青空のはてのはて 真鍋昌平作品集 (KCデラックス)

  • 講談社
3.40
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本棚登録 : 114
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063761375

作品紹介・あらすじ

『闇金ウシジマくん』の著者、待望の初作品集! 妄想癖のサラリーマンが遭遇する事件を描いた表題作をはじめ、ヤングマガジンにて集中連載された『暴力(バイオレンス)ポコペン』、アフタヌーン四季賞入賞作群(雑誌未掲載作含む)、そのほか文芸誌、同人誌などさまざまな媒体で発表された十四編を集成。著者による全作品コメントも収録。シリアスからギャグまで、希代の作家の真髄を味わえる圧倒的な一冊!

感想・レビュー・書評

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  • 非常に読み進めにくい絵柄だが、何故だか手放し難い魅力がある。耳にペンを刺す短編や好きな子の親に入れ替わる短編等、爽快感のない嫌な話と、笑えないギャグが絶妙な味わい。

  • ウシジマくんの原点て感じがしました。
    あと、単なる個人的な感覚であるけれど、雰囲気や画風など、井上三太に影響受けたのかも?と感じました。
    漫画でも小説でも音楽でも、代表作っつーやつができちゃうわけですが、この方で言うと間違いなくウシジマくんなわけです。
    その形が完成するまでの足掻いている感じがして、良かったす。

  •  ものすごい爽やかな表紙で、綺麗〜と思って手に取りました。内容こっわ。

     感想書こ思って検索していたら、作者さんがあの闇金ウシジマくんの先生やと知って、そら内容えぐいわなぁ思いました。

  • 同人誌作品も収録されている初期短編集。
    今の方が磨きがかかっているけど、昔からストーリーよりキャラが先で、キャラが勝手に動き出すような話作りなんだなぁ。エピソードや小物の使い方が天才的にうまい。

  • 憂鬱滑り台 沖縄 リスキー 何やっても長続きしねェ何の目標もねェ無駄に無意味に時間と金を浪費するうだつの上がらねェ毎日何もかもうんざりだろ 一日を精一杯生きるんだ レア物のG-SHOCK ブログ 久米仙 かわりめ 被写体に意味を求めるようになって苦痛になった 僕はいつも一番冴えないグループに属していた…カスが集まって友達面し合ってた 学生の時の友達とは誰一人連絡取ってない…僕は逢いたいとも思わない連中と時間を潰したんだ… 実家で部屋を共有してた時毎晩頑張って受験勉強してた弟…俺は彼奴の背中を横目に布団に隠れてオナニーしてた 呪縛霊 今は刑務所の中…僕は十三歳の時殺された…今はその記憶も曖昧で精神科医には妄想癖があると言われている 最後の居場所 タイヤが汚れないように肉の塊を避けて走る車 マモー ぐりとぐら ガンバの冒険 ノロイ ミスチルの「くるみ」は「これから来る未来」を女性に擬人化したもの お前の情報源八割はウィキペディアだよな 気弱な審判 塩味!暴力(バイオレンス)ポコペン ここ千駄ヶ谷トンネルっていって寺の墓地をくりぬいたんだ…トンネル工事中大量の人骨が出土したらしいから霊の噂が絶えないんだ 小仏トンネル 旧吹上トンネルの惨殺屋敷 鈴ヶ森処刑場跡地の首洗い井戸 Vシネ状態 山奥の廃墟 27歳のくせに「将来の夢」の話すンのよ…もう終わってるっつーの グンゼ野郎 Z財津和夫 今ここは無法地帯だ!最悪殺し合いになる!嫉妬が根底にあった 抵抗の仕方 大山倍達 奇跡の正拳突き 精進します合掌 Y談 ねえ…先生は生徒でオナニーするんでしょ?ねえ 超人ドビューン 魔の都市錦糸町 ノーライフノーミュージック 会話はキャッチボール 星に願いを もう俺はシーレにもバスキアにもジミヘンにもなれない 短冊 七夕 まんこって知ってる?おう!舐めたことあるぜ! ハトくん 崇高な山々を覆い隠す雪のような白い素肌 青空のはて 週末の夕方からチリワインあけて幸せになる方法について語り合うんだ 臭い息攻撃 クソッタレの偽善者ヤロウ! 名前すら知らない他人の死より絶滅しそうな動物がテレビの向こうで死んでく方がよっぽどセンチになるだろ? クソッタレ!俺をダシにしてカッコつけやがって‼︎ 妄想でしか解決できない何の価値もない人間 風が吹けば桶屋が儲かる 気がついたら何もできないまま年を取っていく恐怖に怯えてる毎日 借り物の知識で自己防衛 人気投票で結果を残し アフタヌーン 狂った隣人の不条理な暴力 日常で思っていることをできるだけ無作為に絞り出す訓練。 一度しかない人生なら自分を活かせる人生を歩みたい その時食いたいものを食え! 2011年8月真鍋昌平

