虹の歯ブラシ 上木らいち発散 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062990417

作品紹介・あらすじ

「史上最もHな探偵」再臨! 

「タイトル当て」を凌ぐ驚愕の企て!! 

「ミステリが読みたい! 2015年版」(早川書房)新人賞受賞
「2015 本格ミステリ・ベスト10」(原書房)第6位
『○○○○○○○○殺人事件』で
鮮烈デビューした「奇才」による待望のメフィスト賞受賞第1作! 

上木らいちは様々な客と援交している高校生で、名探偵でもある。
殺人現場に残された12枚の遺体のカラーコピー、
密室内で腕を切断され殺された教祖、
隣人のストーカーによる盲点をつく手口――
数々の難事件を自由奔放に解決するらいち。
その驚くべき秘密が明かされる時、本格ミステリはまた新たな扉を開く! 
さらに過激で、さらに斬新な、傑作誕生!! 

またしても書店員さん驚嘆!

本格としての趣向が凝らされ、そして………え!? 参りました。 
       紀伊國屋書店 ゆめタウン徳島店 朝加昌良さん

惚れ惚れするような「本格」ですがR指定です。
「オトナ」の貴方は読みましょう。ぜひ読みましょう!
       ジュンク堂書店 池袋本店 矢部公美子さん

前作を凌駕する仕掛けの多彩さと
愛すべき狼藉ぶりを存分に堪能しました!
       ときわ書房本店 宇田川拓也さん

Hな物語に目を奪われていると、真実を見失うぞ!
       紀伊國屋書店 渋谷店  竹村真志さん

らいちがとってもキュート! その魅力が最大限に表れている!!
       書泉ブックタワー 江連聡美さん

感想・レビュー・書評

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  •  前代未聞のタイトル当てに続く、早坂吝さんの第2作。前作は、断固傑作とは呼ぶまいと思ったが、ツボにはまった面も否定できず、またしても出来心で読んでみたが…。

     レジに持っていくのを一瞬ためらう装丁。「史上最もHな探偵」って…援交している女子高生かよっ! その探偵・上木らいちは、曜日毎に固定客を抱えているという。……。

     7編の短編から構成されるが、最後にオチがあるのだろうと察せられる。まずは「紫」。最初からAV撮影のような事件現場で、かっとばしてくれる。トリックもばかばかしいが、一応筋が通っているのが何ともはや。背景には男の悲哀があったりして…。

     「藍」。ラブホテルでの殺人。何だよ現場が普通じゃないかと思ったら、そのようなどんでん返しが…。僕には理解できない世界とだけ書いておきましょう。ある議論は、普段何気なくやっていると気づかず、興味深い。でも、どうしてそこまで想像できる?

     「青」。犯人はともかく…わかるかこんなもーん!!! 物々しいオープニンングなのにこのオチ。「緑」。うーむ、人の嗜好は十人十色ですな…。というか、ミステリー的な仕掛けもちゃんと施してあるのが腹立たしい。どこかで読んだぞ、このネタ。

     「黄」。イケメンをあっさり袖にするらいち。イケメンかどうかなど興味なし。1人5万円。ある意味公平だ。プライドを傷つけられた彼は…。相手が悪すぎたね。わずか4pの「橙」。唯一、単独で読んでも意味不明。一応伏線だったことは最後にわかるのだが…。

     いよいよ最後の「赤」。謎めいた上木らいちの正体は? 結局がどれが本当やねんとか、もはやどうでもいい。だんだん呆れてきたぞ。そんな雑学まで駆使したところで、おおっ! なんて思わないっての。今回も酷い作品だったわ。

     2作目を間を空けず出したのは正解と言える。前作と比較して文章もこなれていて、その点は驚いた。この人は計算高い。前作はわざと下手くそに書いたのかもしれない。でもね、どうせならお下劣さを極めてはどうか。3作目が出たら買っちゃいそうだ。

     こんなもん、アラビア語圏で出版できないだろっ!

  • 援交女子高生、上木らいちの活躍する連作エロミステリ。十数ページの短々編から五十ページ超のものまでごった煮なバラつき加減に玉石混淆を心配するも、どれも主題となった「色」を上手く話に落とし込み、且つ一定のオチをつけています。それなりに紙幅の割かれた「紫」「青」はやはり面白く、後者の論理パズルのような消去法は非常に読み応えがありました。モチーフに掲げた「虹」の持つ文化的特性に擬えたオン/オフによって多重解決を並列的に正答せしめ、さながら七色のミステリとでもいうべき姿を見せるのもポイントで、創元推理型の連作短編としても恐らく新境地ですし、その試みがミクロ(各章)とマクロ(本全体)ーーふたつの視点から作品テーマに結実しているのも凄まじい。1作目を遥かに超えて著者のポテンシャルを見せつけた、今年度を代表する傑作です。

