- Amazon.co.jp ・マンガ (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063106176
作品紹介・あらすじ
僕の妹は、僕の指から産まれた。妹への感情は兄妹愛のそれを超え、「ひとつになりたい」と願う。(『星の恋人』)
飛行機墜落事故で生存した大輪未来と天野すみれ。
助け合う二人に、意外な形で別れの時は来る。(『ヴァイオライト』)
肩を壊した高校球児の雪輝。日々”成長”を続ける
ヒナとの出会いで、彼が見つけたものは――。(『日下兄妹』)
3人の兄妹が暮らす家に夜の闖入者、それは虫であり弟であった。
共同生活を始めた彼と兄妹たちの距離は縮まりーー。(『虫と歌』)
自分の指から生まれた妹への感情を綴る『星の恋人』。肩を壊した高校球児と成長を 続ける”ヒナ”との交流が胸を打つ『日下兄妹』。飛行機事故で遭難した二人の交流を描く『ヴァイオライト』。そして、衝撃の四季大賞受賞作『虫と歌』の計4編を収録。独特の世界観で様々な生命の繋がりを描き、月刊『アフタヌーン』にて掲載の度に反響拡大中の新鋭作家、待望の初単行本!!
感想・レビュー・書評
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乏しい自分の読書経験からは、何故か高野文子を思い出した。初めて読んだからというのもあるかと思うが、この人のベクトルも、自己愛と他人との愛のギリギリを描き切ろうとしているのか、と思った。あと、独特なのが、人ならざるもの、虫や鉱物への愛情で、どうしてそういう関心が生まれたのか知りたくもある。
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話はサクサク進んで読みやすいのですが、理解が難しいです。。。でも何度も読み返すうちに慣れていき、理解できた時の嬉しいさは言葉にできません
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日下兄妹の話がとても気に入っています。この話なら子供に読み聞かせれるかと挑戦しましたがまだ少し早かったようです。市川さんの作品はどれも好きですが個人的には虫と歌がお気に入りです。
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性を介さない生殖。セックスが介在しない愛。もしかしたら人間というものが存在しない世界なのだろうか。それでも、人を思う心や切なさ、悲しみの感情はリアルである。悲しく厳しい現実から逃避し、しばしそこに漂いたくなるような愛しい世界たちが、この作品集にある。
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もしかしたら、私は博物館に来ているのかもしれない。
繊細な愛に、魅了される。
これは、見ないと損をしてしまう。 -
博物図鑑のような短編集。作者のフェチがつまっていた。良い。
万物の父と植物・昆虫系愛玩子たちの、自然の摂理を伴う交流が静かなタッチで描かれる。
基本、ラストの伏線回収がスピーディーであざやか。 -
各話、優しさを感じる面があるが、草花や虫等、小さな生物の営み、海や星それらが持つ美しさに人間が組み合わされた数々の物語に生命の儚さや脆さを感じ、胸が締め付けられるような読後感があった。
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人のまねの出来ない科学的発想と軽やかな描線、人を喰ったキャラ、そして真面目な生命の謎に対する探求である。社会性がほとんどない分、その射程は遠くまで届くだろう。