天上の虹(23)<完> (KC KISS)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 93
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063409499

作品紹介・あらすじ

大宝律令が施行され、日本が統一国家として歩き始めた702年。
父・天智天皇と、夫・天武天皇の遺志を継ぎ国づくりに命を捧げた持統天皇がついに 、その生涯の幕を閉じる――。
統一国家の形成と安定を信念とした女帝の最期とは!?
歴史の真実に迫った万葉大河ロマン、完結!

大宝律令が施行され、日本が統一国家として歩き始めた702年。父・天智天皇と、夫・天武天皇の遺志を継ぎ国づくりに命を捧げた持統天皇がついに 、その生涯の幕を閉じる――。統一国家の形成と安定を信念とした女帝の最期とは!?歴史の真実に迫った万葉大河ロマン、完結!

感想・レビュー・書評

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  • 30年越しの完結。里中先生、本当にお疲れさまでした。
    讃良さまの強い信念が、共感とかそんなものぶっちぎって周りや読者を納得させるところがすごい。
    悪いイメージの強い持統天皇を、いろんな面から説得力のある人物に描き上げたすごい作品だった。

    崩御のシーンが、少し悔いを残しつつあっけないのは、信念のためとはいえ多大な犠牲を出してきたことに対する応報なのかな。
    まあ、大きな虹がかかって「私はやったわよ!」みたいなラストよりは、真実味があっていいのかも。

  • やっとこさ完結!
    讃良さんの死や、古事記と日本書紀の関係など、里中解釈がそれなりに形になっていたようには思いました。
    人間関係もそれなりに解決してるってことかな…。

    描きおろしになってから間延びした感じや説教臭くなった感じはあるけれど、古代日本史をこれだけ調べて描いたまんがは他にはないので、偉業を成し遂げられたのだな…と思いました。

    この作品をきっかけに古代史に興味を持つ人はこれからもいると思うし、この作品で複雑な家系図をかを覚えられる人もいると思う。
    里中先生、お疲れさまでした~。

  • 持統天皇物語完結!
    この漫画を描くのに30年!?
    超大作すぎる。。。

    完成後、まだ4年。このタイミングで読めたことに感謝。
    (中古で3年前ぐらいにまとめ買いしたのはスゴイタイミングだったか。。。)ちょっと長すぎるけどね。。。

    身分制度と女性の想い、よく分かりました。


    p.s.
    おっさんが夜な夜な通勤電車で少女マンガタッチの本を読んでるのを見た人は怖かったでしょう。。。

  • 「天上の虹(23)<完>」里中満智子著、講談社、2015.03.13
    204p ¥572 C9979 (2017.10.22読了)(2015.11.25購入)(2015.11.05/5刷)
    律令制実施の前に、度量衡を統一するための標準器が各地に配られています。
    ものさし、枡、おもりです。
    全国同じ基準で治めるには、不可欠のことですが、やらされる方は、今まで普通にやってきたことを変えないといけないので、不満があふれることになります。
    令を施行する前に讃良は、壬申の戦いの際力を尽くした地域への行幸を行います。
    史書の編纂事業は、検討の結果、記録を中心とした『日本紀』と各氏族の言い伝えをまとめた『古事記』の二本立てとすることになった。

    【目次】
    第65章 日食
    第66章 大宝律令
    最終章  太白(金星)

    ☆関連図書(既読)
    「天上の虹(01)」里中満智子著、講談社、1984.09.14
    「天上の虹(02)」里中満智子著、講談社、1985.05.14
    「天上の虹(03)」里中満智子著、講談社、1986.01.14
    「天上の虹(04)」里中満智子著、講談社、1986.11.14
    「天上の虹(05)」里中満智子著、講談社、1987.07.13
    「天上の虹(06)」里中満智子著、講談社、1988.03.12
    「天上の虹(07)」里中満智子著、講談社、1988.12.13
    「天上の虹(08)」里中満智子著、講談社、1989.10.13
    「天上の虹(09)」里中満智子著、講談社、1990.09.13
    「天上の虹(10)」里中満智子著、講談社、1991.05.13
    「天上の虹(11)」里中満智子著、講談社、1992.02.13
    「天上の虹(12)」里中満智子著、講談社、1992.11.13
    「天上の虹(13)」里中満智子著、講談社、1993.08.10
    「天上の虹(14)」里中満智子著、講談社、1994.07.13
    「天上の虹(15)」里中満智子著、講談社、1995.04.13
    「天上の虹(16)」里中満智子著、講談社、1997.08.07
    「天上の虹(17)」里中満智子著、講談社、1999.06.11
    「天上の虹(18)」里中満智子著、講談社、2002.01.11
    「天上の虹(19)」里中満智子著、講談社、2003.01.10
    「天上の虹(20)」里中満智子著、講談社、2007.02.13
    「天上の虹(21)」里中満智子著、講談社、2009.12.11
    「天上の虹(22)」里中満智子著、講談社、2013.08.23
    (2017年10月23日・記)
    (表紙の袖より) STORY
    大宝律令の施行を控え、悲願の国家統一が進められる一方で地方の不満が爆発する。同じ頃、日食が発生。不吉な現象に民の動揺は抑えきれなかった。国家の安定のため、讃良は最後の行幸に出るが……。
    (表紙裏より)
    大宝律令が施行され、日本が統一国家として歩き始めた702年。父・天智天皇と夫・天武天皇の遺志を継ぎ、国づくりに命をささげた持統天皇。その波瀾に満ちた生涯が幕を閉じる――。歴史の真実に迫った万葉ロマン、完結!

