金田一少年の事件簿(文庫版) (File2) (講談社漫画文庫)

  • 講談社 (2004年8月4日発売)
3.60
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本棚登録 : 240
感想 : 17
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  • 本 ・マンガ (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063607741

作品紹介・あらすじ

六角村の呪われた過去・異人館村殺人事件。奇妙な館が数多くある六角村。それぞれの館には、体の一部が欠けたミイラが祀られているという。不吉な空気が漂うこの村で、猟奇的な連続殺人事件が発生する。

感想・レビュー・書評

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  • 冒頭に編集部からの注意書きが掲載されるという異例の始まり方。メイントリックには元ネタがあるという事らしい。

    ※以下、犯人の名前にも触れて感想を書いています。

    まずはともかく青森県警ナイスファイト!
    ずっと「俵田刑事」呼びだった金田一も、難事件・大火災からの生還を経て最終的に「俵田のオッサン」呼びに変化したのが小憎い。

    まだ全話読んだわけではないけれど、小田切進(六星竜一)は恐らく犯人中でも屈指のフィジカル的強さを備えた男。「母さんはこの日のためにさまざまな殺人術を俺に仕込んだ」(p204)という事だがそれにしたって器用すぎる。〈④〉で捜査撹乱のために教会屋根上の十字架に細工を施し上手いこと落っことしたくだりも、あれ一歩間違えたら金田一死亡・もしくは自らも負傷する事態になっていたのでは。そもそもあんな綺麗な向きで十字架を落とすには結構なピタゴラ的工夫が必要だったのでは。

    そもそも不動高校赴任直前に六星により殺害されてしまうとばっちりを食らった’本物の’小田切進が全くもって不憫。というかそんなあっという間に全身白骨化するものなんだろうか。というか容姿が全く違う六星がそんないとも簡単になりすませるものなんだろうか。前もって何らかのやり取りで顔や声くらい学校側も把握するよね?

    ’首無し花嫁’の一連のトリックも、霧子の血液が最後の最後まで検出されなかった謎が腑に落ちない。し、烏の羽根が見落とされていたのも県警鑑識の完全なる不手際としか言いようが無い。

    エリザベート・バートリーもとい五塔夫人の余罪も気になるところ。何気に彼女も相当やばい人。右肩口から左脇腹までバッサリ切断するって六星さんめちゃくちゃ大変だったのでは(霧子のもだけど)。

    兜礼二も屋敷内(というかリビング)に死体があったらさすがに異臭とかでもっと早く気付くだろうに。

    他にも、若葉と入れ替わる時に霧子がゴネたらどうしたんだとか色々と突っ込みどころが目立つドタバタした殺人計画だったけど、勢いは感じられました。


    21刷
    2023.3.22

  • 【あらすじ】
    六角村の呪われた過去・異人館村殺人事件。奇妙な館が数多くある六角村。それぞれの館には、体の一部が欠けたミイラが祀られているという。不吉な空気が漂うこの村で、猟奇的な連続殺人事件が発生する。

    ・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

    感想は最終巻にまとめて記載予定です。

  • 殺人マシーンとして育てられた六星竜一の境遇には哀れみを覚える。親が自身の抱える不幸を子供に受け継がせるのは個人的には虫酸が走るもので、不幸だったからこそ、それは自分の代で終わらせ、子供には幸せな人生を送らせてやるのが親としては筋ではないだろうか。
    しかし、若葉と出会ったことで、ほんの少しでも六星に人の心が芽生えていたことが彼の人生におけるせめてもの救いだったことだろう。特に、一貫して一人称に「僕」を使っていた小田切が、若葉の司法解剖に抗議するときだけ、「俺」となっていた点は細かいながら六星の本音が漏れ出ていたのだと思う。
    それでも、見ようによっては、手にかけるべき人を図らずも心から愛してしまう運命になったのは残酷であると言えよう。終盤で、金田一の非難に対して、若葉の悪態をつきながらも涙を禁じえなかった彼の姿がその残酷さを物語っている。
    一読では全体の猟奇性や怪奇性に圧倒されるが、具にコマを見直してみると、そのパンチの利いたストーリーの中に細やかな心情表現が散りばめられている。例えば、風祭の微妙な、無理矢理言葉にするのであれば「老成した」雰囲気は、終盤に全ての事情が判明すると、むべなるかなと思えるようになる。
    金田一の切なさには毎回心を打たれる。

