不思議な少年(8) (モーニング KC)

著者 :
  • 講談社
4.13
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本棚登録 : 376
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063728316

作品紹介・あらすじ

終戦直後の日本に生きる家族を縛る「血」と「土地」。そこに一人の少年がいた。永遠の生を持って「人間」を見つめる不思議な少年が。

“不思議な少年”と瓜二つなフランツ、信仰心を試される苛酷な裁判の時。 かつての栄光に引きずられたミュージカル女優が、最後に見る特別な映画。無限の時を超え、遥かなる事象を経て、少年は人間の中に潜む美しき混沌を眺め続ける。 『天才 柳沢教授の生活』の山下和美が、人間の奥深き性(さが)を描くシリーズ、第8巻

感想・レビュー・書評

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  • 少年に真っ向から意見する、少年そっくりな少年。

    人生、何がが幸せかどうかについては、終わってみなければわからないかな。

  • ●聖フランツ
    不思議な少年が珍しく感情的になって、読みを誤ったパターンかな。
    フランツもなかなか、人間離れしてた。

  • フランツは神と人間の中間にいた…のかな?

  • 聖フランツ 4部構成の大作だから、作者は思い入れ強いのかな。少年が恐ろしい表情になったから。
    マリー・ロンドン、奈良美智の女の子そっくりなのはオマーッジュ?

  • 9巻まで一気に読んで、不思議な少年は恐らく神が遣わした天使なんだろうが、人間を見届ける者としての不死には限界がないから全く同じではないが、メタモルフォーゼして性をも超えて人間と交わる下りはクラムジーじゃん、って今頃気付いた。クラムジーほど楽天家じゃないけど。クラムジーはアンドロイドだから機能停止と言う限界があるし、見届ける者でもないんだけども、天使の様な無垢さ、と言う表現を人間が使いたくなるのは何故だろう、と言う部分で通じるものがある気がする。

  • がっかりさせない作品
    早く次が読みたい

  • 時代と場所を問わず人の営みに干渉する少年を狂言回しとした連作集。長い期間をかけて不定期連載しているせいで、この少年の立ち位置が徐々に変化していく様が非常におもしろい。初期には人間の本性を暴く、あるいは試す、ある種興味本位の傍観者にすぎなかった。後期になるにつれて、人間の運命をあるべき姿に修正する積極性を持つようになる。傍観者から調停者としての役割へと変化していく。
    この作品がマーク・トウェインの未完の同名作から着想を得ていることは間違いないと思う。トウェインの少年はサタンの甥なのだが、山下作品における少年も初期においては非常に悪魔的ともいえトウェインの影響を感じさせる。一方、後期に至っての調停者としての少年は、明らかにトウェインとは方向性が異なる。トウェインを離れて独自の少年を描き出しているとも言えるが、しかしそれは少年自身の主体性を失っていく過程でもある。後期のほうが人間への働きかけが強いことから、一見より主体的になったようにも見える。少年は運命や歴史の流れといったより大きなものに取り込まれ従属を強めていく。となれば、物語はどうしても予定調和の閉じたものになりがちになってしまう。そこをどう回避するのかが今後の焦点になるのだろうが、今のところまだ閉じた世界からは抜け出てはいない。

  • 友人から「絶対好きだから」と貸された。好きでした。
    一気に借りたので現状1~8巻までで一括書評。

    8巻あらすじより引用
    「無限の時を超え、遥かなる事象を経て、少年は人間の中に潜む美しき混沌を眺め続ける」

    というわけで、タイトル通りまさに「不思議な少年」が時間も場所も全く違うところで眺める、様々な人間たちの様子が短編~中編の1話完結形式で描かれる。序盤はどっちかというと絶望的な終わり方が多めで苦しくなったりもしたけど、とにかく面白くて一気読み。1話完結なのに止まらない。
    やっぱり「少年」っていう存在はあらゆる意味で中性であり、何にでもなれる何者でもない存在の象徴なんだなと、再確認。

  • ・“不思議な少年”と瓜二つなフランツ、信仰心を試される苛酷な裁判の時
    ・かつての栄光に引きずられたミュージカル女優が、最後に見る特別な映画

  • 友人から借りて1~8巻まで一気読み。宗教・思想・哲学・民俗、深い部分に食い込んだストーリーばかりで読み応え満載です。性善説・性悪説に興味があるのですが、漫画で広く考えさせるというのはアリだと思います。

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著者プロフィール

1980年「週刊マーガレット」からデビュー。主に少女マンガ誌を中心に活躍していたが、『天才 柳沢教授の生活』で「モーニング」に不定期連載を開始。以降、『不思議な少年』など話題作を発表し、女性、男性問わず幅広い人気を得る。現在、「モーニング」にて『ランド』を月イチ連載中。

「2018年 『杉原千畝 命のビザ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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