寄生獣(10) (アフタヌーンKC)

著者 :
  • 講談社
4.15
  • (192)
  • (56)
  • (132)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 922
レビュー : 61
  • Amazon.co.jp ・マンガ (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063141078

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 人間は何故と考える生物で、完全な化け物であるパラサイトにもその『何故』を与えた作者が素敵すぎる。ものすごく綺麗にまとまってた作品。
    まぁ正直後藤との戦いの後に、あいつが最終話に来るとは思わなかった。
    ミギーかわいいよミギー。

  • 新一と「後藤」との決戦。
    ミギーを失った新一。
    完全に勝ち目ない中、どう戦うのか。

    人間も寄生虫も何かに寄り添いながら生きてきた・・・
     
    何回も読み返したくなるマンガ。

  • 90年代に『モーニング』を定期購読していたころ、たまに広告でこの作品の絵を見かけたと思う。でも読む機会は現れず、最近になってBRUTUSのマンガ特集でこの作者の『ヒストリエ』の記事があり、気にはなっていたのでようやくこちらを古本で購入。そっと読み始めてみると、その独特さに引き込まれる。調子に乗ると一晩で読了しかねないので、一度に読むのは1冊(多くても2冊)という規則を自分に課した。お楽しみを長時間持続させるためだ。最終刊だけしばらく間を置いてから読んでみた。

    感想を述べると、第一に獣の独特の形状にやられてしまった。あんな生き物の姿は創作物では見たことがない(西洋の地獄絵にはもしかしたらあるかもしれないけど)。刃物感という点では、僕は高校の美術部時代に描いた油絵作品を思い出した。それは刃物のシルエットを組み合わせて作った形を3個リピートしてモチーフとしたもので、タイトルは『METAL』と言う。ソビエト国旗テイストですな。若い頃って、とんがったものに惹かれるのだろう。ただし僕が創作したそのカタチは鈍重で直線的で、獣のしなやかな流線型とは明らかに違う。第二に物語の行方がどこに転がるか想像がつかなくて、振り回されつつも面白い。「3回完結のつもりがどんどん先に延びていった」と、あとがきで著者も書いていた。それが良い具合に転がっていった。僕も一緒に転がっていった。第三に、90年代前半感を懐かしく感じた。ファッションや髪型がどうしようもなく当時のものだ。高校のクラスメイトがこの髪型だったな~とかね。第四に、リアルタイムでこれを読まなかったことに悔しさを感じる。読んでたら、当時20代の自分はきっと刺激を受けたに違いないのに。ただしもし読んでいたら、第三の感想は無かったわけで、今更どうしようもないのだが。。。

    何とも言えない余韻を残す作品だ。今後もふいに読み返すにちがいない。『ヒストリエ』も読みたくなった。

  • 人間の体に寄生し人間を主食とする「寄生生物」達vs主人公と周囲の人間達の戦い。

    様々な問題を抱えた「人間」という存在を考え尽くす行為、そのものを表現した漫画。

    ある意味“人間代表”として孤独な戦いを続けた結果、最終的に主人公新一が到った境地、
    『他の生き物を守るのは人間自身がさびしいからだ 環境を守るのは人間自身が滅びたくないから』
    『人間の心には人間の満足があるだけなんだ でもそれでいいしそれがすべてだと思う』
    『人間の物差しを使って人間自身を蔑んでみたって意味がない』
    にものすごく納得した。

    地球や他の生物に害である「人間」を問いかけ続けながら、
    愛や勇気といった人間賛歌的な部分もしっかり表現するバランス感覚がすごい。

    作者が伝えたい思いと、物語が完全に一致している素晴らしい作品。

  • 日吉時代に古本屋で2700円(10巻セット)で購入したのを今でも覚えています。
    その後友達に長い間貸していましたが、さいきんやっと返ってきたので、徹夜で読み返しました。
    というか、「徹夜で読み返させられた」とでも言うべきでしょうか。
    中学の時に感じた、そして大学入ってから読み返した時に感じたあの興奮は全く変わらぬものでありました。
    理屈抜きで本当に面白いので、まだ読んだことのない人にはぜひ読んでほしい作品です。
    今回本当に心に残ったのは第63話の以下の文章。

