奇子(文庫版) (2) (手塚治虫文庫全集)

  • 講談社
4.10
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063737943

作品紹介・あらすじ

暗闇の中にしか生きられない女の末路は!?天外家から逃げ出した奇子は、実業家となった兄・仁朗のもとに身を寄せるが、長年の地下生活から光に怯える性質に…。戦後史の暗部を背景に描く問題作、完結編!

感想・レビュー・書評

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  • 手塚治虫の青年漫画特有の、闇が結構好き。

  • 奇子 2

    手塚治虫文庫全集 BT-094

    手塚治虫/著
    出版社名 講談社
    出版年月 2010年11月
    ISBNコード 978-4-06-373794-3
    (4-06-373794-2)
    税込価格 990円
    頁数・縦 454P 15cm
    シリーズ名 奇子
    以上「e-hon」より引用
    内容紹介
    奇子 後編 1972.1.25-1973.6.25 ビッグコミック連載
    短編
    鉄の旋律 0974.6.25-1975.1.7 増刊ヤングコミック連載
    白い幻影(まぼろし)1972.8.8 増刊号女性セブン
    レボリューション 1973.1.6+31-1.20 漫画サンデー連載
    あとがき 手塚治虫 初出手塚治虫漫画全集96『鉄の旋律』1980.9.20発行
    「奇子」解説 手塚プロダクション資料室長 森晴路

    レビュー
    前編が名作を予感させる設定、ストーリーだったが、後半竜頭蛇尾に終わった感が否めない。手塚自身のせいではなく、連載中不人気で早めに打ち切り圧力が加わったせいだと思われる。その証拠に「奇子」はビッグコミックの小学館から単行本化はされず、別の出版社から単行本化されている。
    ラストも連載ではハッピーエンド風な終わり方だったが、単行本化の際に穴の中で奇子以外は全員死ぬアンハッピーエンドに書き直されている。
    手塚は機会があればその後の奇子を描きたかったそうだが、実現しなかった。
    マンガ作品というものは作者と読者のキャッチボールのようなものなのかもしれない。いくら書きたくてもそれを受け入れてくれる読者がいなければ、成立しないのだ。読者に迎合するメディアと言われても仕方ないのかもしれないが、ニッチなファンが物言うことができる21世紀の今なら、その後の奇子や本当に手塚が書きたかった奇子本編を描くことができるのかもしれない。
    手塚の未完や打ち切りになった幻の作品をAIに描いてもらったらどうだろう?
    紙数合わせで収録された短編も素晴らしい。「白い幻影」はブラックジャックを絡ませば、ブラックジャック作品に収めても違和感ないお話。「レボリューション」はストーリーテラーの力量の高さを感じる輪廻転生的な結末で「火の鳥」中世編にも通じる素晴らしさ。
    満足度★★★*0.5

  • 短編ではあるが、『レボリューション』がなかなか。記憶転生モノだが、昔見た山田太一のドラマ『最後に見た街』とモチーフが重なる。

  • 素晴らしい作品なだけに、フィナーレが残念。しかし、全体としては見事な作品。

  • 霜川事件、三鷹事件、松川事件をうまく織り交ぜつつ、戦後史の裏面を鮮やかに綴った手塚治虫の裏代表作のひとつ。どこまでもどこまでも暗い話に関わらず読者をまったく離さないのは、確実に漫画の神様・手塚治虫の力の成せる技です。文庫本に収録されている橋本治の解説「少年だった大人はグロテスクを獲得することが出来るか?」も必見(『奇子』に触れられているのはごく一部ですが)。

  • おどろおどろしててよかった。江戸川乱歩好きな人なら好きそう。続き気になる。あとがきが「少年はグロテスクを獲得できるか。」という面白そうな題名だったのだが、読む前に図書館に返してしまったので、もう一度借りないと。

  • 戦後の田舎とはいえ、実際にこんな家族/村の雰囲気ってあったのだろうか。

    ストーリーそのものとは関係ないが、アラフォーにはところどころ文字が小さく感じる箇所もあり、時々読むのが億劫に感じた(ゆえに一部はしょった)

  • 堪え忍んだババアの一人勝ち。

  • 気持ち悪いけど、続編読みたい。

  • 初めて手塚作品を通して読んだ。戦後の地方の農村の闇って感じ。下巻より上巻が面白かった!

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著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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