ぼくらのよあけ(2) (アフタヌーンKC)

著者 :
  • 講談社
4.26
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本棚登録 : 352
感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063107913

作品紹介・あらすじ

西暦2038年、夏。人類が地球から宇宙を見上げている、それぐらいの未来。団地に住んでいる小学4年生の沢渡ゆうまは、間もなく地球に大接近するという“SH・・アールヴィル彗星”に夢中になっていた。そんな中、ゆうまは謎にみちたモノと出会う。どうやら地球のモノではない──しかも例の彗星とも何か関係があるっぽい! これって何!? 『ハックス!』の今井哲也が描く宇宙スケールの最新作!!


2038年、夏。小学生の沢渡ゆうまは、地球外から来た知的存在と接触する。そいつは28年前に地球に降りて、故障したまま動けなくてっていた“宇宙船”──。“彼”が地球に降りた当時の技術では、なすすべもなかったんだろう。だけど今なら、もしかしたら、なんとかなるかもしれない。“彼”を母星に帰すんだ! 技術力より情報力より、何よりぼくらの行動力で──! 太陽系に収まらない極秘ミッション、最終話まで収録!

感想・レビュー・書評

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  • この秋劇場アニメ化。キャラクターデザインが残念以外は楽しみしかない。読めば読むほどよくなるスルメコミックです。夏休みにオススメの1冊です。
    夢と、夏休みと、団地と、少年少女とかつて子どもだった大人と、宇宙と、科学と、AIと未来と現実と。好きが詰め込まれた珠玉の作品です。

  • 宇宙とAIという要素、昨今話題になりがちなシンギュラリティが加わってSFとしても楽しめた。単純なvs大人に落としこむこともなく、すべてが円満に解決されるわけでもなく、現実感のある落とし所で納得感もあった。子どもにとって大きなファクターである「嘘をつける」ということをシンギュラリティの条件として設定したのは上手かった。

  • #manga
    近未来SFジュブナイル。高度に発展した地球のAIと、外宇宙の惑星(虹の根)から飛来した地球に潜伏中の自律型宇宙船(二月の黎明号)、そして団地の子どもたちの物語。続編。

    上下巻で完結というこの短い範囲で、伏線をきちんと回収、皆のわだかまりも解決、そして見事なラストを迎えました。

    小学校高学年という、子どもたちの関係性。男子はストレートで馬鹿で周りが見えない。女子はウェットなコミュニティのしがらみに囚われ周りを見過ぎる。それぞれの持つ、思春期・成長期特有の悩み。親も大人としての責任を果たしつつ、かつては自らも、少年であり、少女であったことを忘れない。SF的要素以外にも、そんな細やかな人間関係の描写を丁寧になぞってくれているのが、また物語に深みを。

    そして本筋のAI(人工知能)の技術的特異点に就いてのテーゼ。ここでの特異点は、人工知能が嘘をつけるか否か。つまり感情を持つか、ということ。作中年より28年前に墜落する宇宙船を見逃し、その事実を報告しなかった、嘘をついた人工衛星H3のAI。その流れをくむ、オートボット(万能家事ロボット)ナナコのAI。別の技術体系にある二月の黎明号と接することにより、特異点を越えた二つのAIが下した結論は…(涙


    とにかく素晴らしかったです。
    団地に響く子供たちの歓声。通り雨に濡れた路面のホコリっぽい匂い。灼けたコンクリートに落ちた濃い夏の影。そんな幼年期の思い出がフラッシュバックする佳作でした。私も団地の子だったんですよ。
    正直、2巻で終わらず、ずーっと続いて欲しかった気もしますが、むしろコンパクトにまとめたからこその余韻もあります。本当に素晴らしかった。超おすすめできます。

    そしてそして、オートボットのナナコがとにかくもう……
    ほら、ぼくって対人恐怖症気味じゃないですか<知らねえよ。
    だからこういう健気な機械とか切ない人外物語には超弱いんですよ。
    もうね、ナナコ最高!うちにもオートボットを!特異点を越えたAIがあれば、人間なんていらんのや!


    ・今井哲也「ぼくらのよあけ(2) (アフタヌーンKC) 」読了。

  • 本当に素晴らしい。話の合間には小ネタを記述するほど細部まで練り込まれた未来を描きながらも、現在の読者たちの生活との地続き感を失わないSF。その安定感は、未来を描きながら団地を一つのメルクマールとする人間関係の様々な機微を、主人公組以外の人々や、さらには機械すら巻き込みながら描きあげていったことが根底にあるであろう。読者としてはもっと長く描いて欲しかったという点が最大の欠点として挙げたくなるほどであるが、逆にひと夏のほんの少しの時間を濃縮して描くことができた作者の力量を褒めたたえるべきである。

  • 友達になるための「ファーストコンタクト」もの。
    大人は嘘をつく。子供たちは約束を叶える。感情。しぬ。

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  • ジュブナイルSFかくあるべし、って感じ。
    裏庭には宇宙船があるべき。

    それぞれの親たちが、子供の頃のエピソードが絡んでくるのもいいな。

    ところどころ近未来的なアイテム(高性能絆創膏とか携帯電話で出席取ったらスクールモードに切り替わるとか、家庭用ロボが家電掌握してるとか)も出てきて楽しい。

  • すごい情報量とノスタルジックを感じさせる少年少女の描写がとても良かった。

  • 「宇宙 日本 阿佐ヶ谷団地」
    大傑作だ…。小学生の夏休み、団地、宇宙、約束。過去から現在、そして未来へ繋がっていくこの感じ。
    2巻完結とは思えぬ満足感。すごい。

  • 未知なるものへと遭遇したワクワク感と、それを親の立場から嗜める絡み合いがとてもよかった。彼らのなんとなくむしゃくしゃしたするという感覚がよく分かる。あと、“自律的にウソをつく人工知能”ってとても夢を感じた。
    いじめの描写は展開が陳腐というか中途半端だった気がする。

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著者プロフィール

千葉県船橋市出身。2005年「アフタヌーン」四季賞2005冬大賞を『トラベラー』で受賞してデビュー。代表作に『ハックス!』『ぼくらのよあけ』(ともに講談社)がある。2012年連載開始の『アリスと蔵六』は2017年にTVアニメ化されるヒット作に。同作品で第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞。アニメと猫が大好物。

「2023年 『アリスと蔵六(11)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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