へうげもの(11) (モーニング KC)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063729191

作品紹介・あらすじ

あるときは信長、秀吉、家康に仕えた武士。またあるときは千利休に師事する茶人。そしてまたあるときは物欲の権化。戦国~慶長年間を生き抜いた異才・古田織部。甲冑、服飾、茶、陶芸、グルメetc. お洒落でオタクなこの男こそ、日本人のライフスタイルを決めちゃった大先輩だ!!

密航先の朝鮮から逃亡を図る織部一行。李舜臣将軍の亀船が猛攻撃。絶体絶命の船中で、「この上ない回春」を味わう織部。無事帰還を果たしたものの、不倫告白、関白秀次事件、そして別居と、公私ともに激動の日々。翌夏、未曾有の大地震により、伏見城も「うぎゃあ」もうつわも灰燼と化す。なにはなくとも妻ではないか。廃墟からたちあがれ日本。がんばろう織部。激動の大航海時代を数奇魂で乗り切りまする。

感想・レビュー・書評

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  • 山田芳裕『へうげもの 11』は文禄の役の講話交渉や慶長伏見大地震が描かれる。古田織部は趣があるものを指す言葉「乙なもの」を広げようとする。「乙なもの」は甲乙で言えばランクが落ちるが、むしろ定石を外した面白さが最高なものと賞賛される。価格が高いか低いかなど直線的な上下関係でしか見ない単純な価値観に対するアンチテーゼになる。
    徳川家康の目指す天下が示される。戦国を終わらせるという理想は良い。しかし、争いのない世界を徹底すると、自由な創意を認めない世界になる。ここで織部は対立するのだろう。もっとも、それ以前に瀬戸物の経営をめぐって対立が生まれそうである。自由な創意を抑圧する世界は、戦後日本の業界横並びの官僚主導経済にもつながる。官僚主導経済が批判される21世紀に織部が再評価されることは意味がある。
    本作品では伊達政宗の色々なエピソードに古田織部が絡んでいた。この巻では福島正則と黒田家家臣の日本号のエピソードに織部が絡む。正則は豊臣恩顧の大名の筆頭格である。大坂の陣では江戸幕府から動向が警戒されたものの、織部とは対照的な結果となった。結局は正則も元和5年(1619年)に改易されることを考えると複雑である。改易時の広島城受け取りは林田藩の初代藩主の建部政長が務めている。

  • マンガ

  • 古田織部、最高!千利休や豊臣秀吉の凄み、そして徳川家康の台頭もあり、なかなか面白い!

  • 力で勝てぬ相手もおるのよ・・・

  • いがっぺぇ……これいがっぺぇ……

  • 読了。

  • 加藤清正の地震エピソードが良い。

  • この巻は奥方達が、ねね様とおせんが可愛くて強くて「わー」ってなった。

    地震加藤のエピソードにキュンとしたり、ぬるりと動き出した徳川にゾワリとしたり、だいぶ忙しい。

  • 今回も画は優れていたが、話しに起伏が少なかったような。手に汗握る転回が続いただけに、また、そういう時代なだけに、ちょっと残念。でも、このコミック、最期を見届けたい。

  • 2011/02/21:コミックレンタルにて読了。

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著者プロフィール

1968年、新潟市生まれ。大学在学中、「ちばてつや賞」に『大正野郎』で入賞。同作品でコミックモーニング(当時)よりデビュー。『デカスロン』『度胸星』『ジャイアント』など、斬新な着想、大胆な描写で、一歩先ゆく野心作を続々発表。第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、第14回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞作『へうげもの』では、実在の武将茶人・古田織部の生涯を描き、「日本人」の価値観を深く掘り下げる。そして興味の対象は「文化」から「文明」へ、五百年前から五百年後へ。『望郷太郎』のはてしない旅が始まった。

「2023年 『望郷太郎(9)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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