天上の虹(10) (講談社漫画文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063709308

作品紹介・あらすじ

漫画文庫『天上の虹』第1期(第1巻~第6巻)発売から、約13年。ついに、完結に向けての第2期発売開始!!

感想・レビュー・書評

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  • たくさんの登場人物がいるこの作品。
    今回もそれらの人物が織りなす様々な出来事が描かれています。

    歴史書の編纂を任された忍壁皇子(おさかべのみこ)の苦悩とその妻との心のすれ違い。
    藤原史の義理の息子である新田部皇子と氷高皇女の恋の行方。
    宮子の妊娠、出産・・・。

    個人的にはあまり心揺さぶられるような話はなかったけど、その中で印象的だったのは安麻呂という12歳の少年の登場、そして彼が持統天皇である讃良に斬りかかる場面。
    実は安麻呂は謀反を起こし死ぬこととなった大津の息子。
    それで父親の処刑を命じた讃良を恨みに思いそういう行動を起こした。
    それに対する讃良の対応がまた圧巻!
    これぞ、女帝よ!というものでした。
    ものすごい貫禄!
    見る目を変えたら少年、安麻呂に同情的な気持ちになっていたんでしょうが、どうしても主人公である讃良に肩入れしてしまう・・・。

    それとこの10巻でも相変わらず頼りない珂瑠(讃良の孫)にはイライラしてしまった。
    譲位はしたものの、今だに亡くなった紀皇女の事が忘れられず、政治よりも彼女の墓の事ばかり考えて・・・さらに、宮子に子供が出来たと知った時、生まれてくる子は女の子であって欲しいと言ったりする。
    女の子ならば紀皇女の生まれ変わりだから・・・と。
    ずっと仕えてきて、愛してきた男性にそんな事を言われた女はどうなる?
    その後、宮子は心を病み、自分が産んだ子供に会う事もなく、36年間引きこもりになる。
    あまりに残酷・・・。

    讃良も自分が亡くなった時は火葬にしてほしいとか、もうそんな事まで考えているし、氷高皇女は弟の珂瑠があまりに頼りないので結婚しないで国に身をささげるとまで言っているのに、当の本人はこんな調子で・・・この国大丈夫かね?と思わず不安を感じずにはいられません!

  • うぅぅぅ、11巻を残すのみになってしまった・・

  • 安麻呂の存在
    氷高皇女ひだかのひめみこの決断の潔さに感動
    エリザベートもこんな風に考える人だったらなどと思う

  • 歴史書の編纂を進める忍壁皇子のもとに太安万侶(実は故大津皇子の隠し子)登場。氷高皇女の決意と吉備皇女の恋、紀皇女を忘れがたい珂瑠皇子につくしつづけ、子をあげつつも心を病んでしまった宮子。上皇となった讚良はなかなか珂瑠皇子に実権を任せきれず…

  • 珂瑠皇子は小さいときから可愛らしく優しく利発な子だとおもっていたけど、これほど残念なことになろうとは。
    初恋の女性の影響力は大きい。
    氷高皇女の恋も切ない。
    ただの優男かと思いきや、頭のいい人で、ほんともったいないことだった。
    五百重のような女性はよくいるのがまた痛い。
    子を親の感情の捌け口にしたり道具にしたり。

    長屋王の若夫婦もこれからが確か辛かったはず。

    物語は死を意識して冬のような描写が続く。
    次々と縁の人が死に、一方で生まれ、耐えたと思った血筋が受け継がれていたり。
    ままならなさが心痛い。

  • 第10巻では、持統太上天皇の指揮の下、藤原京の建設、律令の制定、そして歴史書の編纂が進む。歴史書の編纂に関連して、多安麻呂が登場、しかも亡き大津皇子の息子という驚きの設定だ。その安麻呂と持統天皇の対決がクライマックスだが、持統天皇の国造りにかけた思いは一歩も退かない。最後は安麻呂が見守る中での大津の姉、大伯皇女の死で幕を閉じる。大津皇子の謀反というひとつの事件が、これほど多くの人生に影響を及ぼすのかとしみじみ思う。

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著者プロフィール

マンガ家。第1回東アジアMANGAサミット事務局長。1948年大阪府生まれ。16歳のとき「ピアの肖像」で第1回講談社新人漫画賞受賞をし、プロのマンガ家生活に入る。その後数々のヒット作を生み出し現在に至る。主な作品に「アリエスの乙女たち」「あすなろ坂」「鶴亀ワルツ」他多数。「あした輝く」「姫が行く!」で1974年講談社出版文化賞受賞。「狩人の星座」で1982年講談社漫画賞を受賞。マンガジャパン事務局長。(社)日本漫画家協会常務理事。大阪芸術大学芸術学部文芸科教授。文化庁文化審議会著作権分科会委員などを歴任。

「2005年 『アジアMANGAサミット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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