- 本 ・本
- / ISBN・EAN: 9784063756180
感想・レビュー・書評
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小林まことの「おバカかげん」が好きです。彼にも「バカな青春」があったようで、バカにできない友情もあったのですねえ。そうはいっても、やっぱり、おバカにしか書けない小林まことが好きなわけです。
ブログでも紹介しました。
https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202112080000/詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
漫画を描くということがいかに大変なことがが伝わってくる。あの時代ということもあるのかもしれないが、消えた漫画家の鴨川つばめインタビューもそうだが、まさに命を削って描かれた作品があることは漫画好きなら知っておくべきだ。
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これもいい本だった。漫画家って大変。
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☆2.5 このマンガに登場する小林まことの知人のマンガ家を誰一人として知らなかった。
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『週刊少年マガジン』の創刊50周年を記念して、同誌で活躍してきた人気マンガ家たちがデビュー当時の思い出などを描いた競作シリーズの一作。
小林が本作でおもに描いたのは、代表作である『1・2の三四郎』を連載していた時期の思い出。タイトルの「1978~1983」とは同作の連載期間だが、84年以降の出来事も少し描かれている。
当時の『少年マガジン』をリアルタイムで読んでいた人ならいっそう味わい深いマンガだが、そうでなければ感動できないわけではない。ここに描かれた青春は普遍的なものだから。
デビューの歓喜、初めての連載で味わう「産みの苦しみ」など、小林の駆け出し時代の悲喜こもごもが、作品のタテ軸となる。
そしてヨコ軸は、小林と同時期に『少年マガジン』でデビューし、「新人3バカトリオ」と呼ばれたという2人のマンガ家――『純のスマッシュ』『初恋物語』などで知られる小野新二と、『タフネス大地』などで知られる大和田夏希――との友情の物語である。
小林のことだから随所に笑いが用意されているのだが、それ以上に、哀切さのほうが大きなウェイトを占める作品だ。というのも、大和田と小野はのちに相次いで早世するから(大和田は94年に自殺、小野は95年に病死)。
デビュー間もない時期の喜怒哀楽を共有し、若手マンガ家として互いをライバル視して切磋琢磨していた3人。そのうちの2人が夭折したことで、小林はただ1人取り残されたような喪失感を味わう。その喪失感をフィルターに青春を回顧しているため、物語の底には深い哀しみが流れている。これは、2人の親友へのレクイエムでもあるのだ。
マンガ家たちの青春物語といえば「トキワ荘伝説」がすぐに思い浮かぶが、ここに描かれた3人のマンガ家の青春も、同じくらい胸を打つ。
最後のページに書かれた短い一文が、印象的だ。
《この漫画は、故大和田夏希、故小野新二、二人の親友に捧げます。文句があったらあの世で聞きます。また三人でケンカしましょう。(句読点は引用者補足)》
なお、個人的に印象深かったのは、幻の未完作『シロマダラ』の舞台裏が描かれていたこと。
コミックス1巻が出たのみで中断したままのこの作品は、小林には珍しくギャグ一切抜きのシリアスなハードボイルド(もしくはノワール)で、きちんと完結させれば傑作になっていたはずだ。 -
コミック
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マガジン創刊50周年を記念して、
小林先生の目線から描かれた
マガジン史。(1978~1983)
今や大人気作家さんとなった方も
多数出てくるが、その中で
埋もれた作家さんがどれだけ数多くいた事か。
私はマンガ好きで、大抵どのジャンルでも
手を出して読んでいるけど、
三バカトリオの小野新二先生と
大和田夏希先生のことは知らなかった。
失礼いたしました。
漫画の世界が厳しいことはもはや
常識ではあるけど、
両名とも、ホントに命を燃やして
漫画を描かれていたんだなと感嘆。
今出版業界は衰退の一途を辿っているけど、
こうやって何十年も作品が残されていくことの
価値に見合うだけの評価が今一度
見直されないといけない。
漫画の無料配信も最近は多いけど、
読者側に寄せるのみではなく、
漫画家さんももっと労わって欲しいなと思う。 -
小野新二はどうみても矢作兼。
そんなことはどうでもよく、昔の漫画が好きな人はぜひ読んでおきたい一冊。
いやあ、「1・2の三四郎」まとめ読みしたくなるわ。 -
残酷な漫画家ライフと悲しい友情を明るく爽やかに回想している分、読了したとき感動する。
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漫画家というものは血反吐を吐きながらがらも描き綴らなければならない本当に…本当に…筆紙に尽くし難い仕事だという事が、まざまざと描写はされているものの、携わる事で得られる事も大きい。地位、名誉、お金もそうだが、憧れの漫画家と一緒の舞台に立てる矜持や同じ死線に立ち、歩き、分かち合え、語り合える仲間の存在の大切を軽妙な笑いを織り交ぜながらも、親交が深かった二人に捧げられるこの漫画を世に出せた事に、描ききった著者に心が震えた。漫画ではなくそれは人生でしたが、紛れもなく漫画でした。素晴らしい漫画でした。有難う御座います。
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