- 本 ・本
- / ISBN・EAN: 9784063645132
感想・レビュー・書評
-
2003年 中国が WTOに加盟した 前後の状況の中
で、考察し、対談した 内容。
中国に対する見方が 世界の工場から 世界の市場に
転換しつつある時に、日本企業が 進出して 失敗する原因などを
分析している。
いまから、10年以上前の作品であるが、いまだに通用する話と
古くさくなって陳腐化してしまっている部分が存在する。
逆に言えば、中国の進展の早さが 陳腐化していると言ってもいい。
日本企業の進出問題は
①部課長クラスが 総経理となり経営者としての能力がないのに
やらせることで、本社には 正確な情報が 入らない状況となる。
→戦略的な視点が欠如していることが大きな要因。
→会社の評価は マイナス方式が主である。
②中国人に対する見方が、劣った人たちと見ている。
あわせて、固まりとして、見て 個々人の能力をきちんと見ない。
→『中国人はこれだから』といって見下す。
→倫理観が違う、管理能力がない。→結果として 信頼できない。
③中国人を積極的に登用できず、インセンティブもないため いい人材が集まらない。
欧米の会社は、会社にとって儲ける人材を登用するのが基本ともいえる。
④中国人が 日本企業の取締役になることはないことが多い。
『中国を制する者こそ21世紀の世界経済を手中に収める』
2003年3月 全人代で決定されたこと
①国有資産監督管理委員の設置
②国家発展および改革委員会の設置
③中国銀行業監督管理委員の設置
④商務部の設置
情報収集戦略の重要性
①猫の目のように変わるゆえに 情報の鮮度
②氾濫する情報をすべて鵜呑みにしない
③地方政府に惑わされない
④コンプライアンスの遵守
中国は 沿岸部のバブルが 内陸に波及して ブーメランのように
バブルが 広がっていく。バブル崩壊するには 時間がかかる。
沿岸部と内陸部の格差が 強さであり 弱さでもある。
『日本は、社会主義によって開花する体質を持っている。』
転職禁止規定 および ジョブホップ思想。
第1期 改革開放から天安門事件
毛沢東が死去して このまま貧しくてよいのか?自分たちも豊かになるべきではないか?
開放政策は①外国のすぐれた先進技術を学ぶ ②外貨を獲得する。
第2期 社会主義市場経済の誕生 92年
95年に 労働法が施行された
第3期 改正憲法の成立 99年
「私有経済を含む非公有制経済は我が国社会主義市場経済の重要な構成要素である」
2001年 WTO に加盟
第4期 共産党入党資格の解放から現在(2003年)
WTO 加盟によって
①関税を引き下げる
②非関税障壁を撤廃する。
③サービス貿易を開放する。
中国や社会主義のために 粉骨砕身の思いで働いてきた40歳以上の文革世代がものすごく冷遇されている。
この時の上海の月収が 1500元と言っている。
現在は 4000元ほどと思われる。わずか十年でこれだけ変わる。
ブランドとは 「その商品の品質を保証するとともに、その会社の社会的信用をたかめる知的財産である。」
「女性は簡単に手が届かないものをほしがりますが、誰でも簡単に手が届くようになると、とたんに興味を失うものです。‥女性の本質は世界的に変わらない。そのブランドを支えているのは、信頼と高級感へのあこがれ。」
「中国側のニーズと有望市場をつかみ、日本の高い技術力によっていかに差別化をはかっていくか。」
中国ビジネスは 実際は もっとドロドロしていているはずだが、シンプルに 楽観的に書いているのが 意外だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
マンガ「取締役 島耕作」から本格派ビジネス書誕生!社会派コミック第一人者と上海を拠点に活躍する国際派弁護士が語る中国ビジネスの最前線。進出失敗率65%の日本企業が知っておくべき「中国の姿」が
ここにある。
著者プロフィール
弘兼憲史の作品





