RPGスクール (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
2.88
  • (2)
  • (8)
  • (33)
  • (11)
  • (4)
本棚登録 : 142
感想 : 22
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062990547

作品紹介・あらすじ

「私は君たちにゲームを挑む」

すべてのゲーマー&推理小説愛好家へ。
『○○○○○○○○殺人事件』の奇才による青春バトルミステリ!

高校1年生の剣先は剣道で全国ベスト4になった実力者だが、
幼馴染を通り魔から守れなかったため剣を捨てた。
ある日、超能力体験学習のため来校した
超能力者イマワの死体が足跡のない運動場で見つかる。
すると学校が外部と遮断され、スピーカーから「脱出するには私を倒せ」
という「魔王」の声が聞こえ、モンスターたちが出現。
剣先は超能力少女ミラを守るため、モンスターと戦い、魔王を探すのだが……。
魔王の正体とは? そしてイマワを殺害したのは? 
驚愕の「新感覚」本格ミステリ!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 良くも悪くも好みの差が激しい作品であることが容易に想像できる作品ですね。この設定とこの世界のルールが受け入れられればなかなか楽しいかなと(屍人荘の時もそんなこと書いたような)。
    まぁとにかく、個人的には楽しめました。
    ただあの2人に関しては・・・なかなか受け入れられなさそうと思うのは仕方ないよね^^;

    そして最後の最後、やっぱりそうなるよねぇ。

  • 超能力RPG推理全部乗せ。
    好みが分かれるのも納得だわ〜…。
    推理がちゃんとしてて、二重三重の騙しがきいてて良かった。
    あの探偵は他のにも出てくんのかなぁ…。

  • 超能力×学園×RPG×ミステリというふんだんに設定が盛られた作品。最初は死体が発見され超能力によって学園内に閉じ込められモンスターが跋扈し始めそれを倒していくという王道RPGという展開にちょっと拍子抜けしたが最後の最後でちゃんと超能力を絡めながらも本格ミステリしてくれたのでそこが良かった。しかし探偵が謎解きまでただのモブ生徒という扱いの描写しかされていなかったのがちょっと面白かった。

  • らいちのシリーズも衝撃でしたがこれもまた面白い設定ですね。RPGを夢中になって遊んだ世代としては、そこはアプリ使えよ、みたいな突っ込みをしながら他人のしているRPGを見ているような感じで読み進めました。RPGとしてはレベルアップしていく感じが少ないのがちょっと残念かな。超能力のある世界という設定も含めミステリとしてもちゃんと計算されていると思います。読後感も悪くないですがかなりあっさりめで物足りない感じはあります。そして私も恋人探偵は好きにはなれませんでした。

  • いつものテイストはなく、文章と論理で翻弄。謎の解明がちょっと長いなと感じました。ミステリだとこれくらい普通だと思うので、いまいち入り込めなかったということなのかも。

  • すべてのゲーマー&推理小説愛好家へ――。『○○○○○○○○殺人事件』の奇才による青春バトルミステリ!

  • ファンタジーRPG/ミステリ/超能力
    RPG世界から現実世界に戻っても超能力者が存在するせいで、謎解きにリアリティは皆無。超能力のルールを明示しているので、ギリギリでフェアかな、という印象。
    西澤保彦さんのSFミステリを少し連想しました。
    変格ミステリとして、奇抜な設定を評価します。

  • らいちシリーズの早坂吝氏ということで期待して読んだのだが、ゲーム造詣がないせいかあまり楽しめなかった。本題の推理はロジカルではあるのだが、RPGパートがかなり退屈に感じてしまった。

  • 剣先は、過去に幼馴染(子手間)を通り魔から救えなかっ事をきっかけに剣道をやめ、何の部活に入ることなく楽しみもなく高校生活を過ごしていた。
    世の中は超能力の実在が立証され、医療や犯罪捜査などに活用されはじめている。剣先たちの高校に、超能力者イワマと助手たちがやってきた。文科省お墨付の超能力教育の一環として体験学習をさせてくれるというのだ。
    しかし、日本で第一人者の超能力の持主と言われるイワマが校庭の真ん中で亡くなっていた。
    スプリンクラーがまわって校庭は濡れた状態だったのに、足跡もつけずに校庭の真ん中に死体が?
    そして、それと同時にはじまった、学校は外部との通信が切り離され、出入りもできない孤立状態になった。スピーカーからは魔王を名乗るものからのメッセージで「脱出するには私を倒せ」と。次々現れるモンスター。手にしたものが武器となり、スマホでかざすとモンスターのデータがわかるスケルターとなり、SNSを利用して仲間と連絡を取り合い、モンスターを倒して行く。
    うん、RPGスクール。

