プラネテス(4) (モーニング KC)

著者 :
  • 講談社
4.02
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本棚登録 : 2525
感想 : 155
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063289374

作品紹介・あらすじ

2070年代、人間は地球圏を月面にまでようやく押し広げていた。
夢とエゴに満ちた航宙士志望の青年・星野八郎太(通称ハチマキ)の成長を軸に描く、「惑う人々(プラネテス)」たちの物語。「SF」を一段階進めた大傑作。
2002年度星雲賞コミック部門受賞。2003年にはNHKでアニメ放送開始。そのアニメも2005年度星雲賞メディア部門受賞。同賞の原作・アニメのW受賞は『風の谷のナウシカ』以来だと評判になった。


ハチマキが去ったあと、密度を増すばかりのデブリに疲弊を極める回収船のスタッフたち。彼らの与り知らぬ場所で、宇宙初の本格機雷戦が始まろうとしていた。往還船開発計画責任者ウェルナー・ロックスミス。計画の成功とひきかえに、多くの恨みを背負った。恩師に救いを求めに行った彼は、カーラジオからの声に耳をそばだてる。ーーオレ……僕は木星往還船フォン・ブラウン号乗組員、星野八郎太です。いま、木星にいます……

感想・レビュー・書評

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  • 宇宙は自分であり世界は自分である。宇宙をよくする仕事、それはとりもなおさず自分をよくする仕事なんだろうな。自分のために、自分を支えてくれる人のために働く。広大な無の中で、生きることすら無なんだけど、それでも生きているなら、色々な愛を信じてその方向に向かっていきたい。

  • ••••••
    気安く愛を
    口にするんじゃ
    ねェ

    「What a Wonderful World」大好きです。

    ———
    日本書紀に出てくる「宇宙」は〝世界〟を意味してますが、明治に〝地球の外側〟となりました。具体的にはオーロラの出るあたり(カーマン・ライン)から上ですね。
    英語に対する訳語として必要だったようですが、作中にたびたび出てくる「宇宙=世界」という認識は、物事の見方を変えてくれます。ちょっと味気ないですけどね。

    ロックスミスさんが好きです。
    「宇宙に行く為なら悪魔に魂を売り渡してもよいと思った」
    と語ったフォン・ブラウンがモデルのようですが、
    〝惑う人々(πλάνητες)〟のなかで唯一、惑ってない人。
    でも、ハチマキもタナベもフィーもユーリも、みんな惑い惑って惑った挙句、みんな惑わなくなるんですよね。

    木星に着いたハチマキの語ったことが、銀河連邦に加盟する条件かもしんない。
    「さよならジュピター!!」じゃないよ笑

  • 久々に読むとやっぱり面白い。特にこの巻のフィーの話についてはなんども思い返すことがある。ただ、なんども読むには話が少し重い。気分が沈んでいて、荒んでしまっているときに読むと、元気をもらえる。自分の中にある反抗心とか、納得の行かない気持ちとか、単純に怒りとかムカつきとかいう負のエネルギーのようなものが生きる活力に変えられる。こういうものを糧にしてやる気が湧き上がることもある。むしろ、それを無視しようとして、うまくやり過ごそうとするから、疲れてしまうんだろう。抗うしか道はなく、抗わなければ自分は死んでいるのと同じだということを覚えて置かなければならない。

  • クライマックスの感動はもちろんなのだけど、サイドエピソードとして書かれるフィー姉さんの話が本当に素晴らしい。社会から爪弾きにされた叔父の存在を忘れられず、非常時の世界の中でも懸命に反抗を続けるその姿は最高に痺れる。彼女の叔父が残した「オレと この世界と 狂ってるのはどっちだ?」という言葉は今も自分に抜けずに刺さったままでいる。世界や内面の矛盾や葛藤を描きながらも、それらを全て包み込む最後は本当に美しい。反抗すること、愛すること、気安く愛を語らないこと、宇宙はその全てを肯定する。明日を向こう。未来を向こう。

  • いよいよ最終巻。最終回も大事ですが、この巻の半分を占めるフィーの話も心に残ります。大人って難しいね。でも前に進む勇気がもらえる作品です。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      科学が進歩しても、人の心の持ちようは変わらない。変わって欲しくない。この「プラネテス」は名作ですね。。
      科学が進歩しても、人の心の持ちようは変わらない。変わって欲しくない。この「プラネテス」は名作ですね。。
      2014/06/16
  • ヒーローがいるわけでも劇的なストーリーがあるわけでもないんだけど、ただ淡々と人間の話を描いたアツい漫画だと思う。価値観が変わるくらいの熱量はある。3巻の作者コメントがすごく好きです。

    • yosshi0743さん
      4巻で終わるのもナイス。キレイな話だ。
      4巻で終わるのもナイス。キレイな話だ。
      2024/01/29
  • ページをめくったときに
    朝日を感じる
    いつも見ているし
    何度も見ているのに
    初めて見たかのように
    新しく生まれ落ちたかのように
    こんな綺麗なものだったかのように
    朝日を感じる
    セリフは一言でいい
    私も同じ一言でいい
    きれいだなぁってね
    何があったって
    自分の中でそれが処理しきれないことがあったって
    日は必ず昇ってくるのだから

  • 御存じの方も多いと思うが宇宙のゴミ拾い(スペースデブリ回収)をしながら航宙士を志望する青年の成長を軸とした群像劇を描く近未来SFコミック。
    アニメ化もされたがコミックでは別の展開となっているがどちらも面白いので是非原作も読んでほしい。コミックの方がより哲学的で深いか
    もしれない。

  • 何の話だったのかちょっと分からなくなるくらいにブレている感。
    フィーとその家族と犬のエピソードの比重が高い。
    リーゼントの自称宇宙人の話は正直いらなかった。
    改めてアニメのまとまりの良さを感じる。
    原作を先に読んでおくべきだったかな。

  • 10年ぶりに読了。傑作だと思う。たった4巻だけど本当に濃厚に話が詰まっている。ヴィンランドサガにもテーマ的な繋がりがある。教科書に載せてもいいレベルの作品。

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著者プロフィール

1976年5月4日生まれ。神奈川県横浜市出身。血液型B型。
「モーニング」掲載の『プラネテス』でデビュー。現在は「アフタヌーン」にて『ヴィンランド・サガ』連載中。
2002年、第33回星雲賞コミック部門賞受賞。
座右の銘:「あ、一瞬待ってください、じゃ半日でもいいです」


「2023年 『ヴィンランド・サガ(27)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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