- Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063107852
作品紹介・あらすじ
面白さ絶対保証! 大人気本格高校野球漫画、待望の最新刊! 監督は女性、選
手は全員1年生。県立西浦高校の新設野球部に集まった10人の選手たちは、弱気
で卑屈な投手・三橋を中軸に、一丸となって甲子園優勝を目指す!! 試合や練
習を通じて成長していく選手たちのまばゆい姿。最新のスポーツ科学を下敷きに
描く、全く新しい野球の面白さ。丹念に描かれる青春の情動。そのどれもが日本
中から熱烈な支持を集める、今いちばん面白い青春スポーツ漫画!!
夏の高校野球選手権埼玉大会、準決勝。シニア時代、阿部とバッテリーを組んでいた投手・榛名擁する武蔵野第一と、優勝候補・ARC学園が激突! 序盤、ARCにリードを許した榛名は、自分の本気の球を捕れる秋丸を捕手に指名。本来の投球を開始する! 武蔵野の猛追は、ARCに届くのか!? 一方、チームのために全力を尽くす榛名を、スタンドから見つめる阿部……その心中は!?
感想・レビュー・書評
-
注:1巻と18巻のレビュー内容は基本同じです。最後の文が少し違うだけです。
「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」のレビューで「おお振り」ネタをばらしてしまったので、もうこれは、コミックだけどレビューを書くしかないなと思った。
「もしドラ」は「おお振り」のパクリ(つい指がすべった)、じゃなくて「おお振り」にヒントを得たのではないかというのは、すでに書いたので省略。
とにかくこの「おおきく振りかぶって」という漫画。今までにない野球漫画で面白い。
なにが面白いって、野球をスポーツ心理学の立場から捉え、それぞれの選手の個性を活かし、メントレや心理学的側面から強くして、甲子園優勝!!を目指すという発想が面白い。
実は私、高校の時は野球部だったのです。
だから野球は小さい頃から好きだった。
嫌いになったというか、それほど興味を持たなくなったのは、江川卓巨人ごり押し入団事件、いわゆる空白の一日事件で、某渡辺恒男、通称ナベツネ(まったく某じゃないっ!)氏が、こともあろうに前年大活躍した小林繁との交換トレードで、強引に江川を巨人に入団させて以来。
野球が、というよりも巨人が嫌いになりました。
それまでは、ずううううっと巨人ファンだったけど、あんな暴挙は許されるべきではなかった。
プロ野球ってこんな世界なのか……。巨人ってこんな球団なのか。と思ったら、それまでの野球熱が、せっかくレンジでチンしたのに「それは明日食べるの。だから冷蔵庫に入れといて!」と母親に怒鳴られたコンビニ弁当みたいに、一気に冷めちゃいました。
また話が脱線した。
高校野球は、未だに美化され過ぎていて、汗と涙の甲子園なんて言われるけど、結構違います。甲子園の常連校なんて、みんなスポーツ留学や推薦の選手ばかりだもの。
だいぶ前になるけれど、島根県のG高校なんか、レギュラーには地元中学の出身者は一人くらいで、他は全員大阪とか広島とか他県の中学出身者ばかり。訊けば、地元島根でも郷土の応援という雰囲気ではなく、かなりしらっとしていたらしい。
まあ、選手自身は一所懸命プレーしているから、それを責めるつもりは毛頭ないけれど。
私の場合は、そこまでの強豪校ではないというよりも弱小校だったので、いたってのんびり。
1970年代の学生運動の影響を受け、高校にも自由化の波が押し寄せた時代の象徴的な学校だったので、制服もなく髪型も自由、というかみんな長髪。
長髪が流行っても、さすがに他校の運動部員は短髪だったのに、わが校は運動部員も髪型は長髪のまま。
エースピッチャーにいたっては、野球部一番の長髪で(今のアルフィーの高見澤君ぐらいあった)野球帽の下から長い髪がだらしなく飛び出し、それをなびかせながら投げるので、対戦する学校のベンチからいつも大きな声で野次られていた。
「あんな長い髪しやがって、こいつら野球をなめてんのか!!」と思われていたことでしょう。
30年以上経った今でも、あの先輩のような髪型のピッチャーが、まかり間違って甲子園に出ようものなら、NHKのアナウンサーや解説者も眉をひそめると思うし、見ている方もあまり良い気はしないはず。
これまたかなり前になるが、同じG高校の選手が高校球児お決まりの坊主頭ではなく、かなり長めの髪で話題になったことがあったが、それと比較するのが馬鹿らしくなるほどの長髪。
汗と涙を流しながら白球を追いかける純粋な高校球児をイメージする野球ファンでなくとも、彼を見たら「ふざけた学校だ!!」と誰もが怒り狂ったでしょうね。
アルフィーの高見澤君が甲子園大会でピッチャーとして投げている姿を想像してください。
