赤の世界 (KCx(ITAN))

  • 講談社 (2011年7月1日発売)
3.87
  • (45)
  • (44)
  • (45)
  • (5)
  • (3)
本棚登録 : 454
感想 : 30
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784063805154

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「今だからこそ読みたい、近しい世界の物語」

    少し不安を誘うような赤い表紙をめくると、そこには4つの短編が収められています。「とある戦争がもたらしたもの」が共通の題材となっていますが陰惨ではなく、じわりと胸にしみてくる作品ばかりです。「鳩の世界」に出てくる鳩たちの愛らしさや、「朗読時間」のヒロインの感情の揺れ動きは見どころ。最後は希望が残る終わり方になっているので、あらゆる世代の人におすすめしたいです。日々の生活で忘れがちな、大切なことの再確認にぜひ。(kuu)

  • 美麗な絵と絶妙なストーリーテリング。各誌で上質な作品を発表し注目の漫画家・びっけが描く、ある戦争をめぐる連作短編集、ついに刊行! 20××年、夏。高校のサマースクールで生徒が次々と錯乱状態に。彼らは決まって、部屋を赤いペンキで塗りたくろうとする──。咲き誇る深紅の花。一人の少年が背後に広がる闇に迫る! 過去の戦争の陰謀が時代を超えて少年たちを翻弄する「赤の世界」。戦争が裂いた二人の仲、残る希望は変わらぬ“声”「朗読時間」など、登場人物がリンクする全4話を収録。

    20××年、夏。遥か昔の陰謀が、前途ある少年たちを翻弄する「赤の世界」。戦争が引き裂いた二人の仲。変わらぬ“声”で運命に抗おうとする「朗読時間」。少年と鳩のまっすぐな思いが、戦時の空を駆け抜ける「鳩の翼」。命を懸けなければ叶うことはない、究極の愛の形を描く「掌の花」。時代を超えた4つのストーリーが一つにつながった時、感動がこみ上げてくる珠玉の連作短編集。

  • とある西洋風架空世界の戦争を取り巻く4つの話。
    戦後残された赤い花の薬効に翻弄される少年達の話、戦争で視力と片足を失った青年と本を読んでもらうのが好きだった女性の話、伝書鳩と話ができる青年の話、戦争に超能力を利用されていた少女の話。
    時代も場所も違う話でそれぞれ少しずつ繋がってるのが読んでて希望を感じるところなのかな。
    触れた人間を石にしてしまうニーナがマルクスに抱きしめられたときに、彼を触らないように両手を後ろにまわしてるシーンが印象的だった。

  • 重いけど、切ない・・・。
    とっても大切な一冊です。

  • 初めて読む漫画家さんだったけれど、久しぶりにこの漫画家さんのまんが、いろいろ読みたい!と思いました。

  • 前の話と繋がっていく連作短編。最後まで綺麗に終わっていて気持ちいい。

  • 戦争が遺したものたちのお話。リデアとテオに泣いた。
    関係ないけどレグルスがポッター時代のびっけさん思い出した

  • 第二次大戦中ヨーロッパと似た世界観で描かれた連作短編集。短編どうしがゆるやかに伏線でつながっている。萩尾望都のようなドライな描き方ではない。

  • 赤!

  • 戦争が遺した美しい負の遺産を皮切りに紡がれる短編集。
    少年・サマーキャンプ・図鑑・謎の花…と来たので初期の長野まゆみ作品を想像して読み始めたらまるで違う。
    ストーリーの細部にまで張り巡らされた諸々が素晴らしい。

    世界観や空気、絵柄も背景や小道具の書き込みも凄くツボでした。
    読んで良かった。

  • 久々に表紙買いをしましたが大当たり。
    絵がとても綺麗で何度でも読み返したくなる感じ。
    全体的にリンクしている話私は好きです。シリーズの続きがもっとあればいいのになあと思う。

  • ありそうな話ではあるんだけど、不思議でぞっとさせられるのに最後には感動させられた。戦争なんて嫌だよね…。

  • “「それ 最後のほうなんでページ破かれてんの?」
    「ああ これは……」
    『ここから先のページの花はもう存在しない草花なんだよ』
    『どこにも?』
    『そうだな どこにもないはずだ
    そして 咲いていてはいけない花なんだよ』”[P.25]

    裏を考えると暗いけど。
    一応ハッピーエンド。
    繋がってるの好き。
    カバー下にちょっとぞくり。

    “「……この本 どこまで読んだか覚えてる?」
    「!!」
    「最初から読んだほうがいいかしら?」
    「……ああ ありがとう」
    「ちゃんと朗読するのは10年ぶりよ
    ……うまく読めるかしら
    ごめんなさいね
    声が震えるわ ごめんなさい」
    「僕こそすまなかった
    君の声が好きだからまた聞けてうれしいよ」”[P.86]

  • 戦争によって奪われた自由や、今までの何気ない幸福が戦争によって不自由・不幸に変わってしまう。それを乗り越えた人々が最後につながっていく。

  • それぞれがつながり合う短編集。
    過去の戦争を通じてたくさんの人達の想いがあって、中には不幸もあるけれど、それでも最後のページをめくったときにほっと幸せな気持ちになった。
    良い意味で同人誌っぽい本。嫌いじゃないなあ。

  • 一回目読んだ時は普通に良い話だなあって思ったくらいだったんですが、2回目よんだら、なんだかぶわっときました。
    こういう、繋がってる話好きです。
    切ないです。
    絵も綺麗で好みです。

  • サイドストーリー的なお話を集めて大きな流れを見せてもらった感じ。
    バックにある戦争をメインとしたお話とかも少し見てみたい気がしないでもない。

  • 2011/08/25購入・10/24読了

    リンクしたお話は、なかなかにして面白い。

    不思議なお話3話、普通のお話1話。

    鳩の子が可愛くて癒された。

  • 一つの戦争にまつわる、様々な時代や人の短編集。やっぱり、この作者さんの描く表情や人物はいい。綺麗な絵なのに(だからこそ? )、心をえぐり取られる感じがいい。一通り読み終えて表紙を見直すと、ぞっとくるものがある。

  • 切なくて優しい物語。その中に確かに戦争という事実を織り込む。
    びっけさんのお話は、それでもハッピーエンドだから好き。

全29件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

上質感漂う世界観と画風が人気の、注目作家。
代表作は「真空融接」「獏~BAKU~」「あめのちはれ」など。
現在は「ITAN」(講談社)で「王国の子」を、「ウィングス」(新書館)で「極彩の家」を連載中。
「ARIA」では2015年より「ヤギくんとメイさん」を好評連載中。

「2018年 『ヤギくんとメイさん(3)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

びっけの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×