憑き御寮 よろず建物因縁帳 (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 82
レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062941068

作品紹介・あらすじ

『ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』の著者が描く、泣ける怪異譚第三集。

感想・レビュー・書評

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  • 内藤了『憑き御寮 よろず建物因縁帳』講談社タイガ。

    シリーズ第3弾。藤堂比奈子シリーズに比べると面白さは半分くらいだろうか。やはり、リアリティのある藤堂比奈子シリーズの方が断然好みである。

    かつての豪商・藤沢本家の屋敷で二人の職人が帯締めや振り袖を首に巻き付けて不審死を遂げる。広告代理店の高沢春菜は曳き屋師の仙龍と共に藤沢本家の呪われた過去を暴く。

  • 安定して面白いシリーズ。怖いけど安心して読めるホラー。建物の過去の因縁と女の幽霊の正体を紐解いていく中で、一見関係なさそうな男の幽霊話の読み解きが繋がっていくのは面白かった。加えて土地の問題に科学的な知見が入ったりするのも興味深い。湿り気のある生々しい怖さで一つ一つの怪談じみたエピソードがやたら怖い。一方で主人公サイドの恋愛感情も盛り上がってくるのですが、執着という点で怪異と主人公の感情がリンクしている構図は上手い。今回は人の執着の業の深さが肝ですが、一番ぞわっとしたのは、解決の重要な情報を提示してくれた怨霊の生前を知るあの人が、いまだ過去の業に囚われているとわかるところ。諦めて受け入れながら長い年月生きている間ずっと囚われてきたんですよね。
    キャラクターにもかなり愛着が出てきて続きに期待。コーイチ和むよ。

  • シリーズ三作目。今回も嫌だなあ……のっけから嫌な雰囲気が漂いっぱなし。夜中に読むのは要注意。しかし、いったん読み始めたら読む手は止まりません。
    藤沢本家の蔵と離れと座敷牢……想像するだけでもぞくぞくと寒気を感じてしまうような情景なのに、なんてことをしてくれるんだパグ男! これはひどい。そして起こった災厄もひどいし。仙龍の父・昇龍すら祓えずに封じるだけだったというのは、ほぼ最大級の脅威なのではないでしょうか。いったいどうなるんだ。
    もちろん死霊のホラーとしての怖さも充分すぎるほどに感じることはできるのですが。この娘たち……生きてた時の妄念もこれまたあまりに怖いんですが。シリーズ中一番怖い。ラストの緊迫感もシリーズ最大級。しかし春菜の頑張りには勇気づけられた感がありました。なので嫌な怖さが思ったよりは後を引かなかったのは良かったです。

  • あの世とこの世の間(マ)で命を張る、

    仙龍、春奈、コーイチ、和尚、教授。再び登場!

    今回の悪しき因縁は、おぞましき女の執念。

    また、春奈の天敵、長坂が余計なことをしてくれるのだが、近頃は、春奈も決して負けてはいない。

    長坂がやり込められる場面は、スッとする。

    人の執着というものは、実に凄まじいものだと、震えがくる。

    生、性、物、色…ネバつくような欲が執着へと変わるとき、その想いはその場にべたっとはりつく。

    幸せなことに、怨念に変わるほどの執着を持ったことも、出会ったこともない。

    はるか昔、人が平気で虐げられる社会では、人の黒い瘴気は、簡単に怨念を呼ぶのかもしれない。

    だが、 陰温羅流の因縁切りの儀式は、圧倒的な力で迫ってくる。

    そして、厳かだ。

    「生者の命と死者の魂が邂逅」するその場は、相手が怨霊とはいえ、とてつもなく、切なく、悲しい。

    そして、今回、初めて、サニワとしての春奈の活躍を見ることができた。

    あっぱれ、春奈!

