憑き御寮 よろず建物因縁帳 (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062941068

作品紹介・あらすじ

『ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』の著者が描く、泣ける怪異譚第三集。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第三弾。

    舞台は今は博物館として展示されている藤沢本家の屋敷。そこで起きた不審死事件からスタート。

    今回はさらに怖さが増したというか、一言で言うとおどろおどろしさが強烈だった。

    この屋敷に居座り続ける怨念、絡み合う女たちの嫉妬には圧倒された。
    そんなかなり手強い因縁に立ち向かう静寂感と緊迫感に包まれた婚礼シーンは圧巻。
    リアルな情景はもちろん、哀しみの念、花嫁の息づかいまで聞こえてきそうなほど。
    そして見え隠れする美がせつなさも醸し出して良かったな。
    仙龍の魅力もますます増したし、次巻も楽しみ。

  • 内藤了『憑き御寮 よろず建物因縁帳』講談社タイガ。

    シリーズ第3弾。藤堂比奈子シリーズに比べると面白さは半分くらいだろうか。やはり、リアリティのある藤堂比奈子シリーズの方が断然好みである。

    かつての豪商・藤沢本家の屋敷で二人の職人が帯締めや振り袖を首に巻き付けて不審死を遂げる。広告代理店の高沢春菜は曳き屋師の仙龍と共に藤沢本家の呪われた過去を暴く。

  • 「鬼の蔵」「首洗い滝」に続くシリーズ第3作。

    順番を無視し、本シリーズにハマるきっかけとなった「魍魎桜」の次にのめり込み、恐怖を感じた一冊でした。

    まだまだ未熟な私には物語の舞台となる豪商・藤沢本家にまつわる人物の相関関係が理解し難く、おそらくそれ故の☆4つ。

    しっかりとした恐怖を味わえた分、自らの読解力不足が悔しくてたまりません。

    藤沢本家に纏わる女性の呪い。

    そこに隠された複雑な人間関係と哀しき歴史。

    そんな呪いを断ち切るべく、今回もいつものコンビ(春菜と仙龍)が自らの命をかけて立ち向かう。

    いやぁ、久々に恐怖を感じながらもページを捲る手が止まりませんでした。


    説明
    内容紹介
    職人の死に顔は、笑っていたそうだ。広告代理店勤務の高沢春菜が博物館展示の視察に訪れた、かつての豪商・藤沢本家。屋敷ではふたりの職人が、帯締めや振り袖を首に巻き付け不審死を遂げていた。春菜は因縁物件専門の曳き屋・仙龍に相談する。そこには彼の父すら祓えなかった呪いがあった! 仙龍は自らの命を賭して、『死の花嫁』にとんでもない奇策を仕掛けるが――!?



    因縁物件専門の払い師・仙龍
    VS.
    永遠に祓えない『死の花嫁』

    恋敵は怨霊!? 恐怖と恋の怪異譚。

    職人の死に顔は、笑っていたそうだ。広告代理店勤務の高沢春菜が博物館展示の視察に訪れた、かつての豪商・藤沢本家。屋敷ではふたりの職人が、帯締めや振り袖を首に巻き付け不審死を遂げていた。春菜は因縁物件専門の曳き屋・仙龍に相談する。そこには彼の父すら祓えなかった呪いがあった! 仙龍は自らの命を賭して、『死の花嫁』にとんでもない奇策を仕掛けるが――!?
    内容(「BOOK」データベースより)
    職人の死に顔は、笑っていたそうだ。広告代理店勤務の高沢春菜が博物館展示の視察に訪れた、かつての豪商・藤沢本家。屋敷ではふたりの職人が、帯締めや振り袖を首に巻き付け不審死を遂げていた。春菜は因縁物件専門の曳き屋・仙龍に相談する。そこには彼の父すら祓えなかった呪いがあった!仙龍は自らの命を賭して、『死の花嫁』にとんでもない奇策を仕掛けるが―!?
    著者について
    内藤 了
    長野市出身。長野県立長野西高等学校卒。デザイン事務所経営。2014年に『ON』で日本ホラー小説大賞読者賞を受賞しデビュー.。同作からはじまる「猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」シリーズは、猟奇的な殺人事件に挑む親しみやすい女刑事の造形がホラー小説ファン以外にも支持を集めヒット作となり、2016年にテレビドラマ化。ほかの著作に『ゴールデン・ブラッド GOLDEN BLOOD 』(幻冬舎)。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    内藤/了
    長野市出身。長野県立長野西高等学校卒。デザイン事務所経営。2014年に『ON』で日本ホラー小説大賞読者賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 今回はいままでとすこーしだけ違う、浄化ではないのかとどんな展開になるのかと楽しみにしていたけど、春菜が予想通りの動きと展開ででちょっと微妙。
    サニワがなんなのかそろそろ明かしてもいいのでは??
    マサとりんの確執がこわい。
    そしてりんはなぜ、そこまで義妹に執着したのかがよくわからない。
    姉妹だったのに、片や贅沢な暮らしでわがままなお嬢生活と自分の生活の差が許せなかった?でもヨノもりんを恐れてたみたいだし、うーん。

  • あの世とこの世の間(マ)で命を張る、

    仙龍、春奈、コーイチ、和尚、教授。再び登場!