    ゲーム世界がリアルだったらいいのに、と思う高校生たちは多いのかな。

  • .
    <あらすじ>
    医療や犯罪捜査などに超能力者が活用されてる世界。
    超能力は子供のほうが発現しやすいことから、子供の頃から超能力に慣れ親しんでもらおうと、文部科学省が全国の学校に超能力教育を実施している。
    その一環として、主人公・剣先の学校に、超能力の体験学習の講師として超能力研究所から4人の超能力者がやって来た。

    来校初日、超能力者の内の一人、超能力研究所の所長で有名人の美人超能力探偵・イマワが、殺される。
    死体は校庭の中央で発見され、周囲には足跡が一切なかった。

    そこで突如、空が真っ黒に、、、
    校内スピーカーから「脱出するには私を倒せ」という『魔王』の声が聞こえ、モンスターが出現!
    学校が外部と遮断され、携帯はモンスターや自身のステータスが表示されるアイテムとなった。
    更に校内に隠されたパズルのピースを集めれば魔王の正体が判明するというルールのゲームが開始される。

    剣先は超能力少女・ミラと共にモンスターと戦い魔王を探すことに。
    (~50ページ)

    道中、同級生と協力しモンスターを倒しながらパズルのピースを集めていく。
    (~160ページ)

    そしてついに魔王の正体を突き止め、剣先は魔王を撃破した。
    (~178ページ)


    <オチ>
    RPGのような結界はイマワが自分を殺した犯人を逃さないために自身が発動した超能力で、
    魔王は永遠に遊んでいたいと願っていた生徒たちの思念が正体だったので、剣先は生徒を全員殺して、魔王を倒したら結界がなくなり、ゲーム中に殺された生徒たちも全員復活した。
    が、イマワの死は事実なので、誰が殺したのか?という推理パートへ。

    イマワの遺体の周囲に足跡がないことから超能力者が犯人では?とかゲーム中に起きたことなどを材料に推理していき、剣先が犯人を特定。
    真犯人は超能力少女・ミラだった。
    (~222ページで完)

  • 図書館で借りた本。
    早坂吝氏、3連発。
    主人公の剣先は、中学時代剣道で全国ベスト4の実力だったが、ある事件をっきっかけに、剣道を辞めてしまう。
    高校一年生も会わりに近付いたある日、超能力の体験学習が学校で行われることになり、有名な超能力者の時野イマワが来校したその日、学校の校庭でイマワが他殺体で発見され、それと同時に学校全体がRPGの世界に入り込んでしまった。剣先は、イマワと一緒にやってきた超能力者のミラとともに、魔王討伐のため、再び剣を持った。

  •  早坂吝さんの第3作は、お下劣路線から一転、ゲームネタらしい。宮部みゆきさんの『ボツコニアン』シリーズで苦痛を味わった直後だけに、気乗りしなかったのだが…。

     高校1年生の剣崎は、全国ベスト4になったほどの剣道の実力者だったが、ある事情から竹刀を置いた。ある日、今をときめく超能力者・イマワが来校したのだが…彼女の死体が運動場の中央で見つかった。足跡はどこにもない。

     超能力者を登場させるミステリーに例がないことはないが、何でもありにならないようルール設定を厳格にするか、ネタに走るか、いずれかを迫られる。この人はネタに走るだろうと予想したが、ん? いきなり学校がRPGの舞台に?

     魔王に支配された学校で、バトルが始まるが、ちっともワクワクしない。ボツコニアンの悪夢が甦り、流すように読んでいく。描写はとてもシリアスなのだが…。モンスターを倒してカードを集めるとか、某有名作品のパクリかよっ!

     一応、本作の大部分を占めるRPGの部分は、伏線になっている。剣崎が過去と対峙する展開は、それなりに読ませてくれるが、正直オチに期待するのはやめていた。遅読の僕でも、あっという間に終盤に差しかかる。

     いやはや、さすがに食えない作家である。本作は、表面上ネタ作品と思わせておいて、ルール設定もしっかりされていた。いわば、RPGの部分はルール説明だったのである。なるほど、超能力という禁じ手を使いつつも、筋は通っている。

     でもさ、強力な超能力者なのに、防げなかったのかよっ! と、多くの読者が思うだろう。ほほう、なかなかやるじゃないか。物理トリックの要素もある。あのシリーズで似たようなトリックがあったが、早坂さんが確信犯かどうかは知らない。

     真相が明らかになっても、突っ込みたい点は多々あるが、どことなく愛おしい。つくづく不思議な作家である。でもね、やっぱりこれだけは言わせて。

     RPGの部分はどうしても必要なのか???

