ゴッドハンド輝(文庫版) (16) (講談社漫画文庫)

山本航暉

• 講談社 (2012年4月1日発売)

感想・レビュー・書評

[domarinさんの感想 · 2012年10月17日]

心臓外科医としての上達を目指す輝と慧の切磋琢磨と四宮の家の問題の描写が中心。二つの大きな出来事を無理なく同時に進めているのが凄い。当初は家の問題も関連して反発していた二人がその問題が顕在化する大法要が近づいていても良い意味での対抗心を持つようになっているというのが非常に熱い。間々で挟まれる話は二人のそれぞれの良い所を描いているのも巧く働く。
特に慧の過去回は四宮家の非常に重いテーマを扱っているが、偶然出会った碓氷との交流を巧く合わせて良い話に纏めている。碓氷をすぐに再登場させるのも、過去回の完成度が高いことと、他の伏線と巧く嵌っているのとで急に出たキャラ以上の魅力があるのも凄い。その碓氷との関わりの中であえて輝に事件を起こさせることで手術の理由付けなど様々な面へつなげており本当に無駄がない。
トッキューとのコラボ作品も収録されている。コラボ相手は未読だが、命を救う者として二人の主人公を結びつけて活躍させているので普段の魅力と違和感なく読むことが出来る。

著者プロフィール

新潟県出身。
代表作は、週刊少年マガジンで連載された『ゴッドハンド輝』（講談社）など。同作で講談社漫画賞少年部門受賞。明るく前向きなキャラクターづくりに定評がある。

「2020年 『講談社　学習まんが　日本の歴史（11）　天下一統』 で使われていた紹介文から引用しています。」