人間昆虫記 (手塚治虫文庫全集)

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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063738995

作品紹介・あらすじ

 

感想・レビュー・書評

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  • 手塚治虫作品を少しずつ読み進めて行っています。
    これは昭和45年の作品。

    主人公の十村十枝子は、次々と他者のものを奪い名声を得ていきます。登場人物の名前は、どれも昆虫をもじってつけてあるそうです。蜂須賀、蟻川、釜石桐郎(カマキリ)。
    十枝子の本名は臼場かげり。そう、ウスバカゲロウです。
    ウスバカゲロウの幼虫は、アリジゴクです。

    母の姿の蝋人形の乳を吸ったり、おもちゃに囲まれた部屋で丸くなって眠っていたり。母になりたくなくて身代わりを立ててまで中絶するなど、十枝子は頑なに成虫への変態を拒んでいるかのように見えます。
    手塚氏はあとがきに「マキャベリアンとしてたくましく生きていく一人の女性をえがいてみたいと思った」と書いています。
    美貌とその身体で、男たちを次々に手中にし、その才能を残らず吸い取って名声を思うままにしていく主人公を見ていると、少し複雑な気持ちになります。
    結局それですか、と。
    でも本当に愛した男は去っていってしまうんです。

    昆虫の世界は、人間社会のカリカチュアだと言われますが、そうであるような気もするし、違うような気もします。昆虫社会ではメスが圧倒的に強く、初めから女王世界なので。

    出てくる女性がみんな薄幸なので、読後感はあまりよくないです。が日本がまさに高度成長まっしぐらの時代にこういった作品を書いた手塚治虫という人は、やはりすごい漫画家だったんだなと。50年前に書かれた作品とは思えません。テーマも色あせていないですし。

    少しずつ手塚ワールドに足を踏み入れていきましょうかね。

  • 模倣の才能だけの、孤独な主人公。
    心は純真な子供のままなんだろうなぁ。

  • 【書評(18禁)】『人間昆虫記』 : なおきのブログ http://naokis.doorblog.jp/archives/Ningen-Konchu.html

    <目次>
    春蝉(はるせみ)の章
    浮塵子(うんか)の章
    天牛(かみきり)の章
    螽斯(きりぎりす)の章
    解説(真崎 守)

  • 劇画というか、サイコ?ホラー、サスペンス?作者は敬愛していますが、ちょっと私には合いませんでした。

  • まるで昆虫が脱皮を繰り返すように次々と華麗な変身を続ける十村十枝子。才能あふれる人物に寄り添い、そのすべてを奪ってたくましく一人で生きる女の姿から、不条理な1970年代の陰と陽を描く! 群がる男を次々と餌食にする彼女の行く末は!?

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著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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