QED ~flumen~月夜見 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062990875

作品紹介・あらすじ

京都・月読神社で女性の絞殺死体が発見される。翌朝、近隣の松尾大社では女性の兄の死体が鳥居に吊される。事件を取材する小松崎良平は、桑原崇と棚旗奈々が一泊旅行で京都にいると知り、強引に合流する。記紀最大の謎とされる月読命の真の姿とは? 渡来人技術集団・秦氏の悲劇とは? 崇の推理が冴えわたる待望のQED新作。

感想・レビュー・書評

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  • この安定感というのだろうか、読み進めている間中、なんだかほっとする感じがしました。やはり、QEDだよなあ。
    他の作品にQEDの主人公二人がちょっとゲスト出演したことはあったけど、やはりこの二人が動いているととても安心します。多分、自分に合っているんだろうな、と思いました。
    最近の別シリーズ2つの影響か、読んでいると、時々、謎の組織の暗躍か?と考えている自分に気が付き、違う違う!そうじゃない!と打ち消す自分に笑っていました。そして、やはりQEDだな!と思うのでした。
    まあ、事件とその解決、犯人の動機等々は添え物なので、深く思わないことにして、つじつまがあってればいいんじゃない、というところでよいのだと思います。
    つまりは小松崎を含めた3人がどう動いたか、ということが大切で、別行動をとるのがなぜかなあ、と思っていたらそう来たか、という感じで、これもこれでいいかな。
    安定の面白さを十分に味わいました。

  • QEDのスピンオフ(になるのか?)第2弾。今まではあまり取り上げられなかった京都の月読神社を中心に起きた連続事件に、たまたま京都にいた崇史と奈々が巻き込まれる。月読神社自体、聞いたことはあったが、どんな神様かも知らず、今回の話は純粋に勉強になった。「月」と言うからには「秦氏」でしょ!と定番説も覆され、いよいよQEDの信ぴょう性も、本格的に気になってきた…きっと、完結したQEDだけど、まだまだ続く気がする。

  • 今回の殺人事件はなんかいろいろひどかった気がする。もうウンチクだけでいい、とすら思えた。

    最後にタタルさんが手にした本は京極夏彦さんの本ですよね?分厚い妖怪が表紙の本。ちょっと嬉しいw

    2017.4.9

  • "「あのな、その京都で事件が起こってるんだよ。昨日から、俺も来てる!」
    「何だ……」崇は顔をしかめた。「おまえは、傷心旅行で海外に行くと言っていたじゃないか。いつ、予定を変更したんだ」
    「少し、先延ばししただけだ。それに、何度も言うが、傷心旅行じゃねえよ」"[p.149]

  • 本編が完結したので、もう新作はないと思ったら、まさかの外伝発売に驚きました。
    今回は、京都旅行に出かけた崇と奈々が、京都で起きた連続殺人事件に、小松崎経由で関わることになるお話でした。その過程で、月読命にまつわる謎解きがありました。
    例によって、歴史ミステリーとしては面白いのですが、殺人事件の犯人の動機が無理矢理な感じかも。(^^;

  • なかなか面白かった。2人の雰囲気が良くてニヤニヤした。

  • タタルさんが京極夏彦(推定)読んでる!!!!

    それに尽きる。
    っていうか、たった一行なのに、ものすごいインパクトだった。
    うんちく全部ふっとんだわvvvvv

  • 久しぶりのQEDシリーズ、ものすごく楽しみにして読んだのですが、期待が大きすぎたのか微妙な感じ…。いつもの如くのウンチクは楽しめたのですが、殺人の方の説得力がちょっと。いっそそちらは無くてもいいんじゃ?とも。個人的にタタルと奈々の仲が全然進んでないのが寂しい…。

  •  QEDシリーズ最新作。
     今作では京都でも西エリアが舞台。そして、全体の鍵となるのはタイトル通りにやはり「月読神」。まったく謎だらけであるが故に、”タタル”がどう読み解くのか気になる処でありました。
     謎解きミステリも、彼と彼女の恋物語も相変わらずの安定感。事件を呼ぶ女と、嫌々ながら謎を解く男。森博嗣氏の犀川・西之園と違ってシリーズ当初から、破れ鍋に綴じ蓋ではないけれどまあくっつくよね、という2人の距離感。
     今後も、時々に「あ、でるんだ」という感じで読みたいシリーズ。高田先生、講談社さん、よろしくお願いします。

  • 相変わらず事件と関係があるようで、ないというかさして関係ない蘊蓄が延々とつづくが、それがQEDなのでファンにはたまりません。無駄万歳。そしてこういうアベック(タタルとナナ)は良いな、と思います、なんというかすこし異質な恋愛小説と言うてもええと思います。相変わらず事件は添え物、ていうか無くてもいいんだけど事件が無駄にはいっていることで、実際の話ではないアピールというか、学術書ではないんですよアピールというか(笑)。flumen流れはやっぱり軽くて簡単なので万人向きな反面、薄めなところがちょっと寂しくもあります。こんな感じで存外知られていない、失われつつある常識が世に知られる/盛り返すといいなぁ、と思う。ただ、タタルの話を聞かされる刑事さんたちはちと可哀想ではある。
     舞台は京都西、阪急嵐山線沿いの嵐山松尾大社周辺、松尾大社、月読神社、嵐電沿いの蛇塚古墳、広隆寺、大酒神社、木島神社、西京極運動公園の近所の衣手神社、平安京表鬼門(滋賀県)にある日吉大社、
    そして蘊蓄がタタル選定日本五大怨霊神(素戔嗚尊、饒速日命、市杵嶋姫命、玉依姫尊、大国主命)、
    本作の面白ツボは月読命の事、天照大神、素戔嗚尊、月読命、この三つ巴が誰の神様かというとこらへん。ちょと軽目すぎるので肩すかしでモヤモヤしますが、おもしろいミステリでした。

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著者プロフィール




「2023年 『江ノ島奇譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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