  • ウシジマくんの前に描かれたブラックユーモアが多めの短編集です。良作が多く、作者の感性を読者に媚びずに描ききっているので、強いメッセージが原寸大で伝わってきます。

  • 1993年から2010年にかけて、同人誌及び商業誌に発表された作品を集めたもの。

    勤労意欲促進漫画(と勝手に思って憚らない)『スマグラー』『闇金ウシジマくん』の原型が垣間見えたり見えなかったり、シャレオツ路線だったりサブカルっぽかったり、本当に同じ人が描いたの?って感じで大変にお得な1冊です。

    血が出るほど殴り殴られ、金は無いし職も無いし、結局現状は低め安定。
    でも、ふと見上げた空はどこまでも青くって。
    みたいなイメージでしょうか。

    ダメ男の一発逆転劇が大好きなので、『暴力ポコペン』がお気に入り。

    『ハトくん』初読のはずなんだけど、要所要所に見覚えが。
    なのに何時何で見たのかが一向に思い出せずモヤモヤ……。

  • 55点

  • 憂鬱滑り台がよかった

  • 中でも気にいった「星に願いを」と「かわりめ」について。

    【星に願いを】
    普段なんとなく仲良くやっているカップルが、些細な事で口論となる。
    日ごろから溜まった鬱憤を小刻みに覇気出してこなかったので、いざ衝突すると、どちらも引き下がることを知らない。つまらない意地の張り合いになる。

    その引き金になったのがお隣の家族。発達障害を持っているであろう子供が朝からドタバタ騒いでいる。親は何の対処もできずに念仏を唱えている。それを早朝から聞かされているカップル。ブチぎれるのも当然だ。

    仲直りとなったきっかけが七夕の日、”息子のヒステリーが治りますように”と書かれた短冊だった。

    彼氏の素直さに惚れ込んだ彼女の心理描写が良かった。あぁ、僕にもお茶をください。。。


    【かわりめ】
    これ去年の僕そのまんま。何をやっても中途半端。誰に見せるでもないブログを書いたり、自称写真家でもないのに毎日写真を撮る。しかもそれを持続することすらしない。三日坊主の典型のおっさんのお話。

    このおっさんのたちが悪いところは、メタ認知ができているということだ。
    自分はダメな奴だとか非リア充実だと卑下する人は自分の現状を理解できていない事が多い傾向にあると思う。

    途中キャバクラでのシーン。よくある中高生でのグループの話がでてくる。
    僕も経験があるから分かることなんだけど、必ずと言ってもいいほど孤立する人がでてくる。その人を嘲笑っていた当時を思い返し、どうでもいい連中と付き合っていた自分を顧みるところがある。

    この点、無理に付き合う必要のない人と共同生活を送るのは苦痛だった僕には共感できる内容だった。ただこんな戯言を言ってられるのも学生のうちだけであって、社会に出ると嫌というほどそういう人らと折衝してく必要がでてくるのだが(自分もそうならないように戒めないとすぐにダークサイドに返り咲いてしまう;;;;)。

    話を戻すと、このおっさんには優秀な弟【大学院に進学予定)がいる。
    弟は兄貴の過去の事も全て知り尽くしているのだろうと推測するが、それを表情にも出さずに見守り続けた忍耐力には脱帽する。この弟のような寛容な心を持てていたのなら、僕の今は少しは変わっていたのかなと反省するところがある。

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著者プロフィール

漫画家。神奈川県出身。1998年、『憂鬱滑り台』で「アフタヌーン」(講談社)四季賞夏のコンテスト四季大賞を受賞、同誌同年9月号に掲載され商業誌デビュー。2011年、『闇金ウシジマくん』(小学館)で第56回小学館漫画賞一般向け部門を受賞。その他著書に『スマグラー』『THE END』(講談社)などがある。

「2017年 『THE END クライマックス編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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