ペガサスの解は虚栄か? Did Pegasus Answer the Vanity? (講談社タイガ)
- 講談社 (2017年10月19日発売)
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感想 : 95件
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Amazon.co.jp ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784062940900
作品紹介・あらすじ
クローン。法律により禁じられている無性生殖による複製人間。研究者のハギリは、ペガサスというスーパ・コンピュータからパリの万国博覧会から逃亡したウォーカロンには、クローンを産む擬似受胎機能が搭載されていたのではないかという情報を得た。彼らを捜してインドへ赴いたハギリは、自分の三人目の子供について不審を抱く富豪と出会う。知性が喝破する虚構の物語。
クローン。法律により禁じられている無性生殖による複製人間。
研究者のハギリは、ペガサスというスーパ・コンピュータから
パリの万国博覧会から逃亡したウォーカロンには、クローンを産
む擬似受胎機能が搭載されていたのではないかという情報を得た。
彼らを捜してインドへ赴いたハギリは、自分の三人目の子供に
ついて不審を抱く富豪と出会う。知性が喝破する虚構の物語。
みんなの感想まとめ
人間とクローン、そして人工知能の間に横たわる複雑な感情や思惑を描いた作品は、知性と虚構の交錯をテーマにしています。研究者ハギリが、ペガサスというスーパ・コンピュータから得た情報をもとに、インドでの調査...
感想・レビュー・書評
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wシリーズ第7弾
ペガサスの解は虚栄か?
Did Pegasus Answer the Vanity?
新たなスパコンの天才ペガサス(日本)が登場。
舞台はトウキョウからインドへ。
フランスで居なくなったウォーカロンに、クローンの技術(禁止)が使われていたのではないか疑惑が。
いつもハギリ、キガタ、アネバナでインド資産家へ調査にいく。
ケルネィ(資産家)、ラビーナ(娘)、そこになんと
ツェリン(チベットでの研究者)登場。 ケルネィが夫だと。そして、息子のラジャン。
久々の森作品らしい登場人物の思惑が交錯し、
家族での思いのすれ違いが入り混じり、、、、行かないでほしい方向の悲しい結末に。
ウグイの、ラジャンの急所を外して打ったシーンは、私も間違ってなかった言ってあげたい。。
・人の心メインの回ではある
・そして、機械(スパコン)も間違える
・そして、そして揺らぐ(アミラ、オーロラに負けたくないと思う)
※姉2人と弟という表現も、素敵でした
天才スパコン3兄弟姉妹
(無敵だろうと思ったが、無敵じゃなかった)
機械がこの感情(揺らぎ、迷い、想い、という欠陥)御免なさい欠陥があるから人間なのに。
もうはや人間だと思ってしまった。。。
※○×
・人間 ○
・クローン ×
・ウォーカロン ○
両者(クローンとウォーカロン)の違いは、頭脳回路のインストールなので
人の完コピーはダメ。
頭脳回路に情報インプットして、完コピーはok
ハギリとツェリンの差異は自分の子がいるか否か
自分よりも大事だと思える存在がいるか否か
法律を超えてでも、護ろうとする姿が暖かくもそして、悲しくあるとてもいい作品でした。
ウグイのプライベートで食事に誘って
ツェリン博士を守ってあげたいと相談するところ
成長や人感があってよかったです
※ウグイは人です(ウォーカロンではないw)
仕事とプライベートわけて、発言と行動できるようになったところ、、、第1弾からの成長みてる(見届けてる)と嬉しくなっちゃいますね
食事の時に舌を出すシーン(舌認証w)
第4弾のデボラは眠っているのかの、あっかんべーと掛けてるところ、素晴らしい!
★3.8
次は
血か、死か、無か?
Is It Blood, Death or Null?
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Wシリーズ第7弾
ウォーカロンの暴走事件が起こりその犯人探しをする。あれ、今回はミステリ回?
いろんな登場人物の交錯する思惑や、気持ちのすれ違いを経ての結末は…。
ハギリが初めて?体験する身近な人との死別。
失ったのはその人の未来。
未来にその人が自分に与えたであろう影響。
つまり自分の未来の一部を失ったに等しい。
人間だからこそ一時の感情に負けて過ちを犯す、と思わせておいて人工知能も間違ったり見栄を張るような行動をとるという対比。
考えさせられる事が盛りだくさんの回でした。
何が言いたいかというと
ウグイの「舌認証」が可愛かった( * ॑꒳ ॑*) -
クローン。法律により禁じられている無性生殖による複製人間。
研究者のハギリは、ペガサスというスーパ・コンピュータからパリの万国博覧会から逃亡したウォーカロンには、クローンを産む擬似受胎機能が搭載されていたのではないかという情報を得た。
彼らを捜してインドへ赴いたハギリは、自分の三人目の子供について不審を抱く富豪と出会う。知性が喝破する虚構の物語。
「講談社タイガ 内容紹介」より
人間とウォーカロンの違いがますますわからなくなる.合理的でない情動からくる行動をとるのは人間と思うけれども. -
だんだん複雑になってきた印象がある。
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寿命や血縁に対する意識が薄くなった本作の人類から見て、家族への愛やそのための自己犠牲がどう映るのか、そんな試みを一本の物語で綴ったように感じた。
それにしても前作に引き続き、人工知能オーロラの所作がお美しい。 -
死ぬということはどういうことだろうか。
その人の未来が失われるということ。
その人と係わることが出来る自分の未来を失うということ。
腑に落ちる答え
ウグイが出てきてくれて嬉しかった。 -
ペガサスという新登場の(だよね?)人口頭脳とのやり取りから子供を産めるウォーカロンがいるかもしれないという情報を得て、ハギリ博士はアネバネと新護衛キガタを連れてインドの要人の館を訪れる。キガタが学習していく過程とか要人の娘の秘密とかデボラやオーロラの進化っぷりとか見ていると人との差が本当に曖昧になってきている。でも永遠に近い命を持てるようになっても未来を繋ぐ存在の子供を求めるのは「死」の概念を持つ人間特有なのか。今回事件が起こりその犯人が指摘されるというミステリ要素が軸になっていたのが意外。ウグイ前作で退場かー、と思っていたら後半から関わってきてなんか人間らしくなっていて嬉しい。
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明らかに,小説の形を取った生命の定義と未来の可能性を明文化した書で,重い.小説という虚構は,虚構であるからこそ小説たり得るので,今は小説だがそのうち小説ではなくなるのだろうな,と予感させる."vanity(虚栄)"という言葉選びにも納得する.
