- Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063523560
感想・レビュー・書評
-
ある小学校のクラスで「宗教」が立ち上がっていく様を描いた物語。「ストロボライト」の青山景による最新作。
「この人には『書きたいこと』があるのできっといずれ面白い漫画を書く」というカンのみで「SWWEEET」からすべての単行本を読み続けてきたのだけれど、ここへきてとうとう爆発してくれたかという感じ。
絵柄も前作よりずっとこなれており、漫画としての構成も前作までよりぐっと良くなっている。キャラクターもしっかり書き分けられていてなおかつ立っているし、テーマである「宗教」も「教室=社会の比喩」とがっちり結びつけて描かれようとしている(今のところ)。
しいて難を言えば、宗教の先導役が小学生というところにいまいちリアリティを感じられない。今後の展開がわからないのでなんとも言えないのだが、この役は教師にやらせてもよかったのではないか。
いずれにせよ久々のヒットで続刊を読むのが楽しみ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
青山景の新作。
宗教と来たか。 -
主人公はニート上がりの新米女教師・湯島。
ドジで頼りなくいかにクラスを上手く運営していくかに重点を置いた言動をするが空回りしがちな彼女は、教え子・伊勢崎大介との出会いによって彼のとある野望に加担することに。
「センセイ オレはね
自前の神が欲しいんですよ」
彼が教祖として狙いをつけたのは無口で独特な存在感もつ森。
伊勢崎の綿密な計画と心理操作の元、クラスで孤立していた森は教祖としての第一歩を踏み出すが……
新興宗教が出来るまでの過程をとある小学校の一クラスをスタディケースに置き換え追っていく実験的試みが憎い。
なんといっても腹黒ショタ伊勢崎の存在感に注目。
森に教祖としてのカリスマ性を付与する為虎視眈々と策略を練り、担任までも脅して演出を行い、人を思惑通り動かす為なら狂言すらも辞さない確信犯。
すごい怖い腹黒いと三拍子そろってます。おまけに美少年。
彼が自前の神を欲する理由は一巻ではまだ明らかになりませんが、その頭の回転力と行動力をもってしてゆっくりと着実に目的へと近付いていく姿には戦慄を禁じ得ない。
教祖の凄さを引き立てる脇役に徹しながら実は彼こそ全ての計画の中心、欠く事できないブレインであるという設定が味噌。
今後彼等がどうやって信者を増やしていくかに期待が高まる。
クラス内の微妙な力の均衡や人間関係も面白い。
リーダー的生徒、それにおもねる生徒、孤立気味の生徒……その中でも特に新興宗教に否定的な生徒たちをどうやって「落としていく」のか、手強い敵を攻略していくゲームのような楽しみがある。
伊勢崎の行動に振り回されがちな湯島にしても、保身からではなく純粋な良心から疎外される生徒を心配したりと根は善人に描かれているので、てんてこ舞いぶりを微笑ましく見守っていられる。 -
続きが読みたかった。作者が亡くなってしまって本当に残念。
-
読了。小学生×宗教の組み合わせ。小学校における教師-小学生の関係は、以降の人生に比べてもある程度特異な関係と言えるから、意外とマッチするかもしれない。小学生の言動が歳相応でないという点はありますが。黙示録といえば、地獄の黙示録におけるカーツ大佐の王国が想起されるので、その辺を踏まえたタイトルなのかと邪推してみる。
-
気になっていた作家のマンガだったので読みました。
宗教をテーマにしたものということです。宗教と、小学校でのリアル(こどもの無邪気さ、一方的な思い込み、あきらめ、教師の苦労、ひずみ)がうまい具合に絡めながら話がすすめられていました。
2巻途中で作品が終わってしまったことは確かに残念ですが、この作家が描こうとしていたことは割とはっきりしていたと思いました。 -
なんだろう…ほんとうにすごく面白いテーマで描かれた作品なのですが、もうすこし上手く話しの展開をかけていたのなら、描きようによっては、本気でこれはデスノート並みに面白い位置づけの作品になれたのではないかとおもいます。そのくらい、取り扱っている内容が素晴らしいのです。ただ、ちょこちょこ男性うけを狙ったシーンがあるのが個人的には滅点でした。
神童って憧れますよね…。
二巻まで読了済みです。読むまえから、作者さんがお亡くなりになっていて永遠に続きがでないことを知っていたので、多少迷ったのですが、おもしろかったので読んで正解でした^^ -
青山景が死んでから読んだのが悔やまれる。
生きてるうちに読んだからって何かが変わるわけではないけど。
カリスマの作り方というのは、私も非常に興味があるテーマだったし、宗教をテーマにするのはある程度勇気がいることだしね。
ところで、12月22日に第2巻が出るそうで。
ここで完結してほしいなー。 -
クラスに宗教を作る漫画。個人的に宗教論が好きなので楽しめた。惜しむらくは作者様が亡くなってしまったため続刊が出ないという点。悲しい。
-
ちょうど今オウムとか話題になってるけど、宗教=悪ではないよな。
でも多かれ少なかれ詐欺に繋がるようなものがある気がして、そもそも宗教的な奇跡ってのが日本人には合わないんだろうね。
自然の起こす奇跡なら受け入れられても、人の起こす奇跡は忌避するみたいなのが島国根性としてあるんだろうな。
身近に宗教が現れるとどうなってしまうのかとかそういうことを思った。
続きけっこう気になるからもう読めないのは残念だな。