  • 今回は連作短編てことで、いろんなテイストのがあった。
    最終的には早坂さんらしいかな、と。

  • 1巻を読んでいる人なら分かるであろう昼間にはそぐわない内容です←
    しかも連作短編集!!!
    そのせいからいちちゃん、色々爆発し過ぎ。
    そして章(?)を追うごとに混乱、ラストで「何か……やられた」と思いました(笑)
    あっという間に読めましたが、前作と比べてしまうと劣るのは仕方がない気もします。
    表紙のらいちちゃん、可愛いですよね←現実逃避

  • 上木らいちさんの2冊目。1冊目もびっくりしたが今回もなかなか。謎解きというよりどんでん返しが楽しい。

  • 表紙が恥ずかしくて電車では読めない援交探偵シリーズ。でも文庫版の洒落た表紙で、内容がコレだと壁に投げつけられるだろう。
    本編は虹色に準えた7つの短編があり、なんか意味深な太字が各短編に書いてあって、最終章で驚愕の真相に収斂する仕掛け。とにかく読んでほしい、バカなので。
    各短編では、死体の側に腐敗の流れをしめすおっぱいコピーがあることによるアリバイ崩しの「紫」はなかなか、謎のSEX教団の教祖の密室死体と、マニキュアのビンについた指紋からフーダニットに入る「青」は歴代のバカミスの中でもかなりの傑作と感じた。
    まあその他短編は印象薄くて、長打力はあるけど安定感のない作者らしい短編集だと感じました

  • 前作同様のテイストなので手に取るには要注意です。大概のものは大丈夫な私も正直途中でうんざりしてきて、この本は最後まで読むけどもう手に取らないだろうななどと思いながら読んでいました。短編できっちり本格なんですよ。それが手掛かりかよ!ですけど。途中ちょっと不思議なテイストのものがあり、頭が?マークでいっぱいになりましたが最後の章であらら…。これのためにあの章はあったのか。賛否あるでしょうが作者が計算して楽しんで書いたのが伝わってきました。ラストまで読んだ今、次もまた手を出さずにいられないような気がしています。

  • エロミステリ。上木らいちシリーズ?連作短編集?
    この作家さんの本を読むのは、『○○○○○○○○殺人事件』『RPGスクール』に続いて3作目。
    相変わらずのバカミス。
    やりたい放題な作風、嫌いじゃないです。

  • らいちの短編集。
    らいちは週5日援交していて、土日は休み。洗面所には相手の歯ブラシが置かれている。わかるように色変えて
    月曜:紫
    初老?の会社社長。どうやら秘書殺したらしい。がらいちにインポを暴かれ(バイアグラがトリックに絡む)、自白を決意。って、そんな状態なのに秘書を愛人。そんなもんかね。
    火曜:藍
    警察官。こっそり事件をらいちに解決してもらってる
    水曜:青
    料理人(といってもコンビニ弁当仕込みとか)。らいちが新興宗教に巻き込まれる。これエロミスだから、当然セックス教団。教祖イカだから。イカは当然お金払わないから、食べられちゃった。
    木曜:緑
    放置プレイ好き。中学生の頃、クラスの美少女に恋し、無視されても自慰をし、顔面にかけたというすごい過去を持つ。
    隣の空き巣に目をつけれれたらいち。危機一髪のところで、解決するけど、放置することを忘れない。
    金曜:黄
    マジシャン。高校でイケメンにせまられるらいち。あやうくハメられそうになるが、もちろん阻止。
    土日:橙、赤
    らいちは男なのか、地球外生物なのか、二人いるのか、など今までの物語(というか伏線)から推理が展開される。後はこの物語が大当たりして、各国から出版を頼まれるが、国により虹の色が違うので、物語の辻褄を合わせるのに苦労する小話。

    軽く読めて良い。

  • 援交高校生探偵・上木らいちが事件を解決する連作短編集。
    ちょっとHで、上木らいちが何者かというラストの章はかなりはちゃめちゃ。
    明るくて屈託がない主人公が魅力的。
    (図書館)

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著者プロフィール

早坂 吝(はやさか・やぶさか)
1988年、大阪府生まれ。京都大学文学部卒業。京都大学推理小説研究会出身。
2014年に『○○○○○○○○殺人事件』で第50回メフィスト賞を受賞し、デビュー。
同作で「ミステリが読みたい! 2015年版」(早川書房)新人賞を受賞。
他の著書に『虹の歯ブラシ 上木(かみき)らいち発散』『RPGスクール』『誰も僕を裁けない』
『探偵AI(アイ)のリアル・ディープラーニング』『メーラーデーモンの戦慄』などがある。




「2019年 『双蛇密室』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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