へうげもの(8) (モーニング KC)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063727746

作品紹介・あらすじ

あるときは信長、秀吉、家康に仕えた武士。またあるときは千利休に師事する茶人。そしてまたあるときは物欲の権化。戦国~慶長年間を生き抜いた異才・古田織部。甲冑、服飾、茶、陶芸、グルメetc. お洒落でオタクなこの男こそ、日本人のライフスタイルを決めちゃった大先輩だ!!


茶の湯と物欲に魂を奪われた戦国武将・古田織部。天才・信長から壮大な世界性を、茶聖・千利休から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。「美」をめぐる確執が、利休を秀吉暗殺へ駆り立てた。伊達政宗を弄び、今焼で覇を唱えんとする織部。生か死か、武か数奇か、それがますます問題だ!!

感想・レビュー・書評

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  • 毎回そうであるが、この巻でも驚くべき凄まじいシーンが随所に見られる。
    大名同士の茶室での殴りあいの喧嘩あり、密室での毒殺あり。
    京の都大路での古田織部と伊達政宗の大がかりな小芝居。語義矛盾を覚悟の上で僕はそう呼びたい。
    そして徳川家康と千利休との茶室での思惑のぶつかり合いには読者は間違いなく固唾を呑むことになる。
    巻末はおそらくこの物語全巻を通しての名シーンと呼べるだろう。

    古田織部に追随する若いへうげものたちの登場に、織部の立ち居地が変わりつつある。
    侘び数寄者としても戦国大名としても古田織部には風格が備わってきたようだ。

  • 関白秀吉に命ぜられ娘を差し出した利休は、真のわびを貫くと共に反逆の心を止めることができない。古田織部を破門し、縁を切って成すべき準備に動き出す。
    一方、織部は茶人としての名をあげることにばかり夢中になり、肝心の中身がないことに気づかされる。一体、己は何なのか――。
    しかし、そんな思いとは裏腹に、子どもの落書きを手本にして作り上げた茶碗が評判を呼び、意外なところで名声が高まる。織部が瀬戸物の商いに精を出すうちにも、秀吉と利休の関係は悪化し続ける・・・。

    (2009/3/7 読了)

  • まともな、朝鮮のイデオロギーを表す陶器のデザインに関するアレと、それをこく朝鮮人への秀吉公のソレが展開してた。うんうん。
     あと古織さんが利休師匠に怒られる。

  • 利休と織部の問答。「あなたは世に何を広めたいのですか?」「己を見つめ直しなされ」

    家康と利休の対面も鮮烈。三国志にもよく命を賭した舌戦が繰り広げられるが、対話とはどこまで強烈なのか。

  • 表紙が極渋です!表紙のカラーやデザインも、物語の進行にあわせてぐっと抑えたいぶし銀な感じで素敵!
    毎巻物語の展開に驚かされているけど、明智光秀が出てくると、どうしてかほっとする。彼の侘び数奇は、精神面が本物なんだと思います。利や権力に左右されない、心からのもてなしが滲んでいるんでしょうね。と、ここまで言ったら褒め過ぎでしょうか(笑)
    それにしても!利休はアノ弾上の娘を育ててたんですね。反逆の血は逆らえない…って、本当にスゴい。

  • 夫の蔵書。
    利休の娘(養女)のお吟って松永久秀の娘やったんや…
    利休の最後の謀。割れる楢柴。
    あとは伊達政宗の存在感と織部との小芝居。

  • マンガ

  • 橋立茶壺 秀吉が執拗に欲した利休の愛器。日本三景の一、天橋立から命名されたという「言語を絶する名品なり」(山上宗二評)娘は売ってもこの茶壺だけは断じて譲らず、利休自刃の一因ともなる。
    引木鞘(ひきぎのさや) 別称・狂言袴。利休最晩年、高弟・細川忠興に贈った高麗筒茶碗。織部曰く、利休好みとはかけ離れた「ボソボソした達者ならざる染付」こそ、自分が目指す「へうげ」に利休が傾いた証拠也、と。真相は無論定かでなはい。
    染付志野茶碗 織部会心の[ORIBENAL」茶碗。美濃の糞ガキの「ニャロン」とした筆致に、大金時殿大復活。

  • 古田織部、最高!

  • 伊達ダデェ・・

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著者プロフィール

1968年、新潟市生まれ。大学在学中、「ちばてつや賞」に『大正野郎』で入賞。同作品でコミックモーニング(当時)よりデビュー。『デカスロン』『度胸星』『ジャイアント』など、斬新な着想、大胆な描写で、一歩先ゆく野心作を続々発表。第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、第14回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞作『へうげもの』では、実在の武将茶人・古田織部の生涯を描き、「日本人」の価値観を深く掘り下げる。そして興味の対象は「文化」から「文明」へ、五百年前から五百年後へ。『望郷太郎』のはてしない旅が始まった。

「2023年 『望郷太郎(9)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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