンはいるのか? (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 118
感想 : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062940825

作品紹介・あらすじ

春から大学生になる秋太郎は「仮面応用研究会」へと足を踏み入れる。そこは荒れ果てた部屋の主、来見行が独占専有する謎の哲学研究サークルだった。いかにも変人めいた来見行に興味を持ち秋太郎は入部を願い出るが、一切拒否される。強引な交渉を続けようとしていた秋太郎は、サークル棟内部で不可解な死体を発見するが──。わずかな時間の間に消え去った死体をめぐり、来見行は推理を展開する。

感想・レビュー・書評

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  • 猩猩緋色の逢魔が時「まあだだよ」「murderだよ」。現実と異界のあわいで、ぐるぐると回り回る終わらないかくれんぼ。反復、円環、永劫回帰。ステルス。境界。さまざまなメタファーや哲学と心理学用語、ミスディレクションに目をくらまされていた。なるほど、殺人事件ならぬ『殺・主観的人格・事件』か。死者も生者も、文字通り境界の人も、掴みどころのなさが気になっていた秋太郎も、再読すると……ああ、これは確かに怖いや。ワトソンは「要(い)る」のか「存在(い)る」のか。次の謎を楽しみに待とう。おもしろかった。

    旧のオーラバシリーズとイズミシリーズが大好きだった若木未生さん。新版も追っかけたり積んだりしているけれど、読んだのは……うわぁ何年振りだろ。久しぶりに読んだ若木作品、面倒くさかったり、ややこしかったり、残念だったりなキャラたちは健在(笑)ちょっと気の強いきれいな女の子もね♡電子書籍(ネットのゲラ版をいただきました)で読んだせいもあるけど、構造がややこしいのと、現実の事件なのかオカルトものなのか判別つかずで、こんがらかりつつ、まずは全体を把握するために通読。すぐさま再読。

    • nejidonさん
      九月猫さん、お、お、お久しぶりです(^^♪
      またこちらでお会いできて嬉しいです!!
      さっそくですが「猩猩緋色」がいきなり読めませんでした...
      九月猫さん、お、お、お久しぶりです(^^♪
      またこちらでお会いできて嬉しいです!!
      さっそくですが「猩猩緋色」がいきなり読めませんでした(笑)
      また、ぼちぼちでもレビューを載せてくださいませ。
      無理のないぺースでぜひ!ワタクシもノロノロのペースです。
      面倒な時も確かにありますが、本が好きという気持ちは変わりませんので、
      載せたくなったら載せる、で良いかと思いますよ。またよろしくです。
      2017/09/21
    • 九月猫さん
      nejidonさん、こんにちは♪
      ご無沙汰しています。
      お元気でしたか?
      お聞きするたびに増えていた にゃんこ家族は、いまはいったい何...
      nejidonさん、こんにちは♪
      ご無沙汰しています。
      お元気でしたか?
      お聞きするたびに増えていた にゃんこ家族は、いまはいったい何匹にゃんになっているのでしょう?( *´艸`)

      迷っていたのですけど、nejidonさんが喜んでくださったので、投稿してみてよかったです。ありがとうございますー(*´ω`*)
      短文レビューはずっと書いているんですけど(まったく上達しませんが;)、おかげで今度は長文が書けなくなりました(/・ω・)/
      たぶん、別サイトからの転載になっちゃいますが、これからちょこちょことこちらにも・・・と思っています。
      本当はきちんと書き分けできるといいんですけれども(汗)
      2017/09/21
  • 若木未生先生の作品、久しぶりに読んだけど、文体であっという間に当時に引き戻された〜!軽妙な会話でテンポよく読めるし、キャラクターがやっぱ超魅力!!続刊出たら絶対読もうっと。

  • 微妙なネタバレと同時に妙なテンションですのでご注意を。



    発売と同時に買ってすぐさま読了していたんですが、どうも若木作品は感想書くのにあらたまって正面から「よっしゃ書くぞ!」って向き合わなきゃいけないような謎のプレッシャーがあってつい放置してしまいました…。
    ※以下若木先生は物心ついた頃からDNAに染み付いたねじれた愛着と執着によって、敬称略させていただきます。

