寄生獣(完全版)(8)<完> (KCデラックス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063347340

感想・レビュー・書評

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  • リアルタイムで読んだのは高校時代だったので、いやもう久々に読み返したのですが、、、いやもう、相変わらずの途轍もない面白さで、ビビりました。

    1990年に、連載開始?なんですね。今、2020年だから、ちょうど30年前?くう。ビビる。30年前に読んでも抜群に面白かったのに、30年後に読んでも抜群に面白いって。どういうこと?

    寄生獣が、全くもって歴史の流れで風化しない良さを持ちまくっている、のだろうし、俺自身が、30年間で、全く成長してないってことか?ってのもあるだろうし、うむう。色々辛い。とか思いましたが、まあ、とにかく、寄生獣、マジ凄い。

    ちょっと、漫画という表現方法の中での、なんらかのマイルストーン的な作品じゃねえの?とまで思ったりもしました。多分、多分ですが、、、ロックンロールミュージックという分野で、ビートルズが、1000年後も聴き続けられているだろう感じで、この寄生獣も、1000年後も、読み続けられてるんだろうなあ、ってくらい、思った。まあ、うん。まあ、突き抜けてますね。ちょっと。

    なにがどう凄いかってえのは、とても言い表せないので、とりあえず、読んでください、としか、、、言いようが、、、ない。もう、凄いから。この本をまだ読んだことが無い人は、幸せだなあ、って思うな、ってことくらいでしょうか。だってまだ、こんな楽しみが、あなたの人生には残っている。「寄生獣」という作品を読む楽しみが、って感じ?ですかね?

    以下、なんとはなしに、全巻読み終えた感想を、ホンマになんとはなしに、つらつらと、、、

    完全版4巻で、加奈が、殺されてしまう展開。アレは、この2020年現在、携帯電話、というかスマホ、が一人一台があたりまえになっているこのご時世では、まあ、ああはならない展開ですよね。ああ、この作品は、30年前の作品なのだな、ということを、シミジミと、、、感じ入るのです。誰かと連絡を取ろうと思ったら、自宅電話と公衆電話でやりとりするのが、当然だった時代。なんとこう、人類は、遠くへ来たのか、、、とね、ちょっと、愕然としますね。スマホ、恐るべし、ですよ。世の中、どこまで進歩するんだ?それは良い事なのか?謎だ。謎ですね。

    広川剛志が、人間だった、というのは、完全に忘れていた設定だったので、ビビりました。かつて読んでいた作品でも、30年も経つと、すっかり忘れるのか、、、という悲しさ、みたいなのも、あり。というか、広川がパラサイトではなく人間だった、という設定は、マジ上手い。こんなにも見事に、「アッと驚く」設定を、見事に取り込むの、凄いな。って驚愕。ちょっと、この設定は、全く予想してませんでした。上手すぎる。広川の選挙演説の時に、ミギーが「あの選挙カーの上にいる奴らは6人とも全部パラサイト」って言うやないですか。アレって、「後藤」が、選挙カーの上にいたから、ってことですよね。それで、上手い事、数を、ぼかせたわけですよね。凄い。上手い。上手すぎるよ。

    物語の最終盤、新一の夢の中にミギーがでてきて、私は眠りにつくよ、と、別れを言う場面、あるやないですか。あっこが、凄く、深いなあ、って思うんですよね。「ミギー」視点で見た世界のありようと、「新一」視点からの世界のありようは、見え方が、全く違う、というあの視点、というか観点、というか、世のありよう。「自分にとってこう見える世界」というのは、他の生物にとっては、「全く違う見え方をしている」かもしれない、という視点。アレはもう、凄い。

    でも、自分は、徹頭徹尾、死ぬまで、「自分の視点」でしか、世界を把握できませんよね?もし。もし、自分の意志が、自分の肉体を抜け出して、別の存在の中に入りこんだら、、、?そこから見ることのできる世界は、どんなものなのか、、、?

