- Amazon.co.jp ・マンガ (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063722024
作品紹介・あらすじ
1491年、11月。フィレンツェの大富豪ロレンツォ・デ・メディチに見込まれたアンジェロは、各国から貴族や有力市民の子弟が集まる名門・サピエンツァ大学ピサ校に入学、一人の青年と出会う。彼の名はチェーザレ。スペイン出身で、父は教皇庁のナンバー2という名門貴族。はるか昔、全ヨーロッパを支配し巨大な帝国を築いた英雄と同じ名を持つ青年は、のちに現代政治学の祖・ニッコロ・マキァヴェッリの名著『君主論』のモデルとなり政治の天才と謳われた人物だった……。
闇に葬られた若き英雄が、今甦る。超美麗ルネッサンス絵巻!
チェーザレ・ボルジア、レオナルド・ダ・ヴィンチ、クリストファー・コロンブス、ジョヴァンニ・デ・メディチ。4人の天才たちの運命の交錯。メディチ家、ピサ大司教、ドメニコ会。一見平和に見えるピサの街は、聖俗入り乱れた政権争いの場だった。チェーザレも自分の父を次期教皇にするため策を講じる。そんな中ローマのロレンツォ邸で、ある天才との出会いがーー。
感想・レビュー・書評
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借りたもの。
ドメニコ修道会が統治(管轄)している地域の貧困と劣悪な環境を目の当たりにして愕然とするアンジェロ。
今では理解しがたい?宗教家と統治が結びつき、清貧の下でまともな職につけず物乞いをするだけの人々(すなわち、手に職を持ち資本主義活動を行うことができない。当時の世界は第一次産業が主たる仕事だから致し方ないが)の姿に、中世のリアリティを感じる。
また、システィーナ礼拝堂にミケランジェロの大作《天地創造》《最後の審判》が描かれていないことにも感動を覚える。
ダンテ『新曲』のウゴリーノ伯のエピソードから、罪という概念から現実的な統治者や為政者の話となり、マキャヴェリ『君主論』の原型を垣間見る。
そしてレオナルド、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
マンガの巻末についているとは思えない、用語解説や講義の濃厚さに読んでいて心躍る。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
思いのほか非常に面白いので、第1巻に続き、第2巻についても書きます。第1巻は、歴史的背景、人物名、勢力図を理解するのに精いっぱいでしたが、だいたいそれらが頭に入ったので、第2巻は多少すんなり読めました。時代設定は1491年。チャーザレ・ボルジア(1475-1507年)16歳の時です(史実では2年後の1493年に18歳で枢機卿になる)。
第2巻のハイライトすべき点は2点。チャーザレ・ボルジアの権謀術数と他の歴史上人物との遭遇です。
http://naokis.doorblog.jp/archives/Cesare_borgia2.html【書評】『チェーザレ 破壊の創造者』第2巻〜権謀術数、そして点と点を繋ぐ : なおきのブログ
<目次>
Virtu 7 対岸II
Virtu 8 支配者
Virtu 9 ヴァティカンの魔物
Virtu 10 神曲
Virtu 11 神に選ばれし者
Virtu 12 光と闇
Virtu 13 プリマヴェッラ
Virtu 14 巨匠(マエストロ)
<登場人物>
ボルジア家とスペイン団
・ロドリーゴ・ボルジア(枢機卿・次期教皇候補)
・サヴォイ・ホワン(ロドリーゴの家来)
・チェーザレ・ボルジア
・ミケロット・ダ・コレッラ
メディチ家とフィオレンティーナ団
・ロレンツォ・デ・メディチ
・ピエロ
・ジュリオ
・ジョヴァンニ・デ・メディチ
・アンジェロ・ダ・カノッサ
・ロベルト
ローヴェレ家
・ジュリアーノ・デッラ・ローヴェレ(枢機卿・次期教皇候補)
・パウロ(ジュリアーノの家来)
他の勢力
・ラファエーレ・リア―リオ(枢機卿・ピサ大司教)
・ルドヴィーコ・スフォルツァ(枢機卿・名前だけ)
・サヴァナローラ(ドミニコ会)
学者・航海士・芸術家
・クリストーフォロ・ランディーノ教授 ダンテの『神曲』講義
・クリストーバル・コロン(コロンブス)
・レオナルド・ダ・ヴィンチ
<芸術作品>
・システィーナ礼拝堂
・ボッティチェッリ『プリマヴェッラ』
2017.03.26 読了 -
「それではご自分は優れた指導者に成りうる自信がおありですか?」「それは私が決めるべきことではない。神が決めることだ」
チェーザレ・ボルジアを軸に、ルネッサンスを描くコミックの2巻。
冒頭の引用は怖いもの知らずの天然少年アンジェロの問いにチェーザレが答えたもの。
暴君か、はたまた類い稀な指導者か。型にはまらぬチェーザレの人となりが徐々に明らかになっていく。
教皇の死を目前にして、ボルジア家、メディチ家、ローヴェレ家、それぞれの思惑が絡み合う。腹の探り合い、謀略の数々。覇権を得るのはどの勢力なのか。
クリストファー・コロンブス、レオナルド・ダ・ヴィンチといった魅力的な人物も続々登場し、物語のこの先を期待させる。
背景として特に印象に残ったのは2点。
