- Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063738698
作品紹介・あらすじ
悪魔か女神か―謎の少女バルボラ! 人気作家・美倉洋介が駅で出会った少女バルボラ。自堕落な彼女が家に居着いてからというもの、美倉のインスピレーションは冴え渡り…。不可思議なる幻想譚!
感想・レビュー・書評
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映画化を受けて再読。こんなお話だったかー。前半と後半で明らかにムードが違って、手塚先生ご自身があとがきで書かれているように、主観的・観念的なものからオカルトへの転換がなされてますね。個人的には前半のミステリアスな雰囲気が好きでした。現代ではもう、こういう作品はなかなか発表しにくいだろうなぁ。作家性の強さとともに、時代を感じる作品でした。
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バルボラの奔放さに最初びっくりしましたが、だんだん凄い可愛く見えてきました。
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スキー行くまでめちゃくちゃ面白い。
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いいですねー。
美倉のバルボラへの執着は、愛なのか、彼女がいればベストセラーが描けるという功名心なのか。
芸術がテーマの作品なんだから、どちらも渾然一体となった気持ちだったのかな。 -
http://naokis.doorblog.jp/archives/barbara.html
2019.01.12 読了
2019.01.21 朝活読書サロンで紹介する。
http://naokis.doorblog.jp/archives/reading_salon_125.html -
ばるぼらといふギリシャ語が、あるんだか何だか。
バーバリーの系統でいいと思ふが、さういふ、ムネモシュネ―の娘にそんなんをらんはー、でなくて、
ブラックマジックの辺とか、適当に「人形へなんか刺す」のはどっちかと言へば、あまたあるやつの内の日本向けで、若干ナショナリスムの、ブードゥーとか魔女術とかを紹介するんでなくてただ資料をぱっと見てざっと捨ててるぽいのだが、
かつ、それでも、実は変態で(小説家さんならその辺 アレだぞ三島由紀夫先生は「男の娘時代」を公表してるぞ一応)売れっ子の小説家先生宅へ、ミューズ、ムサ、なんでもいい、とにかく物語、文化、なんかさういふのをもたらすなんぞが現れる。この辺はアート(魔法とか 藝術)の基本の筈。
『ホフマン物語』といふイデオロギーでエンターテインメントをあげるのは良い。 -
読むべき作品。
読み始めるときは、時代背景をきちんと脳内に設定してから読み始めないと
この作品のメッセージは伝わらないように思う。
読み手の性別の違いによって、この作品から受け取るものは、質も形もまったく違うものになるだろう。 -
大好き
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あえて平仮名で書かれたタイトル。
聞き覚えのあるような言葉。
しかし作者はさほど重要な意味をあてたわけではないらしい。
手塚先生はあとがきに、この作品は軽めの話だというようなことを書いていたけれど、どうしてどうして。
アーティストの心を揺さぶる様々な誘惑。
誘惑のように見える様々な思い出やトラウマ。
何かにとりつかれた人間がいかに、そのために疲弊し、すり減ってゆくか。
しかしその一方でどんなに満たされた瞬間を持つことができるか…
そんなことをつらつらと考えた。
映画観ました。その感想。ブクログには、映画の感想は載せないので。まぁ、ブクログでのストレス発散みたいなものです。無視してくださ...
映画観ました。その感想。ブクログには、映画の感想は載せないので。まぁ、ブクログでのストレス発散みたいなものです。無視してください。
1973年の手塚作品ではあるが、現代の新宿やさまざまな街の景色が丁寧に切り取られていて、都会の吹き溜まりを体現したかのようなばるぼらが全然不自然に感じられなかった。約50年前のマンガなのに、これは凄いことである。
人気作家ではあるが、「読んだら直ぐに忘れられる」と嘯いて寄ってくる女、代議士の娘で選挙演説をしたら学術会議みたいなところに入れてくれると約束する女、忠実で誠実な秘書ではあるが誠実な仕事を望む女、その(金、名誉、生活)全てをばらぼらは呪術で退けた後に、美倉はばるぼらの虜になる。今や芸術のミューズとしての正体を現して美倉と結婚しようとする。芸術とは、このようなところしか出てこないのかもしれない、と諦観した天才手塚治虫がみえるかのようだ。
それが破綻した後に、美倉はぼるぼらと(手塚治虫がよく描いた)洞窟のような廃墟にたどり着く。バルぼらの死と共に、最後にたどり着くのは、「ばるぼら」という作品だった。ばるぼらとは、barbaroと書くのか?
手塚眞だけの力ではない。クリストファー・ドイル、橋本一子、磯見俊裕、柘植伊佐夫全てが良い仕事をしている。
ほんとに、スマホもパソコンもある現代なのに、猥雑で退廃的な昭和の雰囲気が妙にマッ...
ほんとに、スマホもパソコンもある現代なのに、猥雑で退廃的な昭和の雰囲気が妙にマッチしてるなぁと感じました。二階堂ふみさんの、汚れキャラなのに時々チラ見えるクリアさもミステリアスで、特に前半のムードがすごくよかったです。終盤あたりから「こんな話だった!?」という印象があって読み返したのですが、エピソードの要素やインパクトは活かしつつ、ちゃんと流れにまとまってたんだなと感じましたねー。
原作の再読から、あらためて映画版を観返したくなる作品でした。