  • 六角村。通称・異人館村 - 。教会を中心に6つの館が建ち、風変わりな住人が暮らしている。はじめと美雪は、友人・若葉の結婚式に招待され、この村を訪れた。
    偶然入り込んだ若葉の家の地下室で、2人は首のないミイラを目撃してしまう。
    結婚式前夜、若葉は村のしきたりどおり、教会にひとりで閉じこもる。数時間後に始まる、謎のミイラになぞらえた、連続殺人のことなど知らずに・・・。
    (本書カバーより引用)

    金田一少年シリーズの第2作目。「異人館村殺人事件」である。

    金田一の同級生である時田若葉が、教師である小田切と恋愛関係にあることが学校にばれてしまう。金田一の活躍で退学処分は免れたものの、故郷・六角村に呼び戻されることになった。実は、若葉には子供の頃から決められた許嫁がいるのだ。しばらく経って、金田一とその幼なじみで同級生の七瀬美雪が若葉の結婚式に招待された。ここにどうしても連れて行ってくれと言ってきたのが、若葉の恋人だった小田切である。

    20数年前に火事で焼けた教会を囲むように建っている6つの館。六角村の住人は6つの館の人間だけだった。そして、教会と6つの館の中に、それぞれ身体の一部分が欠けた7体のミイラが守り神として保存されていた。
    若葉の結婚式前日の夜。儀式として新婦は教会の中で一晩を一人っきりで過ごさなければならないという。しかし、中から厳重に鍵をかけられた教会の中で、若葉は首のない死体となって発見された。

    金田一少年シリーズは、やたらと登場人物が殺されることが多いが、ここがその原点かもしれない。時田若葉が殺された後、6つの館の主人達が次から次へと殺されていくのである。その犯行の鍵は、守り神として保存されている「7体」のミイラ。

    単行本が発行された当時、某有名作家の超有名ミステリからトリックを盗用したのしてないのと騒がれていたが、文庫化されるにあたり、巻頭にその作品からトリックを使用している旨の文章が掲載されている。2年ほど前、そのミステリを読んだのだが、金田一少年を読む前に読みたかったなぁと、少しこのコミックを恨めしく思った。

    まあ、例に漏れず、誰も救われることがなく、血の気の多い事件である。金田一少年の周りには、殺人者が何人いるんだろうか。そのうち、同級生もみんな殺されてしまうかもしれないな(苦笑)。

    あ、このコミックで青森県警の俵田刑事が初登場。後に「異人館ホテル殺人事件」など、数作品で再登場する。

  • 金田一少年の事件簿、マイブーム中につき。
    この話は昔読んだんだけど、内容を忘れてしまっていたので楽しく読めた。
    最後は切なくて、ハジメと一緒に泣きそうになった。。
    『占星術殺人事件』も既読だけれど、久しぶりに読みたいな。

  • ちょうど占星術殺人事件を最近読んでいたので、ドキドキしながら読んだ。
    占星術殺人事件と同じトリックでも設定や他のトリックが巧妙で面白かった。
    もう一度占星術殺人事件も読み返したい。

  • 【異人館村殺人事件】収録。
    盗作で有名な作品です。オマージュと言う人もいますが、ミスリードまでも同じなので言い逃れは出来ないと思います。
    トリック以外で言うと、金田一は校長とPTA会長の密会を秘密にしておくと約束しながら、犯人告発の時に堂々と晒していたので思いっきりツッコミを入れてやりました(笑)

  • 本当に「占星術」のトリックを使ったことに対しての序文があった。
    しかしトリックが明かされるシーンは好きだよ。

  • 村人がどんどん殺されていきます。しかも切断って…。あれだけの殺戮を繰り返す犯人「七人目のミイラ」の神経ってすごい憎悪の持ち主だな。トリックは「占星術殺人事件のトリック」の流用らしいけど、2作目でさっそくですか…

  • 「じっちゃんの名にかけて!」でお馴染みの彼です。
    私が初めて知ったのは雪夜叉の話からでした(意外に初期)。
    あれから時間が経っているけど、今でもふとした時、たま~に
    読み返したくなるんですよ、金田一。
    賛否両論あるだろうけど、私は好きです。

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著者プロフィール

1991年、『カーリ!』で第46回週刊少年マガジン新人漫画賞入選。1992年より週刊少年マガジンにて、『金田一少年の事件簿』を連載、大ヒットとなる。ミステリー漫画ブームを巻き起こした本作品は、第19回講談社漫画賞を受賞。その他の作品に『探偵学園Q』『金田一37歳の事件簿』などがある。

「2022年 『小説 金田一少年の事件簿 学園七不思議殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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