    今回の悪しき因縁は、おぞましき女の執念。

    また、春奈の天敵、長坂が余計なことをしてくれるのだが、近頃は、春奈も決して負けてはいない。

    長坂がやり込められる場面は、スッとする。

    人の執着というものは、実に凄まじいものだと、震えがくる。

    生、性、物、色…ネバつくような欲が執着へと変わるとき、その想いはその場にべたっとはりつく。

    幸せなことに、怨念に変わるほどの執着を持ったことも、出会ったこともない。

    はるか昔、人が平気で虐げられる社会では、人の黒い瘴気は、簡単に怨念を呼ぶのかもしれない。

    だが、 陰温羅流の因縁切りの儀式は、圧倒的な力で迫ってくる。

    そして、厳かだ。

    「生者の命と死者の魂が邂逅」するその場は、相手が怨霊とはいえ、とてつもなく、切なく、悲しい。

    そして、今回、初めて、サニワとしての春奈の活躍を見ることができた。

    あっぱれ、春奈!

    春奈と仙龍との関係も進みそうな予感で、ますます目が離せない。

    博物館となっているかつての豪商、藤沢家の屋敷で展示を開催するため、改修工事を行うことになった。

    高沢春奈が勤めるアーキテクツは、展示プロジェクトを
    担当するが、その藤沢家では職人が立て続けに変死をとげた。

    どちらも、帯締めや振袖を首に巻き付けていたという。

    そしてその顔は笑っているかのようだった…。

  • このシリーズ面白いなぁ。
    怖いんだけど、物悲しくて。
    それにしても長坂…完全にやらかしてるじゃん。しかも熱出したのも呪いじゃなかったし。

  • 狐憑き。

    豪商の娘マサと従姉妹のりん。2人は大層な美人だったがお互いがお互いの存在を認めなかった。ライバルと言えば聞こえがいいがそんな生温い関係ではなく、嫉妬、妬み、嫉み、憎み合う。

    そんな時、狐に憑かれたと噂が立ちマサは祝言前に祈祷師の詐欺に遭い本当に気が触れてしまった。その怨念が仙龍を襲った。

    とまぁ〜こんな感じなんですが、やっぱり一冊目は越えられない。

    女の争いとかは現代でもありますしね。
    女が怖いのなんて分かりきってますから。

  • 相変わらずヒロインの気の強さは健在だが、今回はその気の強さが活きた巻だった。うん、ヒロイン頑張った。また山場でもある祝言のシーンは緊張感漂い、面白く読めた。題材はものすごく好みなこのシリーズ、やはりまとめ買いするか……。

  • 職人の死に顔は、笑っていたそうだ。広告代理店勤務の高沢春菜が博物館展示の視察に訪れた、かつての豪商・藤沢本家。屋敷ではふたりの職人が、帯締めや振り袖を首に巻き付け不審死を遂げていた。春菜は因縁物件専門の曳き屋・仙龍に相談する。そこには彼の父すら祓えなかった呪いがあった! 仙龍は自らの命を賭して、『死の花嫁』にとんでもない奇策を仕掛けるが――!?

  • よろず建物因縁帳シリーズ 第3弾。
    いつものメンツが活躍するんだけれど
    今回ばかりは、多少なりとも死霊に同情してしまった。
    悲惨な最後を遂げた事に対して寄り添う形での
    仙龍の解決策に感動しました。
    さすがに命がけの儀式になるんだけど、
    幻想的ですらあって、恐ろしい緊張感があって、
    まるで見てるみたいでした。
    さすがに仙龍もヤバい!と思ったけど、
    今度は春菜が頑張った。
    イザという時に体張れる春菜は素晴らしい。
    ムードメーカーのコーイチのおかげで、
    いいメリハリが出来てます。
    読みだすと絵が見えるからすごく楽で、面白い。
    やっぱりスゴイなこの人
    早く続きが読みたいぃ~

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著者プロフィール

2月20日生まれ。長野市出身、在住。長野県立長野西高等学校卒。デザイン事務所経営。2014年、日本ホラー小説大賞読者賞受賞作『ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』でデビュー。ほかの著書に『ON』につづくシリーズの『CUT』『AID』『LEAK』『ZERO』『ONE』『BACK』『MIX』『COPY』『BURN上・下』、スピンオフ『パンドラ』『サークル』『OFF』、「東京駅おもてうら交番・堀北恵平」シリーズ『MASK』『COVER』『PUZZLE』『TURN』など著作多数。

「2023年 『LIVE 警察庁特捜地域潜入班・鳴瀬清花』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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