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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784063657272
感想・レビュー・書評
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ももち麗子の『デイジー ~3.11女子高生たちの選択~』(全2巻/講談社KCデザート)を読んだ。
この間から仕事で読んでいる、東日本大震災関連マンガの一つ。
ももち麗子のマンガは、以前『問題提起シリーズ』というのを読んだことがある。
絵柄といい内容といい、典型的少女マンガで、オッサンの私が読むには気恥ずかしかったのだが、読んでみたら意外によかった。
本作は、小林照弘らによる『ピエロ ~夜明け前~』という小説が原作なのだという。
私はその小説を読んでいないので、ももちの独創がどの程度加わっているのかはよくわからない(原作ではなく「原案」として紹介している記事もある)。
ともあれ、ももちはこの作品を描くにあたって独自の被災地取材も重ねており、原作そのままではない。
福島に住む仲良し女子高生4人が、原発事故がもたらしたさまざまな苦難(家業の危機、被災者への差別など)に直面しながら、友情によってそれらを乗り越えていく物語。高校2年で「3・11」を迎えた4人が、卒業するまでの1年間が描かれている。
主人公4人のキャラクターが、あまりにステレオタイプで工夫がなさすぎる。
学業優秀な優等生と、ヤンキーと、腐女子なオタクと、お金持ちのお嬢様――という組み合わせ。いわゆる「スクールカースト」において、それぞれが“別カースト”に属するだろうし、この4人が親友になってバンドを組むという設定自体、無理がありすぎる。
……と、ケチをつけてしまったが、設定はともかくストーリーはよくできていて、大人の鑑賞に十分堪える。
あとがきに「福島に住んでいるというだけで婚約を取り消されてしまった女性がいたことも、米農家の方が殺人者呼ばわりされたことも事実です」とあるように、3・11後の福島で実際に起きた出来事の数々が、オーソドックスな少女マンガの枠組みの中に、巧みに盛り込まれているのだ。
なお、タイトルの「デイジー」とは、主人公4人が組んでいたバンドの名前であり、彼女たちの「絆」の象徴だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
福島の女子高生が震災後、味わった苦しみ。感じてきたこと。まさに等身大の若者の気持ち。
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再三、思い出したい。
私は当事者ではないこと。そこに当事者がいること。当事者の経験や思いを、私はほとんど知らないこと。問題を考える前に、記号として語らないために、知らないことを少しでも知ろうとすること。
福島の女子高校生たちの物語。 -
生まれ育った福島。
食べて応援は出来ないけど
福島の複雑で重い感情は
よく出ている漫画。
読んでいて辛くて泣く。
3.11前の福島に戻してよ。 -
原発事故後の「フクシマ」の現状を知りたいという方には、まずこの漫画(全2巻)をお勧めしたい。10代の女性向け月刊誌に連載されていたため、存在を知らない大人が多いのは残念。小説『ピエロ――夜明け前』を下敷きに、綿密な取材によってリアルな被災者の声を代弁する。
主人公は福島市内に住む元バンド仲間の女子高生。ごくありふれた彼女たちの日常は、3月11日の震災と原発事故で一変する。避難する友人との別れ、風評被害、故郷への思い、卒業後の進路、家族や恋人との葛藤、怒り、悲しみ……。描かれるテーマこそ深刻なものの、キャラクターの台詞や表情にみずみずしい感性があふれているのは、やはり少女漫画ならでは。改めて漫画という表現手法の可能性を知る。
活動を休止したバンドメンバーと、仮設住宅で再び演奏することになった主人公が、住民を前に思いを語る名演説は必見。作者によれば、作中に登場する婚約を取り消された女性も殺人者呼ばわりされた米農家も、「総理大臣になって世の中を動かしたい」と言った子どもも、実在のモデルがいるという。(松ちゃん) -
中学校以上話題枠、だけど別な話題。全二巻。(i44)
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漫画喫茶にて読みました。
3.11の東日本大震災をテーマにした作品です。
正直、関西に住む私には衝撃以外何物でもなかった。
政治家の語る復興と現実のギャップに自分を恥じた。
それくらい、衝撃だった。 -
東日本大震災、そして原発事故から2年。今だから知ってほしい、福島の女子高生たちの1年間の物語。(初版帯より)
「ピエロ-夜明け前」という小説をもとに、自らも取材をして描かれたフィクション。
余震も放射能も不安、でも明るく過ごしたい。一生懸命に生きる普通の高校生の姿があります。
県外の人の偏見が辛い。そんな中でもなっちゃん先生の婚約者のような人もいて、ほっとした。
著者プロフィール
ももち麗子の作品





