- Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063368543
感想・レビュー・書評
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悪に駆り立てるのは死への恐怖
この恐怖に対峙し続けること
生きる意味などなくあるのは生きる意志
ニーチェ的
広げた物語は回収しきれない感あり詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
全10巻
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絶望に次ぐ絶望だった。東京生まれの少年少女らが自宅に戻って家族の安否を確かめるまで、恐怖を感じなくなる竜頭という謎の手術、そして差し迫る世界の終わり。出入り口が土砂で塞がれたトンネル、謎の信仰団体がいる病院、退廃的なショッピングセンターに暗澹たる息苦しさが常にあった。ソリッドシチュエーションとサバイバルものの愛称のよさを青年誌で引き出したことに天変地異を扱ったパニックものの原点を見た。キャラクターとしては恐怖と共存するために身体中に自ら斑点を描いたノブオが強烈。
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え、終わり?て感想。伝えたいことは何となくわかるけど、この現象の原因が何なのか曖昧だし、そもそも生き残れるのかどうかも疑わしい。
あと、諸外国で交わされたらしき極秘文書の内容がやや稚拙な気が。今まで引っ張ってきただけにかなり重要な部分だと思うけど、その内容や文言の完成度が低いように感じる。勿体ないなー。 -
すごい迫力でグイグイと引っ張っていく展開はとにかくすごかった。まさに「蝿の王」。傷頭がでてきたことでもう少し精神的というか宗教的というかそちらへ展開するかとも思ったのだがそうでもなかったのがちょっと残念。恐怖は外的要因ではなく人間の内部からわき上がってくる現象というのはよかったけれど。最後はちょっとあっけなさ過ぎた。ちょっと無理矢理に終わらせたという感じがしないでもない。ああいう形で国家というものが出てきたのでそこまできちんと描いてほしかった。
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以下、メモ書き
●恐怖=人間の内部にあるもの。「テロリストと思えばそうなんだよ」心の中にある恐怖が連鎖して大きな恐怖となりそれが人間達とか、国家とかにまで敷衍してしまう。
●カタストロフの描写、変わり果てた世界の描き方すごい。
●改めて読むとそれほど尻切れでもない? 仁村と別れてどこかに行かなければいけなかったとしたら「彼らを助けなきゃ」となるだろうし。
●しかし含みがあるのがアコの病気(?)。ストレスから眠くなる。それと木花咲耶姫命。鳥居だけでなく地下鉄の先に迷い込んだときにも壁に書かれていた。
●竜頭、竜脈、北斎、海馬2つ……うーん。
●イメージが世界を規定する。悪いことも良いことも。悪いこと=恐怖、良いこと=新しい世界。
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20100318追記
木花咲耶姫命について
↓wikiより
火中出産の説話から火の神とされ、火山である富士山に祀られるようになった。ただし、富士山本宮浅間大社の社伝では、コノハナノサクヤビメは水の神であり、噴火を鎮めるために富士山に祀られたとしている。また、この説話から妻の守護神、安産の神、子育ての神とされている。 さらに、ホオリらが産まれた時にオオヤマツミが狭名田の茂穂をもって、今日の甘酒とされる天舐酒(アマノタムケザケ)を造ったとの説話があることから、オオヤマツミはサカトケノカミ(酒解神)、コノハナノサクヤビメはサカトケコノカミ(酒解子神)と呼ばれて、酒造の神ともされる。
父のオオヤマツミは各地の山を統括する神で、その父から日本一の秀峰富士山を譲られ、この山に鎮座して東日本一帯を守護することになった。
富士山の祭神として富士山本宮浅間大社(静岡県富士宮市)のほか、全国の浅間神社に祀られている。また、安産や子育ての神として子安神社(皇大神宮所管社、東京都八王子市など)に、酒解子神として梅宮大社(京都府右京区)にも祀られている。 -
ラスト以外は圧倒的だった。
特に初期の絶望感は素晴らしい。途中でヘリが出てきた辺りからご都合主義っぽくなったのが読んでる時は残念だったけど読み終えた後には、ちゃんとこのボリュームで終わらせるなら必要だったのだと思う。
ノブオは最後の最後までインパクトあり過ぎた。
そしてほぼ伏線回収せず。 -
こういうオチか……うーん。面白い説がいろいろ出てきたけど、それにしてももう少しテル君とアコちゃんの未来を見たかったかも。
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最後結局モヤモヤするけれども、
変に凝った設定にするよりは良かったかも。 -
人間の恐怖心を描いた作品。講談社漫画賞と手塚治虫文化賞 マンガ優秀賞を受賞してるだけある。構成力とかテーマとかとにかくすごかった。小説だったら直木賞受賞してそうだし、欧米だったらカフカやカミュみたいな位置に置かれる作品だと思った。
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「そうだ 世の中はどのようにでも存在することができる。
そうだ 僕らも……想像できるはずだ。
未来を……。」