    という事を、想像させて貰えた、この作品。ホンマに凄いな。人類以外の知的生命体に出会ったら、まず、この作品を薦めたいですね。「これが人類の名作です」って。あとは、マイケル・ジャクソンのダンスと歌を薦めたいですね。「コレが人類の究極の凄さの一つです」って。なんの話やねん。ああ、早く、異星人とコミュニケーションしたいものです。

    まあ、とにかく、寄生獣。30年ぶりに読み返しても、その凄さ素晴らしさは、一切変わっていなかった。凄い事ですよこれは。まあ、生きてる間に、この作品を読み返すことができて、幸せでした。死ぬまでに、あと何回かは、読み返したいですね。

  • これは絶対読むべき!生き延びるとは?人間とは?をド直球で。

  • 肉体が散乱するので最初は気持ち悪かったですけど、シンイチだけでなく寄生獣の心理や成長をリアルに描いてるので、ぐいぐい引き込まれます。
    生き物の初源的な生態を冷淡残酷に描いてるので、生きることと死ぬことを強烈に感じさせられます。その残酷な背景の中で、人間の複雑な気持ちを描いているので、愛や友情というものをグッと際立たせているからすごい。
    現代の多忙な日常の中でほとんど感じる機会がないんじゃないかと思うような感情、人間の一番大事で原始的で熱い感情を、とても純粋に強烈に感じることができるからすごい。
    表層的な心理描写だけじゃなくて、無意識的な深いところの心理も描いてるからすごい。夢の中でミギーと話すシーン、野生化していくシンイチの無意識の心理、田村の心理の複雑化、これ全部すごい。

  • 10巻前後で収まっている漫画作品というのは、作品として読み応えがある上にメッセージが深い。そもそも人間以外の知的生命体の視点から人間を考えるという発想が面白い。そして読者もその視点を得ることで、人間とはなんなのかを考える。そして行き着く答えが人間は地球の寄生獣なのではなく、個々人でみなばらばらだというところがまた面白い。哲学的で何度も読む価値のある不屈の名作。この作品は哲学的な問いだけでなくメッセージも発しており、そのメッセージは手塚治虫の影響を強く受けているように感じた。

  • タイトル「寄生」の真の意味について考えさせられる。ハッピーエンドのようでそうでもない感じがとても良い。

  • うまいよねえ。最後がまさかあの人で終わると思わないじゃん。お話を作るのが上手な漫画家さんは好き。絵が好みじゃなくても読みたいと思わせてくれる。

  • 久しぶりに再読。ミギーかわいい…と、定番の、異次元キャラとのお別れ涙場面にまんまとやられてる。

  • 何事も
    臨機応変
    美津代さん
    サラダ婆に
    若干似てる

  • <KISEIJU>
      
    COVER DESIGN / HIDEAKI SHIMADA[L.S.D.]

  • 思い出したように読み返した作品でした。
    こういう気分になるときは、完全版が出てくれていて助かります。
    当初は普通の単行本しかありませんでした。

    流行り廃りではなく、今にも生きる普遍のテーマ。
    もしこの物語を、別な視点から眺めたらどんな気持ちになったんでしょうか?
    そんなことを想像するもの面白いです。
    彼らがいなくなったわけではなく、彼らが今もそばにいるとしたら?

    本編と同じくらい、
    作者と読者の質疑のやりとりが面白かったです。
    一瞬自分の考え方から離れているような気持ちにもなりますが、
    この質疑応答が本編の物語の合間に挟んでくれたおかげで、
    さらに面白くなったような気がします。

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著者プロフィール

1960年7月28日生まれ。東京都出身。1985年、ちばてつや賞入選作品『ゴミの海』が「モーニングオープン増刊」に掲載され、デビュー。『寄生獣』で第17回講談社漫画賞(1993年)、第27回星雲賞コミック部門(1996年)受賞。2003年より「アフタヌーン」にて『ヒストリエ』の連載中。

「2004年 『雪の峠・剣の舞』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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