  • 23巻完結。日食、大量律令、太白(金星)
    中大兄皇子の娘である鸕野讃良皇女、のちの女帝・持統天皇の生涯を描いた長編漫画。史実に沿った展開で、どの巻も緊張感を持って読み進められます。

    家の繁栄には家同士の結び付きが絶対である時代に、男も女も時の権力と立場に翻弄されていきます。国の栄枯盛衰の舞台裏には、いつの時代にも変わらない人の心と、“自分らしさ”が許されない苦しさが垣間見えます。様々な立場や感情から生まれた繊細で美しい万葉集の歌が折々に添えられ、登場人物たちに想いを寄せながら夢中になって読みました。

    幼い頃から父の政治的手腕に疑問を抱き、女性ながら類まれな才腕を生かし夫や息子を支え、国の行く末を気がかりに志半ばにしてこの世を去った讃良。
    大海人皇子の妻でありながら「戦友」として右腕を担いながらも、女性として他の妻に嫉妬を燃やす。人間らしい心を持ちつつ、前を向いて生きる彼女はどの年代を切り取っても魅力があり、日頃ふと忘れがちな考えや大事にするべき心情をずばりと言い当てるような印象的な言葉も多数出てきます。
    はるか昔の遠い時代を、ここまで生き生きと描いた著者はお見事。歴史に先人達に敬意を払いながら、今後も繰り返し読みたくなる名作です。
    (30年以上に渡り連載が続いたこの作品を、完結を迎えてから一気読みできた私は幸せかもしれません…)

  • ■2015.07 購入
    ■2017.04 再読

  • 【2015/6/17】
    紹介者:米山ともみ
    レビュー:米山(主催)

    日本史に出てくる持統天皇の漫画!
    持統天皇は天皇の中でも数少ない女性天皇。

    壮絶な人生とも言われている彼女の生きた世界を漫画にしたのがこのシリーズだが、なんと、最終巻まで30年ほどかかっているという!!
    歴史的な解釈がさまざまあるため、読者からの感想などの裏話も載っている。
    歴史好きの方にもぜひ!

  • ついに完結。これだけの作品を、きっちり終わらせるところがさすがは大御所の里中先生…。
    明日したいことを思いついたときに迎えた、さらら様の最期。彼女らしい前向きさを感じる一方で、「女として愛されたい」「母として子に活躍してほしい」「人として優しく生きたい」という私的な望みがひとつも叶わなかった切なさも感じました。彼女の言っていたことが彼女の思い描くのとは違う形で叶った、あの遺骨の行方の話も含めて、余韻のある、感慨深いラストだったと思います。
    この作品に子どものころから触れていたことで、歴史上の人物や出来事を考えるときに、情報の羅列を追うではなく、自分の頭と心で「なぜ?」と寄り添っていくことを憶えました。先生も何度か書かれていた、「専門家ではないゆえの自由」をわずかではありますが、でも自分の心と頭を豊かにする自由として手に入れた気がします。長期の連載、おつかれさまでした。

  • 30年越しで遂に完結!
    終わって寂しいような安心したような・・・
    とにかくきちんと完結させたくれた
    里中先生に感謝!

    讃良の最期の表現はこれでいいと思います。
    最期まで前向きに、しかし全ての願いは叶わず。



    附記:そうか讃良の骨は無くなってるのか・・・
    あとがき:確かに額田王の続きとかは蛇足。謎の存在でよい。

    とりあえず「女帝の手記」読み返そう♪

  • 大作ここに完了。お疲れ様でした。

  • ついに完結…!
    持統天皇物語、終わりました。
    新田部と氷高の話がここまで続いてくるとは思ってなかった。

    久々に「長屋王残照記」と「女帝の手記」を読みたくなったし、全巻読み直したい。

    フィクションではあるけれど、古代史のとっかかりには本当に良い作品です。

  • 30年ですか・・・感慨深いものがあります。
    里中先生が講演にみえて一緒に写真を撮っていただいたのは10年近く前になります。

    1巻は讃良が産まれたシーンから始まり、最終巻はほんとに讃良が死んで終わったんですね・・・
    讃良の人生にも感銘を受けるし、氷高が成長してからこのふたりの会話が考えさせられることが多くていちいちなるほどなあ、と思って読みました。

    女は強くあるべきなのか、讃良以外の人物、特に女性陣のひとりひとりの生き方に色々な思いがありました。

    私の人生なんかつまらないものだなあ、って思っちゃうけど、平凡でありがたかったのかもとも言えますねえ。

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著者プロフィール

マンガ家。第1回東アジアMANGAサミット事務局長。1948年大阪府生まれ。16歳のとき「ピアの肖像」で第1回講談社新人漫画賞受賞をし、プロのマンガ家生活に入る。その後数々のヒット作を生み出し現在に至る。主な作品に「アリエスの乙女たち」「あすなろ坂」「鶴亀ワルツ」他多数。「あした輝く」「姫が行く!」で1974年講談社出版文化賞受賞。「狩人の星座」で1982年講談社漫画賞を受賞。マンガジャパン事務局長。(社)日本漫画家協会常務理事。大阪芸術大学芸術学部文芸科教授。文化庁文化審議会著作権分科会委員などを歴任。

「2005年 『アジアMANGAサミット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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