ブッダ(文庫版) (3) (手塚治虫文庫全集)

  • 講談社
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  • 本 ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063738100

作品紹介・あらすじ

出家したシッタルダの修行がついに始まる!自らの体を痛めつける修行のやり方に疑問をいだくようになったシッタルダは、一人悩み苦しむ日々が続く。人々の苦しみを様々な視点から描いた超大作、第3巻。

感想・レビュー・書評

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  • シッダルタは高名な僧を訪ね、また、先輩修行僧のデーパや、未来が見える不思議な力を身につけた少年、アッサジと出会い、ともに修行を積んでいく。

    さらに、マガダ国のビンビサーラと出会い、何年後かに彼を再び訪ねると約束し、ブッダ(目ざめた人)という名を授けられる。

    そして、苦行林で本格的に苦行を始めるが、死ぬほどの苦行がどれほどの意味があるのか、どうすれば本当に人は救われるのかを考え続ける。

  • 手塚治虫の描く子供はとても可愛らしいです。

    タッタやダイバダッタは幼くして、親と離れ、自然界の中で生きることを余儀なくされ、時に人間の大人から迫害を受けます。

    自分の子供時代を遡れば、迫害ではないけれど、親、先生をはじめ、様々な大人たちから、一方的に価値観や都合を押し付けられた場面がまま甦ります。もちろん、そうした人たちにもその人なりの事情はあったのでしょうけれど。

    翻って、自分が大人となり、子供を授かり、タッタやダイバダッタを見て、ふと立ち止まりました。
    自分は、自分の子供や周りの子供達に対して、タッタやダイバダッタが大人たちから受けたような、心に悲しみを生むことをしていないだろうか…。

    大人になっても、親になっても、自分の至らなさは相変わらずです。もちろん、肩書きが変わっただけで、人間性が変わるなんてことはありません。

    現代では貨幣経済のシステムの中で生きる身としては、苦行や修行に身を委ねるわけにはいきません。
    悩みを抱え、解決を考え、日々を生きていく。
    シッダルタのように行かなくても、自分なりの救いが少しでも得られればと思います。

  • 苦行って大切なのか
    不要なのか
    あるべきものはある
    いつまでもあるものはない
    変わっていく中で
    変わらないものを
    生きていると死んでいるとは
    何が
    どれくらい違うというのか
    どれくらい同じなのか
    いるものを無いものに
    生きている
    死んでいる
    あるもの
    無いもの
    どう進んでいくのか

  • いよいよ苦行に入るブッダ。死へのおそれをいかになくすかということで悩む。

  • 726.1 テ 登録番号8207

  • 『ブッダ』。3000ページにも及ぶ、ブッダの一生を描いた長編。仏教に対する手塚治虫流の解釈が散りばめられ、「苦悩するひとりの弱い人間」としてのブッダが鮮やかに、かつ大胆に描かれています。仏教やブッダに対する思想入門書としても最適でしょう。僕にとっては、本書は人生訓としても成り立っています。

    「いつも次のことを考えなさい。いま自分は何をしているか、自分のしていることは自分にとって大事なことなのか、人にとって大事なことなのか、そして大勢の人にとって大事なことなのか!国じゅうの人にとって大事なことなのか、世界の人にとって大事なことなのか、この自然にとって、あらゆる生きものにとって大事なことなのかよく考えなさい」(第4部でのブッダの台詞)を、僕は特によく思い出します。

  • 『苦行』

    『弱肉強食』

    『老婆と浮浪児』

    『騎士スカンダ (1)』

    『騎士スカンダ (2)』

    『パンダブ山の会見』

    『苦行林にて』

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著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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