完全復刻版 リボンの騎士 BOX 少女クラブ版 (1)

  • 講談社 (2009年1月1日発売)
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感想 : 3
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  • 本 ・本
  • / ISBN・EAN: 9784063647464

感想・レビュー・書評

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  • 手塚治虫先生の男装漫画の名作。

  • どんなにこの本を待っただろう。現代の最新技術によって限りなく原書に近い復刻を期待した。天下の講談社が、自社の本を復刻するのである。夢見ちゃうだろう。しかし、復刻は所詮この程度なのだと思い知らされた感がある。オールカラー復刻が出ている今、ほとんどモノクロページの講談社漫画文庫版の復刻に何の意味があると問われると困るが、原書の持つオーラは、凄まじいのである。これを何とか復刻で再現して欲しかった。復刻された事を喜ぶべきか?しかし、この程度で完全版と思われるのは困る。いつの日かその素晴らしきテクノロジーによって、見事な復刻が出る事を祈りつつ、て、講談社が出しちゃったら、もうどこも出さないか!それでも、生誕100年ぐらいには出るかもね?又、それまで待つか…

  • 『少女クラブ版』は最初の『リボンの騎士』であり、これに続いて『双子の騎士』、セルフカバーの『なかよし版リボンの騎士』が描かれた。アニメは『なかよし版』をベースにしている。昔、講談社の全集で読んでいたのだが、江戸東京博物館での手塚治虫展に行ったこともあり改めて読み直した。こちらは復刻版ということで当時発売されたような状態での刊行となる。別途ハードボックスと冊子が付属している。冊子には『少女クラブ』連載時の表紙の縮刷がすべて掲載されている。刊行し直すたびに手を入れ直すことで有名な手塚治虫であるが、ここでも連載から単行本化する際に扉絵はすべて取っ払いシームレスにつながるように描き足したりレイアウトを変更したり描き直したりしている。
    今見ると古い表現や省略もあるが、展開のスピード感がものすごく、さくさくと読めてしまう。メルヘンチックな絵柄もお手のものでディズニー存命時のディズニー映画を漫画化したような世界にわくわくする。男装の姫サファイアが時おり見せるエロティックな肢体も手塚らしさが息づいている。相手役のシルバーランドの王子があまり魅力的ではないのが残念だが、アニメで見た時も過去に全集版を読んだときにも印象が残らずそういった役回りなのかとも思う。一方、記憶に残る天使のチンクの活躍も今ひとつで時々現れては狂言回しを演じ、物語後半でお役目ごめんでいなくなってしまった。
    陰謀策謀でサファイアが大変な目にあうのは昼メロみたいでもあり、サディスティックでもあり、それもまた楽しい。

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著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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