- 本 ・本 (394ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063705591
作品紹介・あらすじ
繊細で詩情あふれる大和和紀の世界。 佐那子は10歳。大好きなおとうさんとアスファルトとネオンの街・銀座で暮らしている。古ビルの緑でいっぱいのお部屋で佐那子は幸せな毎日を送っていたが。
感想・レビュー・書評
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銀座にある古ぼけたビルに暮らす、父と10歳の佐那子。母はいないけど、武骨ながら優しい父、ビルの人々に見守られながらすくすくと育ってきた。
これまで読んできた大和和紀作品の殆どが、歴史物のスケールが大きい作品ばかりだったため、現代が舞台の人間ドラマはどんなもんだろうと思いながら読み進めた。
いやぁなかなか繊細で沁みるストーリーでした!10歳の佐那子のキャラ造詣が絶妙。父子家庭で育ったためか、大人びた瞳が印象的なんだが、時に女子らしくおしゃまでかわいらしい側面もあり、くるくると表情が変わるところが本当に愛らしい!この年頃の心の揺らぎが丁寧に表現されている。
同じビルで花屋を営む、佐那子の姉的存在のあかりを始め、佐那子にちょっと意地悪なヤンチャ男子の川久保君など、魅力的なキャラが多数登場。たまには衝突しながらも、心を通わせていく過程が優しく(時にシビアに)描かれ、作者の真摯な姿勢が窺える。
発表が80年代後半なので、バブルっぽい髪型やファッション、インテリアもツボ。ストーリー展開に花や音楽を絡めてくれるところも好きだ。
大和和紀ファンに多く支持されている作品と最近知り手にしてみたが、間違いなく名作でした。また大和さんの現代ものを読んでみたいなぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
中学生ぐらいの時に読んだんだったかな。いま思い出しても、記憶に残る本。都心暮らし経験者には、味わい深い。
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愛情に満ちた優しいお話
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父娘ものの設定は「papa told me」と似ているが、こちらの舞台は銀座。より現実的で具体的な描写が多い気がする。お父さんの愛に守られて、きっと佐那子ちゃんは綺麗な心を持ち続けたまま、大人になるのでしょうね。
著者プロフィール
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