・ダンテ『神曲』は、ダンテが地獄・煉獄・天国を巡る物語だが、その中には古くはギリシャ・ローマ神話から、新しいものではピサのウゴリーノ伯の話などダンテの時代に起こった出来事も盛り込まれているという。
・アリストテレスの『ニコマコス倫理学』がこの時代、ラテン語訳されているという。作中で、チェーザレが、ある版は「知性」を「理性」と「誤訳」していると指摘する場面がある。ギリシャ語もラテン語も出来ない自分としては確かめようがないのだが、こういう概念的な語句はそもそも翻訳自体、困難なものになりそうだ。根底の思想をよく理解しなければならないし。
巻末の解説や監修者と作者の対談も楽しい。
本作では、歴史的事実にフィクションを混ぜていく匙加減が難しくもあり、おもしろくもあるとのこと。
チェーザレに付き従うミケロットがユダヤ系である設定が興味深い。この先、どのように展開していくのか。
当時の絵画や建物など、資料にあたりつつ、あるときは想像で補いつつ、じっくり描き進めているとのことで、刊行ペースはゆっくりであるらしい。
私も慌てずゆっくり既刊を追っていこうと思う。
*ダンテの『神曲』。この巻を読むと非常におもしろそうである。しかし、『神曲』・・・。手を出すには覚悟がいるなぁ・・・。-
根っからのヘタレなもので、『神曲』は阿刀田高さんの『やさしいダンテ「神曲」』のお世話になって、雰囲気をつかみました(阿刀田さんの古典文学エッ...根っからのヘタレなもので、『神曲』は阿刀田高さんの『やさしいダンテ「神曲」』のお世話になって、雰囲気をつかみました(阿刀田さんの古典文学エッセイシリーズはどれも、私の知ったかぶりの源です)。
舞城王太郎さんの小説が妙に好きでときどき読むのですが、どうも舞城さんは『神曲』がお好きらしく、それっぽいモチーフがかなり出てくるのですが、『神曲』本体にはやっぱり手が出ず、はっきりしたことが分からないまま何年も経っています。きちんと読んでみたいとは思っているのですが、なかなか。2013/12/04 -
Pipo_DingDongさん
何か、学生時代に勢いで少し読んでみた、ような記憶があるのですが、呆然とするほど中身を覚えていないところ...Pipo_DingDongさん
何か、学生時代に勢いで少し読んでみた、ような記憶があるのですが、呆然とするほど中身を覚えていないところをみると、まったく身になっていないようです(^^;)。
平川 祐弘さん訳のものがよいと聞いたことがあるので、「もしも」読むならそれかなぁ・・・と思っているのですが。
何だか老後の楽しみになりそうな気もしています(^^;A)。2013/12/04
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ず~っと昔、何かの本か雑誌で以下のようなお話に出会ったことがあります。 曰く、とあるパーティーでちょっとダサイけれど高名な文学者と、時代の先端を行くようなハイセンスな女性が出会った。 その女性は会話の中でとあるベストセラー作品の話題を出し、その文学者に感想を聞いたところまだ読んでいないという返事だった。 するとその女性は「まあ、先生。 あのベストセラー作品をまだ読んでいらっしゃいませんの? 早くお読みになるべきですわ。 発売されてもう何ヶ月にもなりますもの・・・・」と言った。 するとその文学者はそれを軽く受け流したうえでその女性に「ところであなたはダンテの『』神曲をお読みになりましたか?」と尋ねた。 まだ読んだことがないと答えた女性にその文学者は言った。 「早くお読みになるべきですね。 発刊されてもう何百年にもなりますから・・・・」 この話を読んだときから KiKi の頭の中に「いずれは『神曲』を読まねば・・・・」という想いが残るようになりました。 でもまあ、未だに読んだことがないんですけどね(苦笑) で、そんな KiKi に再び「これは早く『神曲』を読まねば!」と思わせてくれたのが、な、な、なんと、この漫画でした(笑)
(全文はブログにて) -
次期教皇争いにおける枢機卿の駆け引きやボルジア親子の懐柔政策などかなり惹きこまれる。
その中でもコロンブスやダ・ヴィンチといった歴史に残る知識人達とのやりとりも面白い。
特にダ・ヴィンチに一本取られるチェーザレのエピソードは非常に良かった。 -
チェーザレの自信、したたかさ、その一方での好奇心旺盛な子供一面。
なんかすごくおもしろそうになってきました。 -
ピサ大学の講義で、ダンテ『神曲』「地獄篇」の討論が行われます。神曲に描かれている、ピサで実際に起こった凄惨な事件を、ジョヴァンニは恐れおののき、チェーザレは恐怖による市民の沈黙も統治の一つだと言い、アンジェロは自由意志をもった市民の沈黙を非難します。大学に通いながら、チェーザレは父枢機卿のためにコンクラーベの票集めに動きます。コンクラーベにからみ、ロレンツォとチェーザレに交流があったことが明かされます。それにしても、ジュリアーノ・デ・ラ・ローヴェレとロドリーゴ・ボルジアの確執がかくも深いものだったとは…ローヴェレ枢機卿、後のユリウス2世が、チェーザレを破滅させようとするわけだ…
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閣下が 可愛すぎて 悶えた