繕い裁つ人(2) (KCデラックス)

著者 : 池辺葵

• 講談社 (2011年10月13日発売)

作品紹介・あらすじ

祖母の志を受け継いで、その人だけの服、一生添い遂げられる洋服を作り続ける。そんな南洋裁店の店主・市江と、彼女の服を愛してやまない百貨店企画部の藤井。微妙な距離感を保ちながら関わる二人と、服にまつわる人々の思いを描き出す、優しい優しい物語です。

上等な朱色の布地を服に仕立ててほしいと頼まれた、洋裁店店主の南市江。しかし持ち主が誰かわからない。着る人を知らずに仕立てたことのない市江は、なんとかイメージを捉えようとするが……。生涯寄り添える服作りに生きる女性と、服と、お客様の物語、第２巻。

感想・レビュー・書評

[Eさんの感想 · 2015年9月13日]

一冊目が結構良かったし、全6巻であまり多くないので、よんでみることにした。

揺れる恋心と擦り切れた制服の袖、着物の洋服への仕立て直し、自分のための白い服、洋裁教室、各々の方向性、「追々」。

いいなぁ、はじめのおはなしは少女マンガ的で、恋と友情の天秤の揺れに涙が出そうになってしまった。
「なにもかも伝えないといけないんでしょうか」、って、ほんとうにそうだ。
自分の気持ちではなく相手の気持ちを汲むこと、それが優しさ。
市江が藤井さんにひかれている、あのもやもや感も、わかるなぁ……。
私も洋服に助けられたり、そうかと思えば足もとをすくわれているような気もしたり。
市江が藤井さんに導かれて、一歩一歩進んでいる。
次は市江デザインの生地の服のはなしかな、楽しみだ。

[sadaharu373さんの感想 · 2013年2月22日]

洋服の話だけではなく、贈る相手のことをすごく考えて贈る、そして贈られた相手は・・・という話がとても良かった。今の時代、何かを贈られたら「いくらぐらいしたんだろう」とかをすぐ考えちゃうけど、そうじゃなくて気持ちが大切なんだな～と。相手の人はどんなふうに生活していてどんなふうに仕事をしていて・・・そうするとどんなものが必要か、そして持ってるものに合わせるとどんなデザインがいいか・・・思いやりの気持ちですね(*^▽^*)。そして、市江さんとは正反対のデザインがあふれ出て、個人個人のことを考えてはいられない青年のことを否定しなかったのも気持ちよかったな～。

[むしこ／まるた曜子さんの感想 · 2011年10月23日]

藤井さんが素敵すぎてこんな女性と結婚したい（違

市江さんは職人らしい頑固さというか「自分がこうという価値観でこう！」というところがあって、それはそれでいいのに、藤井さんの柔軟さで「あれ？それもアリなの？」ってなるところがかわいい。しかも一旦は表に出さず、反芻して吟味するところが。

[あひるさんの感想 · 2023年5月22日]

静かに進んでいく物語。私も仕立て屋さんでお洋服作ってもらいたいって思う。
こんなマンガも良いな。市江さんのお母さんが良い味出してて、そのひと言がいつも心に響く。

[0720ioriさんの感想 · 2016年1月16日]

大切なひとへ贈るもの。世代をこえて、かたちを変えて引き継がれるもの。その静かな熱い美しさ。

[sakuracha0829さんの感想 · 2015年12月9日]

心地良い空気が流れてて好き。ちょっと切ないけど。

[こ げ つさんの感想 · 2015年3月12日]

志乃さん作の制服，すごい！……全校生徒分繕ってたのか？まさかね。“ちゃんとしている”ときの市江さんとそうでないときのギャップはすごすぎる。あ，言動は一緒だけど。

[m1225さんの感想 · 2013年8月14日]

やっぱりいいな〜この淡々とした感じなんなんだろう。悪者がいないところがいいです。そして藤井さんがやはりイケメてます

[uezabinさんの感想 · 2013年8月2日]

縫い裁つ人の世界が更に深まる二巻です。

一巻でちょこっと出てきた登場人物がクローズアップされたり、新しい登場人物が出てきたり。。。

市江さんと藤井さんは、相変わらずのようで、そうでないような。。

第七話は、夜のシーンが多いのですが、雰囲気があって好きです。

[yukarytcrさんの感想 · 2012年12月19日]

読了日20121218

著者プロフィール

2009年漫画家デビュー。2014年、『どぶがわ』（秋田書店）で第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞。2018年、『ねぇ、ママ』（秋田書店）で第22回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞。代表作に『繕い裁つ人』（講談社）、『プリンセスメゾン』（小学館）など。

「2022年 『よそんちの子』 で使われていた紹介文から引用しています。」