    春奈と仙龍との関係も進みそうな予感で、ますます目が離せない。

    博物館となっているかつての豪商、藤沢家の屋敷で展示を開催するため、改修工事を行うことになった。

    高沢春奈が勤めるアーキテクツは、展示プロジェクトを
    担当するが、その藤沢家では職人が立て続けに変死をとげた。

    どちらも、帯締めや振袖を首に巻き付けていたという。

    そしてその顔は笑っているかのようだった…。

  • 楽しみにしているシリーズ。
    今回は藤沢本家というお屋敷。博物館として建物や資料展示となっている。
    あえて、あえて夜に読みました。怖い怖い…前作より怖かった気がします。
    で、嫉妬と怨念うずまいて生き霊死霊となる女性たち。死人が出ます。女の霊は男を取り殺すのです。
    そうなる理由がまた胸糞で残酷で吐き気をもよおす。だめな人はつらいと思う。
    春菜がちょっと苦手な女性のタイプなのですが今回ちょっと可愛いなと思いました。仙龍は相変わらず格好いい。

  • 今いちばん楽しみにしているシリーズ。1作目はまぁまぁでした。2作目で魂を射貫かれ、この3作目もむせび泣き。

    広告代理店勤務の春菜が今回担当するのは、博物館として公開されているかつての豪商の屋敷における展示。これまで閉鎖していた蔵も利用して展示場を広げるらしい。ところが作業中の職人が相次いで変死。さぁ、イケメン曳き屋・仙龍の出番です。

    たいして怖くないと思っていたけれど、夜読むとちょっとビビる。アウトドアだった2作目に対し、この3作目は怨念のこもる屋敷の中の話だからか。しかしこのシリーズは不必要に意味深なオチなどはないので、安心して読めます。

    おどろおどろしいのに明るいキャラの登場人物が多く、笑えるところも好き。春菜ちゃん頑張れ。仙龍さん、イヤやで、死んだら。

  • 待ってました、シリーズ3作目。今作も怖〜いけど面白かった。パグ男がやらかして大変な事がおきるわけですが本人には何も障りが起きない(熱も因縁絡みではなかったようですし)事に腹が立ってしょうがないです。それにしても女の嫉妬、執念は恐ろしい。春菜の気持ちもはっきりして次作どうなるか気になります。

  • シリーズ中一番分厚かった気がする。夜に読んだら駄目な本。
    春菜の性格を徐々に受け入れつつあるので、彼女の小さな変化が妙に嬉しく思えました。状況に合わせてスニーカーを履ける女になっただけで可愛く見える魔法にかかってるのかも。
    今回は色んな意味でコースケが大活躍。ご住職も相変わらずでいい味を出しています。怪異に染み込んだ深い悲しみに寄り添える仙龍の格好いい感じが当たり前に見えてきたのでそろそろ違う顔が見てみたいな。
    毎回「よくこんな話を思いつけるなぁ」と唸らせてくる大好きなシリーズです。

  • 自分できっかけを作っておいて祟りや呪いを全く気にしない人、はねつける人っているのね。今回はそんなに怖くなかった。自分の想像力が追いつかないだけか、シリーズに慣れたのか。仙龍の前に現れた謎の美女の正体がわかってすっきり。

  • 御寮というのは建物のことではなくて、裕福な家庭の妻や子女を指す古い言葉でした。寮が舞台だとばかり思ってた勘違い!
    シリーズ三作目でしたが、面白かったです。じっとりとした不穏な湿り気を帯びながらも、艶やかで美しいイメージが終始散りばめられていました。紅葉に彩られた庭園の風景、秋の月夜、絢爛豪華な着物、婚礼のしつらえ、などなど。描写に艶があり、リアルなので、読んでいて目にも愉しい感じです。
    民俗的な事柄を作中にふんだんに取り入れているのも、興味深かった。奉公人の暮らしぶりや、憑き物筋のあたりなど、特に。
    主人公と仙龍の関係が少女漫画の王道パターンを彷彿とさせ、若干気恥ずかしくなったりします。

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プロフィール

2月20日生まれ。長野県長野市出身、在住。長野県立長野西高等学校卒。デザイン事務所経営。2014年、日本ホラー小説大賞読者賞受賞作『ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』でデビュー。ほかの著書に、『ON』につづく「猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」シリーズの『CUT』『AID』『LEAK』『ZERO』『ONE』『BACK』『MIX』『COPY』、同シリーズスピンオフ『パンドラ 猟奇犯罪検死官・石上妙子』、「よろず建物因縁帳」シリーズ、『夢探偵フロイト』など。『きっと、夢にみる 競作集〈怪談実話系〉』にも参加している。

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