レッド(3) (KCデラックス)

著者 : 山本直樹

• 講談社 (2009年6月23日発売)

作品紹介・あらすじ

この物語の舞台は１９６９年から１９７２年にかけての日本。ベトナム戦争や公害問題など高度成長の歪みを背景に、当たり前のように学生運動に参加していった普通の若者たちが、やがて矛盾に満ちた国家体制を打倒するという革命運動に身を投じていく様と、その行き着く先をクールに描き出す、若き革命家たちの青春群像劇である。

革命のため武力を手にした若者達。彼らは新たなる拠点に『山』を選んだ。同じ目的のために集まったはずだった……。しかし、そこでは少しずつ歯車が狂い始めていく。社会とは隔絶された場所で、男と女が夢見る革命の光。その光は彼らに届くのか――。

感想・レビュー・書評

[Rocketman3さんの感想 · 2018年10月15日]

１〜３巻まで
普通の（とはさすがに言い切れないが）若者達の歯車が少しずつ狂っていく。空虚な言葉による自己規定、束縛。

「普通に考えたらおかしいと思うようなことに、なぜ人は、とくに集団になると突き進んでしまうのだろう？」ということにずっと興味があって新興宗教関連の本も読んだりしたけど、連合赤軍についてもずっと気になっていた。早く続きが読みたい。個よりも全体を重んじる集団の論理、ヒエラルキーの発生、目的の手段化、論理の飛躍、暴走。

このテーマを描くのにマンガという手段が適していると思う。映画だと２時間という制約があるし、小説では当時の時代背景や雰囲気をビジュアルで見せることができない。マンガだと絵を使いながら、言葉の空虚さみたいなものを文字で示すこともできるし、ひとつひとつの出来事の積み重ねがやがて全体を大きく狂わせていく過程もきちんと描ける。

３巻でとうとう山に入った。外界から隔絶された閉鎖的非日常空間としての山がさらに狂気を加速していくんだろう、きっと。

[素以さんの感想 · 2018年5月28日]

山本直樹が天才すぎて怖い

[Hazelさんの感想 · 2015年12月6日]

読了

[tarazirushiさんの感想 · 2013年10月3日]

1969年の安田講堂が陥落し、全共闘運動は衰退していく。
そんな中、活動を過激化させていく革命者連盟は、赤色軍と協力関係を築き武装闘争を続けていこうとするが……。

連合赤軍の事件を山本直樹が漫画化。
登場人物の姓は日本の山の名前に変えられ、死亡する人物の頭には何番目に死ぬかがナンバリングさらている。

(当時の)普通に学生運動をしていた学生達が、山に篭もり仲間を殺害、あさま山荘事件を起こす過程が丁寧に描かれていく。
新興宗教(オウム？)を描いたビリーバーズも読んでみたいな。

[oicaさんの感想 · 2013年5月24日]

武器を確保。

[xaymacaさんの感想 · 2012年7月15日]

だんだん気持ち悪い展開が見え隠れし始めた。

[hiroshitさんの感想 · 2012年2月4日]

組織が崩壊し始めるのは、組織と個人のビジョンのミスマッチが原因ではないかと感じる。とはいえメンバー数が多いと、ビジョンの統一はかなりの困難。そこで規律の必要性が高まるのだか、規律が強くなりすぎると、密かに規律を作る側と規律を押し付けられる側が出てくる。みんなで自由闊達に、というのはかなり困難だと感じる。

[JONEYさんの感想 · 2011年6月12日]

この巻だけ読んだからイマイチ分からないが、キチンと読んだらきっと面白いんだろうて予感はする。
様子見。

[さーやんさんの感想 · 2010年5月21日]

（購入本）

[もりさんの感想 · 2009年11月11日]

2009/11/5購入

著者プロフィール

カルフォルニア大学サンタバーバラ校助教授　
専攻＝映画理論・日本映画
Dialectics without Synthesis: Realism and Japanese Film Theory in a Global Frame, University of California Press, 2020, “Eye of the Machine: Itagaki Takao and Debates on New Realism in 1920s Japan,” Framework 56, no. 2 (Fall 2015).

「2019年 『転形期のメディオロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」