- Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063787016
作品紹介・あらすじ
2033年、人類は火星に到達した。6人のメンバーが火星への途中で、さらには火星で見た数々の不思議な現象とは?宇宙に2回行った著者ならではの、新しい生命観・地球観・宇宙観がいっぱいのサイエンス・ファンタジー。
感想・レビュー・書評
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「子どもを本好きにする10の秘訣」>「科学」で紹介された本。
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少年社中さんの同名舞台を観た後で、原作が読みたくなって手に取った。宇宙飛行士の毛利衛さんが書いた本。ジャンルは迷った末ファンタジーにした。
2050年代に父を亡くしたモマが、父との思い出や若い頃に訪れた月や火星に想いを馳せ、少年だった頃の自分に語りかける、というお話。
実際に宇宙を旅した人だからこその描写だったり、宇宙飛行士としての思いだったり葛藤だったりが描かれていて、ファンタジックでありながら、リアルにも感じた。
誰もが宇宙旅行をできる時代はまだまだ先のことだと思うけれど、その人類の大きな夢を背負って日々研究を重ね、使命を果たそうとしている人が実際にいるんだよなー、と思うとドキドキするし、色々考えさせられた。
舞台は脚色されているから、この原作とはまた違うけれど、これを読んだ上で、もう一度舞台を観たいと思った。 -
2016.10 息子 小2
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★★★★★
一人の初老の宇宙飛行士だった男が、天体望遠鏡をのぞいて宇宙の神秘に胸を高鳴らせていた少年の自分に、人類初めての自身の火星への旅を語る。
宇宙の広さと狭さを感じる場面や、『外』から地球を眺め考察する場面は書き手の経験からくるものなんでしょうね。
近未来の設定なんですが、ソーラーセイルとかロボット犬とか宇宙野菜とか、小道具が現在の技術の少しだけ先を描いているのも夢がふくらむ。
こどもの人、大人の中のこどもの部分に語りかけてるみたい。
火星や宇宙の写真集も横において読みたい。
(まっきー) -
2度宇宙に行った、宇宙飛行士である毛利さんのかいた物語。
50代になった宇宙飛行士の男が、少年時代の自分モマに語りかけるというかたちで、35年前に最初に月に行った時の話をはじめた。そしてそれから13年後、28歳になったモマは火星へ。火星での探検が語られる。探査ユニットでの洞窟探検だったり、四足歩行ロボット犬がいたり。この働き者のロボットがなんだか可愛らしい。火星に生命体の痕跡を発見したり、未来はそうなるのかもしれないね。
「自分の姿を外から見るために地球は人類を生んだのかもしれない。 地球は自分を見たかったんだ、どんなに美しいか見てみたかったんだ」
この表現がいいね。 実際にその目でみたからこそわかる美しさなのか。 -
老いた主人公モマが、むかし火星に行った頃の経験を、幼い自分に語る物語。
普通なら自分の息子に語るシチュエーションだけど、どうして幼い自分自身に語りかける物語だったんだろう?
もう10年以上前のことだけど、私が小学生のとき、学校に毛利さんがいらっしゃって全校生徒の前でお話をされたことがあった。
毛利さんは全校生徒に「宇宙人はいると思いますか?」と問いかけて、
「地球は宇宙の中にあります。なので、私たちも宇宙人です。」というようなことを話していたのを覚えている。
私にとっての地球は世界の中心で、宇宙はその境界の外にある別世界だったけど、毛利さんにとって地球は広い宇宙とひとつながりなんだなーと感じた思い出。
児童向けのファンタジーのためか「確かに夢はあるけどありえない」ことだらけだけど、宇宙の底知れない神秘、生命力は伝わってくる。
事故で人が亡くなるハプニングもあるのに、それすらも宇宙の大きな力によるものに思えてしまう。
ゆったりとした時間が流れる幻想的なファンタジーだった。