    タイガの発刊時、今後のそうそうたるメンバーラインナップの中に若木の名前を発見したときは「ええええ講談社に!?ミステリ!?このラインナップに!?ワトスン!?!?」と動揺が隠しきれず、自家通販サイン入りをゲットしてしまいましたとも。

    登場人物紹介からのカタカナ表記とか、ありそうでなさそうな名前とかこの時点で「この辺イズミっぽいな…」とか思い出しちゃうのは許してほしい。
    独特の独白と描写。言葉の選択と文章のリズム。あああキタキタキター!(震)最初のセリフ。やりすぎなくらい軽い口調と裏腹の自虐めいた内面。183cm長身のぐいぐい行く感じってこれは諒…じゃない、うん、大丈夫!(落ち着け)

    しかし、ミステリ(落ち着いた)。忘れていたけれどミステリだと「死者」が出てきて思い出す。「謎解き」の方のミステリかと思いきや、いきなりこっちのパーツが出てくるとは。まさか王道?と思ったらガチ幽霊というメタパーツまで。それはそれでタイガっぽいけれど、いつもなら「ミステリとは別物」と斜に構えてしまうけれど、そもそも若木なので、多少のメタに違和感はない。むしろ王道ミステリだったほうが心配になるので、いい具合に予想以上に若木ワールドを堪能。短編はフレーズ重視になってしまうので、やっぱり中〜長編が良い。ご本人のメンタル的に短編を量産してしまうのはわかるのだけど、真価を発揮するのは物語だと思う。キャラクターも例のごとく皆過剰なまでに立っているのだけど、物語が長ければ馴染むので、多少の過剰さは薄らぐ。

    ミステリが心理学や哲学の切り口なのがまた「らしい」し、新鮮で良い。それがちゃんと謎解きになる。あらためて読み返したら、コウの感覚は某アニメ3期のメンタルトレースに似ているなと思ったり。某のときは「チート能力だなぁ」と思っていたけど「集合的無意識」から派生されたら、そういうものかと思ってきてしまった。
    個性豊かでありながらそこに生きている人々は(ありそうでない名前に呼応するような)、確かに全く別世界にもかかわらず「人嫌い」「兄弟」「世話焼きとその彼女」というあたりがうっすらちゃんとホームズ的香りも感じつつ。これがミステリであるのかないのということはもはや問題とする意味もなく、やっぱりこの人の書くものが好きだし、読む手を止められない。DNA刷り込みフィルターがかかっていると言われようとも面白いものは面白い。

    悔しいのはそこら中に散りばめられた「シリーズ」になるための欠片よ…そんなことされたら続きが読みたくなるじゃないか…そうやって続きを見ることが叶わなかったものが数多…(泣)。これで一気に書ける人なら「ひと思いにあと2冊くらいバーっと書いてとりあえず一旦伏線回収しとこ!その上でまた書きたくなったらいつでも書けばいいじゃない!」と言えるけれどそんなことは絶対に無理だろう…。
    でも、このシリーズ本当に良かったので、できればHAとイズミのあとに2冊くらい書いてほしい…30年後くらいかもしれないけど…(祈)。

  • ただの探偵物かな?と思って購入したら、心理学をかじったことがない私には少し難しかったのですが登場人物が魅力的なこともあり楽しめた。
    恐らく続編は出るとは思うけど、出たら買う

  • 読みやすく一気に読める小説だと思います。
    読んでみて、もしかしたら、評価が割れる作品かもと思いました。

    ニーチェ、柳田国男、ハンプティダンプティ、マザーグースなど
    様々な要素が散りばめられていて
    更に日本語と英語がミックスされ、ルビの振り方も独特で
    この厨二病っぷりが面白いと思えるか、つまらないと思うかで
    まず感想が分かれるのではないでしょうか。

