謎の館へようこそ 白 新本格30周年記念アンソロジー (講談社タイガ)

制作 : 文芸第三出版部 
  • 講談社
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本棚登録 : 229
レビュー : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062940887

作品紹介・あらすじ

テーマは「館」、ただひとつ。
今をときめくミステリ作家たちが提示する「新本格の精神」がここにある。
奇怪な館、発生する殺人、生まれいづる謎、変幻自在のロジック――!
読めば鳥肌間違いなし。謎は、ここにある。新本格30周年記念アンソロジー第二弾。
収録作品:
東川篤哉『陽奇館(仮)の密室』
一肇『銀とクスノキ ~青髭館殺人事件~』
古野まほろ『文化会館の殺人 ――Dのディスパリシオン』
青崎有吾『噤ヶ森の硝子屋敷』
周木 律『煙突館の実験的殺人』
澤村伊智『わたしのミステリーパレス』

感想・レビュー・書評

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  • 館ミステリアンソロジー。館好きにとってはたまらない、変な……もとい、魅力的な館がいっぱい登場します。
    お気に入りは青崎有吾「噤ヶ森の硝子屋敷」。一番魅力的な館かなあ。住めないけど(笑)。そしてまさかのトリックに、キャラ立ちの名探偵。そして何よりも気になるのが墨壺コレクション! 他の館でもなんか事件が起こりそう……と期待します。
    周木律「煙突館の実験的殺人」も凄いなあ。煙突館、これもまたなんともインパクトのある館で。とんでもなさすぎました。これは……行きたくないな。

  • 推理物の王道、「館」がテーマのアンソロジー。

    ・東川篤哉『陽奇館(仮)の密室』
    建設途中の館で密室殺人が起こる。まだ完成してない建物ゆえ、名前は「陽奇館(仮)」。ワトソンを自称する語り手により、メタネタ満載で話が進んでいく。
    掛金タイプの鍵をどうやってかけたかが、文字通り話の「鍵」。
    掛金のところに猫の餌を挟んでおいたという結論が見えてもページはまだ残っている。
    真相は、コンテナボックス型の部屋を重機で持ち上げて回転させて鍵を閉めたという壮大(?)なトリック。
    ドラマTRICKでも館ごと持ち上げてどうこうする話があったけど、あっちはどういう話なんだっけ? 今度確認します。

    ・一肇『銀とクスノキ ~青髭館殺人事件~』
    女子高生が主役。マウントをとってきた親友を殺すと決めた彼女は、廃墟となっている館に親友を呼び出し、それを実行する。
    しかし現場からは死体が消えてしまった。
    二重人格オチ。殺害したと思っていたのは自分の中の人格だった。
    そして探偵役と思われたキャラも、自分の中の人格の一つ。

    ・古野まほろ『文化会館の殺人 ――Dのディスパリシオン』
    吹奏楽部のアンサンブルコンテストの最中、参加者の女子高生が失踪し、やがて学内で死亡しているのが見つかる。
    女子高生探偵がその謎を解き明かす。
    独特の雰囲気のある文体。ゴシックな雰囲気が漂います。

    ・青崎有吾『噤ヶ森の硝子屋敷』
    ガラスでできた屋敷を買い取った女性起業家。それを機会に、彼女の大学時代の同級生がその館に集まることになった。しかしその場で女性起業家は殺されてしまう。
    ガラス張りの建物なので死角は少なく、しかも密室状態だった。
    果たして犯人は誰か。そしてトリックは……。
    ガラス張りがヒントなんだろうなと思ってはいたのですが、まさか窓ガラスがはまってないとは!!
    してやられた。

    ・周木 律『煙突館の実験的殺人』
    目覚めると奇妙な館に閉じ込められていた主人公。そこは大きな煙突のあるシェルターのような建物で、他に7人の人物が同じように閉じ込められていた。
    やがて館内に器械の声が響く。声の主は館を制御するコンピューターのHAL。
    この館は実験施設で、8人はある実験のための被験者。その実験とは、今から起こる殺人事件の犯人をみんなで推理すること。犯人が当たれば解放されるが、外れれば死亡するという。
    強制的に実験が始まり、やがて連続殺人が起こる。
    ひとり、ふたりと人が殺されてゆくが、いまいち真相が絞れない。
    最初の方で、煙突上部から首を吊っていた人が実は死んでなかったというトリックなんですが、これだとまさしく「そして誰もいなくなった」と同じ。
    違うのは、その誤魔化し方。館自体がロケットで、上部の方は重力が弱く、それを使って首吊りに見せかけていたという何ともSFな仕掛けにわくわくしました。
    もう一つの大仕掛けはキャラクターの名前の読み方。漢字で書いてあって読み仮名が降ってないんですが、実は外国人のようなすごい名前。未来の話なので名前もそれらしくなってるんですけど、隠してある。時系列を現代に近いものだとミスリードさせて、真相に気付かせない目的なんでしょうね。

    ・澤村伊智『わたしのミステリーパレス』
    近所にある奇妙な館を取材に訪れた男性ライター。それを出迎えたのは、館の女主人だった。
    ライターの目線と交互で、奇妙な館に迷い込んだ若い女性の目線の話が語られていく。

