タイタニア5 <凄風篇> (講談社ノベルス)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062990424

感想・レビュー・書評

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  • タイタニアついに完結ですね。久方振りに再開させてそれっきりだったらどうしようかと思いましたが、無事完結です。
    銀英伝という大作の後で、同じ未来の宇宙を舞台にした作品なので、どう差異をつけるのだろうかと思いましたが、最後まで読むとこれは英雄不在の物語でした。英雄に憧れる者、英雄になりたかった者、英雄だと思い込んだ者、英雄になりたくなかった者、そんな者たちが集まった物語。国と国の争いでもなく、政治的イデオロギーの対立でもなく、あくまで個人の野望と願望の物語なのでしょう。
    だからこそ海賊集団が物語の主軸になれたはずなのに、活躍し損ねた感はありますね。もっと話を膨らませば、もっともっとエピソードが広がったのでしょうが、ここはこれで完結したことを祝いましょうか。

  • なんつう終わり方なんですか田中先生
    でもああいう終わる方もありかとも思う
    姫たちは探しに行くんですか?
    そのへん外伝出しませんか?

  • 終わった終わったー! それしか言いようがない。

    流星旗群VSタイタニアという話ではなかったと考えると、主役の一人であるはずのファン=ヒューリックの存在感の無さに納得できる。
    稀代の用兵家という銀英伝のヤン=ウェンリーのポジションでありながら、ファンはどちらかというとポプランやアッテンボローのような軽い雰囲気、前半影が薄い美形と評されたアリアバートの方がよほど印象が強い。
    この小説はタイトル通りタイタニアの歴史物語、田中芳樹版平家物語、しかも源氏の影は最小限というものだった。
    銀英は異なる価値観の対立(史上最悪の民主主義VS最高の絶対君主制)が主軸になっているが、ファンの動機はあくまでちょっと好意を持っていた女の子が無残に殺されたことに対しての報復で、個人的なものだ。そして、対立するタイタニア側はというと、ファンは対立相手ではない、競争相手はあくまでタイタニアの中の誰かなのだ。
    最終巻ははっきりとそれが鮮明になり、ラドモーズは兄イドリスを、イドリスはジュスランを、ジュスランはアジュマーンもしくはタイタニアをと、ファンは狂言回し、もしくはジョーカーとして最終決戦の場に送り込まれる。
    レビューは全体的に厳しい意見が多いが、構図や展開はプロットが決まって横道にそれずに物語を収束したのはさすがだと思う。
    無駄な人間は出てこないというのはそれだけですごい。
    逆に惜しむらくは書き込みの少なさだ。
    ファンたちは確かに狂言回しだが、作者は彼らを最低限にしか使っていない。
    いくらタイタニアに物語を集中させるにしても、必要な行動や立ち位置を確保しているだけでは読者の読む楽しさがわいてこない。
    ほかも、ラドモーズやアジュマーンの複雑な内面を語るシーンが説明的過ぎる。
    台詞で心情を他者であれ、本人であれ語らせるという手抜きが手抜きな書き方のままでもう少し違う表現ができたのではないかと思う。
    それでも終わらせてくれたこと、納得できるラストであることはすばらしいと思うので★5

    せめてもう10年早く完結したら、ここまで叩かれることはなかったんじゃないか…

    最終巻はバルと姫にがっつりフラグが立ったことと、フランシア嬢の恋する乙女の無敵モードが個人的な萌えを満足させてくれたので、それだけでもよかったよ。
    ジャガイモ公国(エルヴィングだっけ)の十年後のロイヤルウェディングにはシュークリームつんで固めるお祝いケーキをお願いします。

  • 黒幕の小物感が残念な。
    10年後の未来を想像するとたのしい。

  • ついに終わった。途中まではスペースオペラはこうでなくてはとか思っていたが、最後はなんともこじんまりとした終わり方だった。だが、ついに終わったということはめでたい。終わらせてくれたことに感謝。

著者プロフィール

1952年熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。1978年「緑の草原に……」で幻影城新人賞を受賞しデビュー。1988年『銀河英雄伝説』で第19回星雲賞(日本長編部門)を受賞。2006年『ラインの虜囚』で第22回うつのみやこども賞を受賞した。壮大なスケールと緻密な構成で、『薬師寺涼子の怪奇事件簿』『創竜伝』『アルスラーン戦記』など大人気シリーズを多数執筆している。本書ほか、『岳飛伝』『新・水滸後伝』『天竺熱風録』などの中国歴史小説も絶大な支持を得ている。

「2023年 『残照』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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