- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063738575
作品紹介・あらすじ
古代と未来、2つの火の鳥を巡る作品を収録クマソの王を討つべく九州に向かったヤマト・オグナを描いた「ヤマト編」と、過去の罪によって永遠に生き続ける牧村を巡る「宇宙編」の2つの作品を収録。
感想・レビュー・書評
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火の鳥第3弾は「ヤマト編」と「宇宙編」の2編で構成。
そういえば「宇宙編」は昔、アニメで見たような覚えがありました。
“ヤマト編”
手塚版・ヤマトタケル伝説でしょうか。
大和朝廷と熊襲の戦いをベースとしています。
まつろわぬ民への想いもそこはかとなく感じますが、
“権力”に対するアレルギーが根底にありそうです。
その権力の象徴でもある石舞台と、
古墳をこの形でつなげてくるとは、なかなかに興味深く。
手塚さんの“史書”に対するスタンスが垣間見えました。
“宇宙編”
流刑星の生物について、なんとなく見おぼえがありました。
後は牧村の正体もなんとなく、うろ覚えに。
絶対者としての“火の鳥”、永遠に続く罪と罰。
仏教でいう“業(カルマ)”ともつながるんですかね。
そして、猿田のここでの罪は、子孫たちにもとのことですが、
時代的な後先を考えてはいけないような、、気がしてきました。
様々な神話や宗教観がない交ぜになった感じですが、
同じごった煮感でも、『ファイブスター物語(FSS)』とは違う印象です。
あちらが根底には“陽”を感じられるのと比べると、
こちらの根底には“陰”がどうにも強いような、、
というか、徹底的な人間不信がある様にも見えてしまいます。
さて、次の話はどうなりますか、、段々と気になってまいりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
再読。
ヤマト編と宇宙編の二編。
ヤマト編はヤマトタケルの物語。火の鳥が自ら人間に血を与えたので驚いたんだよなぁ。
でも使い方も自分の欲のためではなかった。人柱となる多くの人のために使われた。
小学生ぐらいの時に読んだのに、なぜか宇宙編の牧村のことはとても覚えていて酷い奴だみたいに思ってた気がする。
(161004) -
ヤマト編、記述の残らない遺跡にはロマンが広がる。宇宙編、コマ割りが実験的だった。読みにくかったが無重力で上下左右の感覚がないというのを表現したかったのだろうか。
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ヤマト編と宇宙編を収録。
ヤマト編は邪馬台国が発展しつつあった時代を背景として、話の中に火の鳥をうまく組み込んでいる。
宇宙編は、火の鳥から呪いをかけられ、年々若返ってしまう牧村を中心としたお話。ラストが切ない。 -
ヤマト編。
石舞台古墳の由来として結び付けて創作されたヤマトとクマソの男女のラブストーリー。
宇宙編。
全編に人間の心の弱さ、罪深さが描かれていると感じているが、この編ではそれを特に厳しく切なく著しているものと思った。人が人を愛する不思議を感じた。 -
僕が初めて読んだ手塚治虫作品は、『火の鳥 異形編』でした。当時小学校低学年だった僕にとっては、『火の鳥』は怖い作品、そして大人の漫画として印象づけられ、その後、そのスケールの大きさに圧倒されながらも読み漁ったものです。
日本人はなぜこんなに漫画が好きなのか、外国人の目には異様にうつるらしい。なぜ外国の人はこれまで漫画を読まずにいたのだろうか。答えの一つは、彼らの国に手塚治虫がいなかったからだ。
1989年2月10日、手塚治虫が亡くなった翌日の朝日新聞・天声人語のこの一節を、彼のライフワークであった『火の鳥』を読み返すたびに思い出します。