    オーラバシリーズでも本家の後半やインテグラルなどで
    近い雰囲気はありましたが、本作では民俗学、心理学、哲学などの
    学問的知識の部分が思い切り展開されていきます。
    私としてはやや読みにくさは感じたものの
    基本的に先生の言葉選びがツボに入るので楽しく読みました。

    主要登場人物は全員余さずとても”変な人”たちですし、
    帰国子女で日常会話に英語を混ぜてきたり
    認知がゆがんでいて後ろ向きなことばかり言ったり
    束縛も物言いもきつかったりなんて、普通に考えたら
    鼻持ちならないヤツなはずなのに
    魅力的なキャラクターに仕上がっているところが流石若木先生だなと思います。
    舞台はほぼサークル棟のみなのに、動きもあり
    会話が軽妙なのが好きです。


    しかしながら、
    渾身の心理学ミステリという触れ込みのようなのですが
    ミステリの部分に期待してしまうとがっかりしてしまうかもしれません。
    自分としては謎解きの過程があっさりし過ぎており、
    トリックも今ひとつ納得いきませんでした。
    緻密なトリック、迫力の謎解き、というよりも
    日常に潜むオカルトっぽいホラーに近い謎解きです。

    不穏な感じと軽快なやり取りの落差、かくれんぼ、階段に死体
    という辺りではかなり続きが気になってワクワクしたのですが
    結局謎は謎のまま、言葉遊びで終わってしまったような感があり
    mysteryよりはriddleやpuzzleだったのかなという感じです。
    ミステリよりも主要キャラクタの紹介と物語の雰囲気作りに重きが置かれているような気がします。
    シリーズの名刺のような形だとしたら小手調べとしては
    こんな感じでいいのかもとも思います。

    ワトソンは要るが居るのか?
    野性の陰陽師ちゃんのキャラが気になっているので
    次巻が待ち遠しいです。

  • 死者はいかにして存在するか。
    人間嫌いのあまり、人間の研究に執心する”探偵”による証明。
    『ハイスクール・オーラバスター』の若木未生、渾身の心理学ミステリ

    大学に入学した秋太郎が足を踏み入れたのは、異常に人間を嫌う来見行が専有する謎の哲学研究室「仮面応用研究会」だった。コウに興味を持った秋太郎は入部を願い出るも、断固拒否される。直後、サークル棟で墜落死体を発見するが--一瞬にして消失。この超常現象を推理するコウの裏で暗躍する彼の兄の真意は? ラスト10ページ、存在の証明が不可能な「あるもの」が出現する。

  • 若木未生の最新作。
    コバルト出身……ということは知っているが、ちゃんと読んだことはなかった。登場人物の『キャラ立ち』という意味ではライトノベルとも、キャラ文芸とも違うアプローチをしているように思える。
    続きが出たら買おう。

  • 若木先生がミステリーを書くとこうなるのか!
    ってかカップルかわいいな。いいな。主人公も好きだけど!

  • キャラがキャラキャラしくて(?)割と最後の方までとっつきにくかったけど、最終的に少しはワクワクした。シリーズが続くのかな。

    哲学とか心理学とかも触れていけそうな話。

  • 若木未生さん!!
    昔、ハイスクールオーラバスターめっちゃ読んだ。
    やっぱ読みやすいですね。
    まだ1つの謎しか解けてないから、もっと続くのかな。

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著者プロフィール

1968年生まれ。早稲田大学文学部中退。89年、大学在学中に第13回コバルト・ノベル大賞佳作入選。同年のデビュー作、『天使はうまく踊れない』に始まる《ハイスクール・オーラバスター》シリーズは、昨2021年、完結した。同シリーズを筆頭に、《イズミ幻戦記》、《グラスハート》など、多くの人気作を持つ。近作に、『われ清盛にあらず』『ハイスクール・オーラバスター・リファインド 最果てに訣す』、『ゼロワン』、『永劫回帰ステルス』などがある。

「2022年 『戦をせんとや生まれけむ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

若木未生の作品

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