大阪府警暴力団担当刑事――「祝井十吾」の事件簿

著者 :
  • 講談社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063528374

作品紹介・あらすじ

強面刑事たちが記録し続けた芸能界、格闘技界、財界の闇社会との接点。そのすべてを白日の下に晒すノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  •  ノンフィクション作家の著者が、大阪府警捜査四課の「マル暴」刑事たちへの取材の蓄積を一冊にまとめた本。「祝井十吾」とは、複数の実在の刑事たちをミックスして作り上げた架空の人格。名前は「祝十郎」(月光仮面の正体である探偵)のもじりだろう。

     森功の本は、『許永中 日本の闇を背負い続けた男』を読んだことがある。これはなかなか読み応えのある重厚なノンフィクションであったが、本書は一転してかなり軽いタッチで書かれている。ちょっと「やっつけ仕事」のような印象を受ける部分もある。文章も粗いし……。

     森は元々『週刊新潮』の編集部にいたそうだ。さもありなんというか、大仰なタイトルや小見出しで読者の目を引き、そのじつ内容が大したことない箇所が散見される。書きっぷりがいかにも週刊誌的なのだ。

     たとえば、弘道会(山口組六代目を輩出した名古屋の暴力団)の組織内には「十仁会」という謎めいたヒットマン部隊がある、という話が出てくるのだが、その正体はけっきょくうやむやなままで終わり、なんら実体が明らかにならない。「おいおい、これだけで終わりかよ」と言いたくなる。

     それでも、島田紳助引退の舞台裏や、ボクシング界とヤクザの世界の癒着、山口組の組長が代替わりすると暴力団の勢力地図が一変する様子などが細かく明かされ、そこそこ面白く読める本ではある。 

  •  ヤクザの有名人が実名で出てくるなどショッキングな内容なのだが、全然知らないのであんまりよく分からなかった。名前がたくさん出て誰が誰だか最後まで覚えられず、もうちょっと人柄を描いて欲しかった。

     先日読んだ『ギャングース・ファイル』と世界が地続きであることが感じられた。

  • 祝井十吾話の中で、こう語ったくらいだと思ってたら、複数のマル暴刑事を指す仮想人格だったのね。
    臨場感はあるけども、途中からなんの話だか判らなくなって来た。
    実際の事件の裏面という位置付けなんだろうけど、そう突っ込んでる感じはしなかった。

  • 表層に見える闇、深く潜行していく闇、私欲と利権が闇と繋がり社会を食いものにする。あぶく銭は身につかないことを知らしめないと。

  • ○ジャーナリストの森功氏の著作。
    ○大阪府警捜査4課(暴力団担当)への取材を通じ、山口組を中心とした暴力団組織と、芸能界やIT企業などとの関係を、島田紳助事件やボクシングのタイトルマッチ、株価操作事案などの具体的事件をもとに明らかにしたノンフィクション作品。
    ○森氏の他の著作以上に、丁寧かつ綿密な取材と臨場感あふれる文章に、ものすごく引き込まれる。
    ○暴力団との関係が、これほどまでに広いとは・・・・

  • 西武新宿線野方駅にあるボクシング・ジム 木村七郎 氏の話を中心とした、ボクシング興行とヤクザとの関係の章が興味深い。かっては、1000万円単位でボクシング・チケットをヤクザが買ってくれたので、興行はなりたったのだ、と言う。

    また、1994年の薬師寺保栄 vs 辰吉丈一郎の日本人同士のタイトルマッチは、薬師寺の所属する「松田ジム」のと辰吉の所属する「大阪帝拳」の間で、入札された。
    「松田ジム」は六代目山口組組長である司がいた弘道会に近く、辰吉は五代目山口組の若頭である宅見勝のお気に入りだったとのこと。そのせいか、リングサイドは山口組関係者で埋め尽くされていたが、名古屋の弘道会は薬師寺の応援で、宅見若頭は辰吉の応援と、山口組同士でありながら、応援は別であった、という話が興味を引いた。

  • 警察も大変だ

  • ある方向からの、暴力団とのいろいろな関係が実名で出てきて、週刊誌を読むより背景が分かって面白かった。これも一つの解釈、見方だと思う。

  • 亀田家と裏社会との繋がりも書いてある。我々には分からない大変さがあの一家に有ると思いました。あと、この作者の著作は最後まで読むと疲れます。。

  • ここまで名前出していいんかい。

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著者プロフィール

森 功(もり・いさお) 
1961年、福岡県生まれ。ノンフィクション作家。岡山大学文学部卒業後、伊勢新聞社、「週刊新潮」編集部などを経て、2003年に独立。2008年、2009年に2年連続で「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞」を受賞。2018年には『悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』で大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞受賞。『地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団』『官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪』『ならずもの 井上雅博伝――ヤフーを作った男』『鬼才 伝説の編集人 齋藤十一』など著書多数。


「2022年 『国商 最後のフィクサー葛西敬之』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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