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あーもう、相変わらず森作品はタイトルが秀逸ですね。
「虚栄」・・・色々な虚栄が、なんというか、
パットした光の元では見えず、
しかし、心の奥底に抱えている、そんな気がしました。 -
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人間、ウォーカロン、クローンの区別がいよいよ曖昧になっている前提で、遺伝子情報のパーセンテージをヒントに、誰が誰と誰の子だけど、一方は子供ができないという条件を提示し、その矛盾を読者に解かせる、いわいるミステリーの一分野なんだけど、ちょっともう登場人物が多くて理解が追いつきませんでした。
あと、ペガサスという人工知能が出てきたけど、彼が打ち明けた話でうまくミスリードさせられました。
しかし、最近の人工知能の機械学習の進歩を見てると、本書の中の、「AIは演算速度は速くて深いけど、ふとした盲点を人間が見つける」というパートナー関係も成立しなくなりそうで末恐ろしい。 -
後半の展開が衝撃的すぎたこと、急にウグイが人間味溢れてきたこと。受け止めるのがやっと。
このシリーズはどこに向かおうとしているのか、または結局はどこにも向かっていないのか。
相変わらず思考的なことがぐるぐると。
まいど、うまいこと森氏に丸め込まれている。。。 -
今回はハギリ博士インドへ行く(^^)人工知能にウォーカロン、そしてクローン…何だかどんどん解らなくなってきたぞ(--;)でも全てが共存できるように、ハギリ博士が導いてくれると信じたい♪今回はウグイの登場が無いのかな~?(._.)と思っていたら、ウグイのプライベートな部分まで見せてもらえて、キュンッ(*≧∀≦*)
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「何が完璧なのかを、私たちは知りません」
「それは人間も同じだ。知らないということが、つまり不完全だという認識に等しいのでは?」
「それを理解することが、不完全さを克服することにつながるでしょうか?」
「それは…、どうだろう、方向性としては間違っていないように感じる。しかし、そのまえに、何故完全さを求めるのか、を考えた方が良いね」
「どうしたんですか?」
「いえ、どうもしませんよ」
「なにか、眠そうな目ですけれど」
「僕の目ですか?」
「私、自分の目は見えませんから」
「僕以外にも、目を持った人は大勢います」
「感情ではないという意味ですか? では、何? 何が彼女のモチベーションなの?」
「もっと、そうですね。自然なというか、素直な行為だと想像します。つまり、見たいものを見るのではなくて、どこかでふと動いているものを見る、我々の目は、そうじゃないですか。自由に目を向ける。考えたいものを考えるというよりも、ふと考えてしまう。我々が、思いつきと言っているものに最上の価値があって、ただそれにすべてを委ねているのです。そういうものには、理由がない。きっと、幼い子供がそんな行動を取ると思います」
「そうね、そのとおりだわ。子供って、そうなんですよ。考えているわけじゃないの。感情に支配されてもいない。感情的なのは、むしろ成長した大人の方です」
「感情というのは、初歩の知性が作り出した幻想ですよ」
『彼女は、静かに立ち上がり、ドアの方へ歩いた。僕は戸口まで見送り、別れるときに、二秒ほど眼差しを交わした。
言いたい言葉はあったが、言わなければならない言葉は一つも見つからなかった。』
「法というのは、人間が定めたものだ。大昔には、親は子供を殺しても罪にならなかった。法に絶対的な正義があるわけではない。単なる、共有のルールだ」
『何と表現すれば良いのか、鈍くて重い大きなショックだった。
ああ、これが、人が死ぬということなのか、と思った。
もう二度と、彼女と話すことができない。
もう二度と、彼女の笑顔を見ることができない。
否、そんなことはない。過去の彼女の履歴をコンピューターに入れれば、話すことも、笑顔を見ることもできる。だから、そういう問題ではない。彼女の過去はすべて残っているのだ。
失われたのは、ツェリンの未来だ。
これから、彼女が僕に与えただろう影響がなくなった、ということなのだ。
僕は、つまり、僕の未来の一部を失ったに等しい。その損失に、ショックを受けているのだ。
明日の一部がなくなるようなものか。
それは、まるで、日食のように、欠けた太陽。
しかも、ずっと欠けたままなのだ。』 -
偉大なる、しかし断絶された人工知性が小生意気に振る舞い、それに翻弄される本作。
生命とは?生きるとは?無償の愛とは?なぜ子孫を望むのか? -
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著者プロフィール
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