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- / ISBN・EAN: 9784063766639
感想・レビュー・書評
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改訂部分は作者の強い思い入れと割り切って読むべし、などと言いながら、どうも割り切れないのは最終巻。
人間の卑劣さにに絶望するデビルマン。しかしまだ守るべきものがある、それは牧村美樹だと気づくのも束の間、美樹も人間の手にかかっている。すべてを失ったデビルマンはただただサタンに戦いを挑む。連載当時の事情もあってなのだろうが、プロットは急展開していく。
デビルマン軍団とデーモンとの最終決戦などいくら描いても描き切れないのだから、「戦いは熾烈を極めた」という言葉で読者に空想させればいいのである。そこを描き足りないと描き足したところでどうなるというのだ。サタンと不動明が静かに言葉を交わす最終場面は、その最終決戦を暗示に留めたことで強度を増しているのに、デビルマンが倒される部分を敢えて明示的に描くことで、その強度を減じているのがこの改訂版だと思う。
作者の意図したことではないのかも知れないが、紙幅を節約することで、終結へと至る『デビルマン』は詩となっているのである。
牧村家の人々にデビルマンの正体を知られ、「俺は人間なんだ」と苦悩する場面。巨大なデビルマンが逃げようとする不動明の体をつかんでいる見開きは、この絵で明の心境を十全に示す。また、殺される直前、美樹の上半身が二重化して裂けていくカットは理不尽な状況を描いて余すところがない。こうした詩的表現に、もはや散文の付加は余計なものでしかないのだ。美樹の死の現場で、自ら巨大な炎となって人間たちを焼き殺す見開きでは明の感情はすべて示されているだろう。美樹との幸福な日々を回想する後描きの数ページは煩わしいだけだ。
最終ページ、サタン=飛鳥了が頭の翼で顔を隠してうつむく後方で、翼を広げた何体ものサタンがまるで虹のように描かれている場面、了の嘆きを描く、何という詩的表現になっていることか。その前に挿入された説明的な2ページはもう蛇足蛇足蛇足蛇足蛇足。
とはいえ、それでも書き足さずにおれなかった作者に一滴の共感を。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
このあたりは、もう神展開で、わかっていても凄いとしかいいようがないです。
「激マン」読むと、おもしろさが倍増とはいわないけど、1.5倍ぐらいに増えます。
ちょっと、ラストシーンあたりのかき足し部分の流れに違和感がないことはないですが。デビルマンが倒れるシーンは、もっと前にいれないといけないだろう……。
まあでも、それは細かいことです。 -
了と明の愛憎の宿命・・・
神が愛した人間はその愛ゆえに憎しみを増幅させる。
終わりは始まり・・・
全知全能の存在は悔やみ歪み黄昏、
世界を永遠のループの中に包み込む。
そのループは・・・
目指すべき結末に向け加速し繰り返される。
ふう・・・
何回読んでも鬱にさせられます。 -
結局、そんなに改訂されなかったですね。
でも、久しぶりに読んでやはり面白かったです。