  • 超能力でRPGの世界になってしまった学校で,魔王を倒してRPGを脱出を目指しつつ,超能力者を殺した謎を探る。
    ミステリ部分は凝った作りだが,全体としてはあんまり興味をそそられない。
    前2作の上木らいちシリーズと比べるとだいぶ劣る。

  • RPGパートがあまりにもあんまりな淡々とした進行で文体の軽さがなければ読み進めるのが辛かったが、ある物と超能力とRPG世界のルールにより積み上げられていく推理パートは好き。それと金の仮面と銀の仮面ってもう肉のアレしか思い浮かばないヤツだった

  • (軽くネタバレします)

    前2作の評価が自分の中でかなり高かった上に、設定にものすごく惹かれたので発売が楽しみだったのだけれども、やっぱりいざ学校があんなことになってみると、まほろの『その孤島の名は、虚』などでもそうだったのだけれど、「うーんやっぱリアリティがな…」となってしまい、一歩引いた視線で読んでしまった。
    しかしこの作品の場合ある意味そこを逆手にとっているというか、結末が明らかになるとそれもある種の必然になっているところが、意図したものではないのだろうけれど面白かった。
    というわけでRPGパートはイマイチ乗り切れず、けれどミステリ部分に関しては今回はロジック重視な感じで、こういった(理詰めの)作品も書けるのか、と感心。
    ただ探偵役はもうちょっとどうにかならなかったのか…と思わないでもない。

    前2作と比べると評価は落ちるかな。期待が高かっただけに、ちょっと残念。ただ作者の振れ幅の大きさもわかったので、次はどんなのを持ってくるのか、楽しみです。

  • 2015/08/14読了

  •  名前、杏(あんずorきょう)じゃなくて吝(やぶさか)だった!!!!!!!! だまされた!!!

     面白かった。ぶっちゃけそんなに期待してなかったんだけど、いい意味で期待を裏切ってもらえて満足!
     これでらいちちゃんシリーズだったら読んだかどうか微妙だったけど、全然違う話。超能力者とか素で出てくる、言ってみたらファンタジー。
     ただその異能のあるなかでも制限があって、制限内で思考を展開させるというのがとても面白い。ラストの説明あたりは結構緻密で、正直斜め読み。
     学校全体がRPG風ゲームの舞台になってしまったっていう大本の原因が若干こじつけだなぁ、とは思ったけどね。その外でしっかり現実の殺人についての解決もあったし、そこ含めてのどんでん返しもあったので、新新本格あたりの「ミステリ」が好きなひとには楽しめると思います。
     どうでもいいけどこのひと、京大のミス研出身なんだね。綾辻の後輩じゃん。
     表紙折り返しの作者の言葉でタイトルが、「RPGツクール」とかけてあったことに気がつきました。
     文体も適度に柔らかくて読みやすいので、ひとにお勧めしやすいミステリ。
     で、プロローグは一体なんなの? どこの場面なの? あれ、いる?
     抜粋。出てきたなかで一番好きなモンスタ。


     No.3 盾盾
     最強の盾と、最強の盾。守ってばかりでは勝てない。


     じゅんじゅん、役立たずぅ。

  • 何ともふざけたタイトルですが、元ネタは思った通り。物語の核心に至って、その元ネタがじわじわと聞いてくる辺りは、意識的なのかどうなのか…
    事件自体は、足跡の無い校庭に屍体がぽつん。という単純なものですが、その真相は瞬間移動や物体浮遊術が横行する世界において尚、ツイストの効いたもので、やはり要注目の新人だなと。
    さらに、過剰なまでの消去法も盛り込んであり、本格ミステリを期待した読者も安心して読めると思います。
    ただ、もう少し分量が欲しかった。というのが正直なところです。超能力者の跋扈する異世界本格としては高水準ですが、そこにRPG要素を入れるなら、そこをもっとじっくりと書いて欲しかったです。
    まあ、この雑多な感じが著者の持ち味なのかもしれませんが…

  • RPGのワクワク感と推理の切れ味が凄い。恋人探偵にはイラっとしたけど(笑)。細かい仕掛けを積み重ねて壮大な仕掛けに説得力を持たせているのは上手いやり方だなと思った。

  • 特殊設定をフルに生かした緻密なルール本格。特殊状況は余すところなく推理に生かされているけれど、妙に推理部分が遊離してしまっている感があるのが残念。あくまで推理の材料なためか、中心である現象の結末自体はあまり意外なものではなく、それが動くという訳でもなかったし。

全22件中 1 - 22件を表示

著者プロフィール

早坂 吝(はやさか・やぶさか)
1988年、大阪府生まれ。京都大学文学部卒業。京都大学推理小説研究会出身。
2014年に『○○○○○○○○殺人事件』で第50回メフィスト賞を受賞し、デビュー。
同作で「ミステリが読みたい! 2015年版」(早川書房)新人賞を受賞。
他の著書に『虹の歯ブラシ 上木(かみき)らいち発散』『RPGスクール』『誰も僕を裁けない』
『探偵AI(アイ)のリアル・ディープラーニング』『メーラーデーモンの戦慄』などがある。




「2019年 『双蛇密室』 で使われていた紹介文から引用しています。」

早坂吝の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
麻耶 雄嵩
法月 綸太郎
今村 昌弘
米澤 穂信
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×