書物紗幕 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 85
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062990066

作品紹介・あらすじ

書物シリーズ完結!

「この髪の銀にかけて、彼を破滅させる責務があるのです」
明かされる宿敵・書物偽造師(ミスター・クラウン)との因縁。
そして書物狩人(ル・シャスール)の最期――!?

世に出れば、国を、政治を、歴史を揺るがしかねない
秘密をはらんだ本を、合法非合法を問わず、
あらゆる手段を用いて入手する、書物狩人(ル・シャスール)。
長崎県五島列島の旧家に伝わる「呪いの書物」の
鑑定のために招かれた書物狩人と書物偽造師(ミスター・クラウン)。
彼らが島に着いた深夜に、旧家の家族が殺害される。
書物に宿る祟りなのか?
そして因縁の二人に最後の戦いが――。

感想・レビュー・書評

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  • 書物狩人シリーズ、8作目。そして今作が最終巻。

    舞台は日本の長崎県五島列島の一孤島。最終巻である今作では、この地でル・シャスールと宿敵ミスター・クラウンの最終対決が行われることになります。今作の主役となる稀覯本は、かつて隠れキリシタンの里となっていたこの島の旧家に伝わる「呪いの書」。私が思うこのシリーズの醍醐味は、1冊の本に隠された裏歴史を知れるところであり、どこまでが真実でどこまでが創作か見極めるのも楽しみ方の一つであったのですが、今回は隠れキリシタンの歴史や風習に関しては興味深く読めたものの、かの預言者との絡みは面白味はあったけれども真実味は全く感じなかったのが残念なところ。あくまでも、今作の主題は二人の対決にあり、そのためのミステリだったのかな。二人の対決の結末が、二人の関係性通り、ライヘンバッハの滝をもじっているのであれば、ル・シャスールがあのホームズのようにいつか帰還してくれることを願います。

  • シリーズもこれで最後かと思うと寂しいです。
    書物に関するこういう世界が本当にあるとかもしれないと想像するのは楽しく、あまり難しい本は読まない私ですが毎回歴史の勉強にもなったり面白かった。
    ル・シャスールがまだ生きてどこかにいることを私も信じたい。

  •  書物狩人シリーズ、最終巻(?)。
     五島列島の旧家に伝わる書物の鑑定に招かれた先で、連続殺人事件が起こる。
     書物偽造師との因縁の由来と決着が主軸にあった所為か、今回は本よりも人に特にスポットの当たった回であったように感じた。
     インクと紙の束でしかない書物に呪いが宿る筈もなく、真実怖ろしいのは、それら文字の連なりに思想を誘導されてしまう人間の性(さが)なのかもしれない。

  • ル・シャスールの物語も最終巻。
    紗幕というタイトルが、書物狩人とミスター・クラウンの存在を象徴してますね。
    見えるようで見えない薄さ。オモテとウラを行き来する彼らにぴったしです。


    ミスター・クラウンとマスター・キートンの意外な相似。30年もすれば、次代のル・シャスールの目標となった可能性のある書物かもしれません。
    歴史に葬られた、世に出すべきでない書物を探し出す、という書物狩人の仕事からして、実現していたんじゃないかなと思いますね。

    そうはいっても終幕。
    本を巡るミステリーとして、もと続けて欲しかったのに、残念です。

  • シリーズ完結。

    でももう少し読みたい。
    あとお父さんの番外編とか読みたい。

    書物を取り扱うミステリーで
    中々好きなシリーズでした。

  • え?これ最終巻なの!? でもル・シャスールならしれっとした顔で戻ってきそう。

  • 書物狩人シリーズ第8弾で完結編。今回でミスター・クラウンとの因縁や、ル・シャスールの過去が少し明かされたけどあの終わり… しばらく休んで続編出せるようにしてるのかな?

  • 「書物狩人」の最終章。
    長崎の孤島で起きる、連続殺人事件を冷理な推理で解決していく。宿敵との対決も果たす。
    因習に関わる書物を巡って、事件は勃発して波紋が広がる。抜群の構成力に引っ張られて息もつかせず物語は進んでいく。感情を現さない書物狩人が、今回は探偵を担い顔を赤らめて事件の真相を暴いて行き、宿敵を追い詰める。感動の一冊です。

  • まさかこれで終わり……? それは残念すぎる。

  • そうか、終わらせて、しまうのかーーー。ル・シャスールを。
    続けようと思えばずっと続けていけると思うけれど、このシリーズを一冊作り出すための下調べの量を考えると、長くやっていくのは大変だろうし。
    ここらあたりで、きっちり幕引きをしたかったのかな。

    となれば、舞台は最終話に相応しい、あの人物との最終対決。
    いわくありげな孤島と、旧家に伝わるある書物。
    連続殺人も巻き起こり……

    余韻と、希望。
    ある意味、とても、ル・シャスールらしい終わり方。

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著者プロフィール

1961年、東京都生まれ。立教大学卒業後、ドイツに留学。帰国後、大学講師として教鞭をとるかたわら、1998年に『魔大陸の鷹』でデビュー。その面白さに、田中芳樹氏、荒俣宏氏らがお墨付きを与えた。近著に『氷海のウラヌス』『書物審問』『天皇の代理人(エージェント)』などがある。

「2013年 『書物奏鳴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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