地球の悪魔 (手塚治虫文庫全集)

  • 講談社 (2010年3月12日発売)
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感想 : 5
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  • 本 ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063737479

作品紹介・あらすじ

地球滅亡を描いた珠玉のSFミステリー! 狸と人が静かに暮らす十三里村に、突如として地底要塞が建造されはじめる。いったい誰が何のために……。謎が謎を呼ぶ珠玉のSFミステリー集。

感想・レビュー・書評

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  • <TEZUKA OSAMU THE COMPLETE WORKS : THE DEVIL OF THE EARTH>
      
    Cover Design/中村忠朗(ARTEN)
    デザイン/ARTEN

  • 手塚治虫といえば、そう、反戦のテーマは欠かせないもの…。

    「地球の悪魔」
    世界を滅ぼしかねない発明…それを脳内から巣食い人間に強いたのは、地球外生命体だった…。
    これはもとは脳腫瘍設定だった?らしいのだけど、どちらも未知の恐怖の対象として、とても怖い…。
    世界なんて簡単に滅ぼされるし、人間なんてもっと簡単に命を失うのだと手塚治虫は我々に教えてくれる。

    「大洪水時代」
    (ここからヒゲオヤジ先生のビジュアルで悪役キャラがたくさん出てきて、ちょっと怖い…)
    ノアの箱舟伝説が、今起こったらif手塚治虫verて感じなんだが、原子爆弾に関する国家機密文書を消し去ろうとした妻と子を殺そうとして精神病院にぶち込む父親と兄貴の方がよっぽど怖いな……。
    手塚治虫がこんなストレートに精神病院描いてるのもびっくりした…。

    「太平洋Xポイント」
    空気爆弾、といってるけど、とにかく恐ろしい爆弾が日本に落とされる…という話。
    もう、とにかく戦争一色だな…怖いな…。
    やっぱりそれを止めようとするのも人間だし、落とそうとするのも人間なのだという現実の痛み。

    「世界を滅ぼす男」
    戦争の美化では決してないけど、一番ドラマティックだよな…。
    でもやっぱり、死をもって償おうとするのは悲しいよ…。
    敵対する男同士の友情、そして片方は殺され、片方は嘆き悲しむ運命…。

  • 雑誌の付録の100ページかき下ろしマンガ。
    ノリノリに楽しんでかいている感じがします。

    読者層とかを考えるよりも、自分の思想を伝えたいんだなぁ~とよくわかる。
    心からわきたつものを表現したい気持ちは、もう使命感といってもいいぐらいあったような気がします。

  • 手塚治虫初期の傑作「メトロポリス」同様、科学の発達に警鐘を鳴らす意欲作。日本が舞台で登場人物も全員日本人。デモノバースの語源がDemon of Earth(つまり地球の悪魔)であったとは…。

    日本の原風景のような舞台の田舎町は「火の鳥 望郷編」のロミの故郷を彷彿とさせます。ついでに地下都市構想は「火の鳥 未来編」や「火の鳥 太陽編」も彷彿とさせます。

  • 狸と人が静かに暮らす十三里村に、突如として地底要塞が建造されはじめる。いったい誰が何のために!? この基地を設計した高野博士が語る謎の言葉「デモノバース」が意味するものとは……。謎が謎を呼ぶ珠玉のSFミステリー集。『大洪水時代』『太平洋Xポイント』を併録。

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著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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