脱線どころか、列車横転事故みたいな話になってしまった。
とにかく「おおきく振りかぶって」は、精神主義的な主張がまかり通ることが多い高校野球に大きな風穴をあけた作品。
主人公のピッチャー三橋廉は、とても気が弱く、自分に全く自信がない。野球が好きというだけで、とりたてて凄いスピードボールを投げられるわけでもない。ただ、練習のおかげで、コントロールだけは人並み外れたものを持つ。そこに気づいたキャッチャー阿部君が、脳みその皺をこれでもかと使いまくって心理戦を展開し、実際の試合でも彼を素晴らしいピッチャーにしていく。
それまで軟式だったのがようやく硬式に変わったばかりで、部員は10人しかいなく、しかも全員一年生という弱小野球部。
この10人のそれぞれのキャラもまた独特で魅力的なんですね。
他の8人は、みんなどこか脛に傷持つような過去がありそうで、まだすべては明らかになっていないのだけれど、その人間模様がまた楽しい。
特に、気の弱い主人公、ピッチャーの三橋君とキャッチャー阿部君のやりとりが最高。
で、何故かこの野球部の監督は若く可愛い女性。この監督がまた謎の経歴の持ち主で、でも野球を心理学的に分析する眼は鋭い。
野球を題材にしたヒューマンドラマです。
スポ根野球漫画の金字塔「巨人の星」から野球にのめりこんだ私ですが、あれはあれで、奇才、梶原一騎の物語作りの凄さに驚嘆するのみだが、これまた全く別の切り口から野球漫画にしつらえた素晴らしい作品です。
ただ、作者のひぐちアサさん(女性なんですよね、なんと)が、休戴一年とかで、なかなかコミックの新刊が出ないのが残念(理由は産休だったようですが)。子育ては大変でしょうが、是非体調を整えてがんがん続きを書いてほしいと願うばかりです。
最新刊は18巻で昨年11月の発刊。
次の19巻はいったい何月に出るのでしょう……。はあー、と溜息が漏れます。
追記:やはり他の方のレビューでも評価高いですね。私はこれ以外の漫画のレビューを書くことはありえないけれど、19巻が出たら書きたくなるかも知れない。
というか、この漫画の面白さを日本中の人に知っていただきたいのです。 -
秋丸が榛名がすごいとか関係なしに頑張れるような人だったら
また少しちがったんだろうなとつい現実に置き換えて考えてしまった。
なんだか武蔵野に勝ってほしいなあ…
このまま西浦の話はないのかと思いきやちゃんと出てきてほっとした。
(しかしちょっと少なかった気がする)
三橋にはああいってるけど真剣な榛名を見て阿部は複雑(やきもきしてる?)だろうなと思った。
榛名が初めから秋丸と組みたかったなら阿部って何なの、ってなっちゃうしなあ、うーん。
複雑、です。
そしてなによりどこかでわたしも伸ばされた手を振り切ってしまっていないだろうかと振りかえって心痛。
榛名の言葉とか、ダメ人間にはちょっときつかった。 -
相変わらず心理描写が面白い。
榛名がいるから触発されて努力してきたメンバー達。
榛名がいたから早々に自分を諦めてしまった秋丸。
結局自分を変える事が出来るのは自分だけだ。
しかしそのきっかけを与える事は人の一つの言葉や行動だったりもする。
本当は榛名に本気で期待されていたんだと、そしていつしか見捨てられていたんだとようやく気付いた秋丸がどう出るか。
と言ってもこの作品では突然秘めた力が目覚めるような奇跡は起こらないし、もし秋丸が心境の変化を起こせたらそれだけで大きな奇跡だろう。
榛名は本当は秋丸と最強バッテリーになりたかったんだろうなあ。不器用だ。
しかし阿部の立場がなさ過ぎて不憫…
三橋は相変わらずウジウジもするけどいちいち凹まず前向きに成長してくれて(最初の頃比)安心した。 -
キャラの描き分けが困難になってきた模様。昔のギャグ漫画に出てくるような口をしたキャラが出てる(前の巻からだっけか?)
-
目次のバックになってる絵、好きだなぁ。
連載が進むたび、榛名像がどんどん変わってく・・・
最初は、阿部くん目線での榛名だったし。
今は、発展途上の剛速球投手。いかにもピッチャーという華のあるタイプってイメージ。そう、発展途上!
というか、この漫画の登場人物は、みんな発展途上! -
榛名と秋丸の気持ち悪い関係な…秋丸は榛名のカベで、榛名は秋丸のカベ
中学の時の榛名を知ってる阿部は、複雑だよね~(´;ω;`) -
普通でない才能の持ち主と幼なじみって辛いだろうに、そのカリスマ性にひっぱられながらも自分は自分でやってこれるのは凄いと思うのだよ。頑張れ凡人。
でもホントに素晴らしい漫画ですよね。
私は三橋君のあのキョドった時の猫目顔が大...
でもホントに素晴らしい漫画ですよね。
私は三橋君のあのキョドった時の猫目顔が大好きです。(笑)
ひぐちさんにはとにかく頑張ってもらってどんどん続きを書いて欲しい。
講談社も早く19巻を出して欲しいな、と。