  • 2017.11.30読了。
    東川さんは講演会で「あの人が好き」と言っていたので納得のトリック 笑
    ベストは青崎さん。シリーズ化に期待します。

  • アンソロジー。
    6編。
    ここ中では、古野作品が面白かったかな。

  • 全部書くと長々するので、面白かったものを記載します。
    ◆陽奇館~
    相変わらず流石な東川先生。こんなの私には絶対思い付かない笑
    ◆~硝子屋敷
    このお話が一番読みやすく、青崎先生のなせる技かなと。各設定や証拠が、キレイに活きてきたかなと。

    黒も楽しみです

  • 「陽奇館(仮)の密室」東川篤哉★★★
    パソコンの記述とか読みにくいなあ、と思っていたらそういうことか。ただ、赤川作品に似たのあるよね。
    「銀とクスノキ~青髭館殺人事件」一肇★★
    このパターン冷める。何でもアリになる。
    「文化会館の殺人―Dのディスパリシオン」古野まほろ★★
    書くのは大変そうだが、だから何?感がある。
    「噤ヶ森の硝子屋敷」青崎有吾★★★★
    死角がない中での殺人。ラストの終わり方が良い。
    「煙突館の実験的殺人」周木律★★★★
    バカミスといってもよいのかもしれないが、細部にそうとも捉えられる部分が確かにあり、もう一度読むとそれなりに面白い。
    「わたしのミステリーパレス」澤村伊智★★
    ラストにしてはそんなに派手でもなく、なんとも言えない。

  • “館”アンソロジーなのだから、その館の個性を最大限に活かした作品が嬉しい。シンプルに館そのものがトリックになっていた作品が良かった。

    ・東川篤哉『陽奇館(仮)の密室』……多くの方が仰るように、密室モノとして印象的な赤川次郎のあの作品のトリック。
    ・一肇『銀とクスノキ ~青髭館殺人事件~』……作者の他作品からの出張キャラなのか。探偵の口調に癖がある苦手な作品。あとこの手のオチを安易に使う作家は嫌い。
    ・古野まほろ『文化会館の殺人 ――Dのディスパリシオン』……会話文中でやたら改行するのと、探偵の口癖が受け付けず。話もダラダラしていて途中で飽きた。
    ・ 青崎有吾『噤ヶ森の硝子屋敷』……最初、一人称とカメラの扱いに違和感を感じたがそういうことかと。館モノとしては王道でシンプル。分かりやすく、純粋に楽しめた。
    ・ 周木 律『煙突館の実験的殺人』……トンデモ設定だけど展開も早いしぐいぐい読まされてしまった。”トンデモ”は館モノの特権だと思うのでアリ。
    ・ 澤村伊智『わたしのミステリーパレス』……実は同一人物だったとか、時間差(あるいは同時)があったなどの叙述トリックは、それだけでは面白くない。と思う。

    登場人物の口調やキャラ設定で押してくる作家は好きじゃないなと改めて思った。個人的には、『噤ヶ森の硝子屋敷』『煙突館の実験的殺人』が楽しめた。

  • 面白いのもそれなりなのも

  • 白の理由は、ちゃんと館を扱った短編だからだ。
    黒は、変化球が多いのでその他?で括られたかな。

    わりと無難な話が多かったが、一肇は意外性があっておもしろかった。

  • 新本格30周年を記念して作られた「館」をテーマにしたミステリアンソロジー。もうそれだけで踊りだしたくなるほど嬉しいのですよ。
    執筆陣は東川篤哉、一肇、古野まほろ、青崎有吾、周木律、澤村伊智と比較的新しめの作家が集まっています。新本格何世代になるのでしょうね。感覚的に孫曾孫世代という感じですが。

    新本格らしい要素がそれぞれに込められています。奇矯な探偵、思い切った設定、大胆なトリック、遊び心に富んだパズルゲーム、一発ネタ的な大どんでん返し、などなど。そうそう新本格黎明期にどんどんガンガン投げつけられたあの感覚がよみがえります。
    ひとつひとつの力が弱くともその組み合わせで読ませるものもあります。パズルゲームとして穴が大きいけれども、探偵役の奇抜さと文体で突き進んでいくものもあります。大胆なトリックをふんだんに散りばめたギャグの中に埋没させて隠したものもあります。(と書くだけで誰の作品のことかわかるかも)
    本格ミステリは出尽くしたと言われて久しいです。でも本格ミステリの要素を細分化し構築し直すことで新たなものを生み出すことができる。それを示したのが新本格ムーブメントだと思うのです。
    30周年を機にこのようなアンソロジーが作られたことは、これから先にもこの本格の要素を楽しむことができ続けられる証かもしれません。それを楽しみにします。

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著者プロフィール

2002年、『密室の鍵貸します』でデビュー。ユーモアと本格ミステリの融合で高い評価を受ける。2011年『謎解きはディナーのあとで』で第8回本屋大賞を受賞。

「2017年 『謎の館へようこそ 白 新本格30周年記念アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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