    他の生き物を守るのは
    人間自身がさびしいからだ
    環境を守るのは
    人間自身が滅びたくないから
    人間の心には人間個人の満足があるだけなんだ
    でもそれでいいし
    それがすべてだと思う
    人間の物差しを使って
    人間自身を蔑んでみたって意味がない

    特に最後の部分は何か救われる感じがしました。
    (2007年09月17日)

  • 僕はこの『寄生獣』は、漫画として最も完成されている作品のひとつだと、何度読み返してもその度に思うわけです。エンターテイメントとしての恐怖系要素と社会に向けた環境問題に対する警告と人間の成長を、これほどまでにうまくまとめあげた作品が他にあるでしょうか。

    その中には人間の弱さや醜さ、命のはかなさといったメッセージも介在し、ただ事ではないです。そして、ミギーがところどころで見せる可愛さと優しさの虜です(笑)。

  • この作者は人間、て何?ていつも考えてるような漫画ばかり描いてる気がします。

  • 1995年 読了

  • ■書名

    書名:寄生獣(10)
    著者:岩明均

    ■概要

    激闘の末、後藤を倒した新一&ミギー。しかし、それと引き換えに新一はミギーを失ってしまう。
    共に助け合って来た友を失い、途方に暮れる新一。そんな中、山中で起こる惨殺事件。
    後藤はまだ生きている!?ミギーのいない今、対抗しうる手立ては無い。
    しかし新一は独り、決意を固める。
    今、最後の戦いが始まる――!ここに人類の是非を問う!!不朽のSF、堂々の完結。
    (amazon.co.jpより引用)

    ■感想

    最終巻です。
    綺麗にまとめましたね。
    流石です。

    全ての話にけりがついて、寄生生物と人間のどちらにも疑問を残し勧善懲悪の物語
    ではなく、考えさせる物語となっています。

    10巻でここまで見事に漫画で描き切るというのはやっぱりすごいです。
    面白い漫画でした。

  •  圧倒的な「後藤」に対してミギーと新一は頭脳戦を仕掛けるが、間一髪でしくじり、新一は分離したミギーをその場に残して逃げ去るしかない。宿主から分離したパラサイトは早晩死ぬしかない。
     パラサイト同士はある程度の距離に近づけば互いに相手の存在を感知する能力を持っており、それゆえに新一とミギーは「後藤」から隠れることができないのだが、ミギーを失った新一を「後藤」は探知できないのが唯一の救い。そこで新一は孤独な老婆に助けられる。

     そのあと終盤までどんでん返しの連続といってもいいだろう。ミギーの力を失った新一には到底「後藤」に勝てる力はないのだが……。
     前巻で人類こそが寄生獣だという指摘を受けて、「後藤」を大自然の象徴と位置づけることによって、新一の勝機が見えてくるのである。そしてもっとも危険な敵は人間ということになる。それゆえ物語は何気ない日常の中に収束していくのだが。

     評者は繰り返し、永井豪『デビルマン』と対照してきたが、『デビルマン』では物語はハルマゲドンにまで膨張し、そして最後に不動明=デビルマンと飛鳥了=サタンとの静謐な対話が大戦とのコントラストの中に絶美を生む。『寄生獣』では日常の回帰の中に生ずる非日常のヒアトゥスが日常のかけがえのなさを浮き立たせる。ネガとポジみたいではあるが、作家の資質を超えて何か通底するものはあるような気がする、読後感の深さ。

全61件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1960年東京都生まれ。
1985年『ゴミの海』が「モーニングオープン増刊」に掲載され、デビュー。1993年「アフタヌーン」に連載の『寄生獣』で第17回講談社漫画賞受賞。代表作に『寄生獣』『七夕の国』『ヘウレーカ』等がある。
現在は「アフタヌーン」に『ヒストリエ』を連載中。同作は第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、第16回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞。

「2020年 『寄生獣リバーシ(4)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

岩明均の作品

寄生獣(10) (アフタヌーンKC)を本棚に登録しているひと

ツイートする