- Amazon.co.jp ・マンガ (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063722017
作品紹介・あらすじ
1491年、11月。フィレンツェの大富豪ロレンツォ・デ・メディチに見込まれたアンジェロは、各国から貴族や有力市民の子弟が集まる名門・サピエンツァ大学ピサ校に入学、一人の青年と出会う。彼の名はチェーザレ。スペイン出身で、父は教皇庁のナンバー2という名門貴族。はるか昔、全ヨーロッパを支配し巨大な帝国を築いた英雄と同じ名を持つ青年は、のちに現代政治学の祖・ニッコロ・マキァヴェッリの名著『君主論』のモデルとなり政治の天才と謳われた人物だった……。
闇に葬られた若き英雄が、今甦る。超美麗ルネッサンス絵巻!
15世紀のイタリア、ルネッサンス時代。現代政治学の祖・マキァヴェッリに「理想の君主」とまで謳われながら、歴史の闇に葬られた英雄チェーザレ・ボルジア。争いに向かおうとする不穏な時代に、全ヨーロッパ統一という野望を抱いた男の戦いの物語。
感想・レビュー・書評
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漫画としても面白いし、当時の勢力がよくわかる。わかりやすい。歴史の勉強にもいいかも?
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借りたもの。
とにかく徹底した中世ルネサンス描写に息をのむ。神は細部に宿るのか……!
当時のフィレンツェ――フィオレンティーナ――の街並み、雰囲気が繊細に描写されていて、フィレンツェに行った事がある人は、読んでいて街並みを鮮やかに想起させられるのではないだろうか。
天井まで細かに描かれ、本当にその空間を歩いているようだった。
また、馬の描写がとても美しく…それはルネサンスを象徴するレオナルド――彼がよく描写した対象であり、素描や未完成の作品が多くあること――を想起させる。
今、競馬に多いサラブレッドとは異なる、胴が長めのアンダルシア馬は当時の軍馬。
食事のシーンではナイフと二股フォークの置き方が現在のテーブルマナーとは異なることに驚いたり。
大学内での学生団からも、当時のフィレンツェの世相が垣間見える。スペイン、フランス勢力に挟まれたフィレンツェという都市国家の立場が見えてくる。
そしてフィレンツェの中でもドミニコ修道会という存在があり、三つ巴の様相を呈している。
ロドリーゴという怪物(俗物教皇)、ローヴェレという猛獣(軍人教皇)、サヴォナローラという妖怪(狂信者)…言い得て妙。
最後は花の街と讃えられたフィレンツェの貧民街……地獄を垣間見る。 -
チェーザレ・ボルジアなんて渋い題材をなぜ漫画に?と思ったら、1996年、1997年に宝塚歌劇団が舞台化してたのね。ルネサンス期のローマだのメディチ家だの枢機卿の子だの、読んでみると面白い題材だものね。
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西洋史音痴にも優しい漫画
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塩野七生さんの「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」を読むまでは、ボルジア家=毒殺の一族、という印象を抱いていました。
「死ぬ直前になってから、そういえば1年前、ボルジア家で食事をご馳走になったことに気づく」なんてコトが平気で言い伝えられているから。この漫画はその塩野さんの小説よりも、更に解りやすく読み易いので、歴史が好きでない方も楽しめると思う。
日本史でも「勝てば官軍」と言うが、歴史における敗者は一体どれだけの汚名を着せられているのだろう…。そんなことを考えさせられる漫画でした。
メディチ家やボルジア家を知らずしてルネッサンスを語ることはできません。あのレオナルド・ダヴィンチも、ミケランジェロもコロンブスも彼らなくしては存在し得ない、と言っても過言ではないのだから。 -
めっちゃ面白い!
15世紀のイタリア、ルネッサンス時代。現代政治学の祖・マキァヴェッリに「理想の君主」とまで謳われながら、歴史の闇に葬られた英雄チェーザレ・ボルジア。争いに向かおうとする不穏な時代に、全ヨーロッパ統一という野望を抱いた男の戦いの物語。 -
私の頭には細くて難解で、一度に読みきれないけど、話もキャラクターも魅力的でとても惹かれました。
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Kindle版1巻が期間限定で無料だった折、軽い気持ちでポチッと。そんな偶然の出会い。それからというもの、そのまま自宅でポチポチポチ。あっという間に現既刊の11冊を読み切ってしまった。チェーザレ・ボルジアなんて知らなかったのに。とにかく情報量が多くて、カタカナの名前と彼らの関係とヨーロッパ情勢の理解が困難。どのくらい受容できたのかあまり自信がないが、どちらにしろ面白かったことには変わりない。マキャヴェリやレオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロなど有名な偉人も登場する。早く続きが読みたい。
今はダンテの『神曲』やマキャヴェリの『君主論』がこの勢いで読めたら…と思っているが、流石に敷居が高いかなぁ。 -
作画の美しさ、登場人物の魅力、物語の巧みさ全てがそろったお気に入りの漫画のひとつ。完結した際には永久保存決定でしょう。
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圧倒的画力で魅せられる、
イタリア、ピサを舞台に展開する、
チェーザレ・ボルジアの物語。
それぞれの個性が丁寧に描かれつつ、
全体のバランスが保たれていて、
かつユーモアのエッセンスも含まれているのは、
惣領冬実らしい。
歴史好きにはたまらない。